最北端の百名山「利尻富士」を知ってる?登山ガイドが利尻山に惚れ込む5つの理由 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2023.08.01

最北端の百名山「利尻富士」を知ってる?登山ガイドが利尻山に惚れ込む5つの理由

北海道の地の果て、利尻山って?

北海道の北端、地の果てのような場所に浮かぶ利尻島。筆者は、この最果ての地に惚れ込んでしまい、毎年ハイシーズンにはここへ帰ってきて、ネイチャーガイドをしています。

稚内から船で利尻島へ入るときには、まるで巨大な山が海に浮かんでいるように見えます。この姿を見て興奮しない人はいないでしょう。

本州よりも緯度が高い利尻島は、海岸沿いから高山植物が咲き誇り、来島者を可愛く出迎えてくれます。島自体が山であるこの地には、海岸沿いに咲く花、湿原や原生林に生える植物、山頂直下に咲く小さなお花など、それぞれの場所で全く異なる植生を楽しむことができます。

一度登ったらやみつきになる「利尻富士」

「日本百名山」と調べると、一番上に日本百名山の最北端である利尻山が出てきます。別名「利尻富士」です。

標高は1,721m、実際に登ることができるのは1,719mまでです。というのも、利尻山はとても脆い火山岩でできているため、実際の山頂付近は崩れていて封鎖されています。

利尻山でしか味わえない絶景や、利尻山でしか出会えない植物、刻々と変わっていく景色は、登山者を魅了し続けています。

利尻山の2つの登山コース

利尻山には、2つの登山コースがあります。登山道が明瞭で歩きやすい「鴛泊(おしどまり)」コースと、急峻で危険なトラバースを含む「沓形(くつかた)」コースです。

筆者のおすすめは、鴛泊コースです。

登山道はきれいに整備されていて、道迷いもしづらいため、初心者の方でも安心して登ることができます。

といいつつ、登山口である北麓野営場(ほくろくやえいじょう)からは、標準コースタイムが登り5時間、下り4時間です。長丁場なので、体力をしっかり温存しながらゆっくりと登るようにしましょう!

何度登っても飽きない!利尻山登山が最高な理由5つ

何度登っても登り足りない利尻山。その5つの魅力をご紹介します。

(1)山から海まで一直線!素晴らしい大展望

稜線上に紫色のお花が咲いている。

高山植物と海を一緒に見ることができます。

利尻山の魅力はたくさんありますが、筆者がこの山をおすすめしたい一番の理由は、山から望む景色です。

初めて登ったときの衝撃は今でも覚えています。

ゴツゴツした山肌の下に海が広がっている。

山頂からは、海まで続く絶景が望めます。

山頂から望む島の海岸線、そしてその先に広がる海。もういっそこのまま船で冒険に出たくなります。

利尻山の山頂まで稜線が続いている。

8合目より先は気持ちが良い稜線歩きです。

山頂はもちろん、道中さまざまな角度から展望を楽しむことができます。シャッターチャンスがあまりにも多くて、カメラのバッテリーが足りません。

(2)強風に煽られる姿が愛おしい!さまざまな高山植物

山の上にピンクのお花が咲いている。

山頂に咲くエゾツツジが可愛いです。

利尻山には、さまざまな植物が生きています。可愛い高山植物を見にやってくる登山者はとても多いです。

黄色い固有種のお花が咲いている。

固有種のリシリヒナゲシは見た目がとってもキュートです!

7月〜8月は、利尻島固有種の「リシリヒナゲシ」を一目見ようと、多くの方が利尻山に登ります。

白いお花が山の稜線沿いに強風に吹かれながら咲いている。

稜線沿いに咲くエゾノハクサンイチゲです。この日は、強風のため静止した姿を撮らせてくれませんでした。

カメラマンが撮った写真では、大人しく咲いて見えるお花たちですが、実際は強風に吹かれて暴れている姿が常です。

細い茎で、強風に負けずに元気に咲いている利尻山のお花は、すごく魅力的です。愛おしくてずっと眺めていられます。

(3)安心して森歩きできる

蔦の絡みついた木々が生い茂っている。

爽やかな癒しの森が広がっています。

実は、利尻島にはクマやヘビがいないそうです。それどころか、シカやイノシシ、キツネもいないそうです。

鳥の声を聞きながら、静かな森歩きを楽しむことができるのです。

(4)島ならでは!悪天候でも期待できる景色

雲海の登山道の上に女性が立っている。

雨の中を歩いていると、突然雲が晴れていきました。

利尻山は、とにかく天気が変わりやすい山です。

山は天気がコロコロ変わりますが、海に浮かぶ利尻山はそれ以上です。海からくる湿った風の影響を直で受けるので、非常に天気が変わりやすいです。

悪天候の中、展望を諦めて歩いていると、突然雲が切れて遠くの海まで見渡せた、なんて話はよく聞きます。

筆者は先日、しとしとと雨が降る中、寒さ凌ぎをしながら5時間かけて山頂まで辿り着きました。そこには、分厚い雲海に囲まれた、静かな天空の花畑が広がっていました。

雲が厚いからか、もしくは雨だから登っている人が誰もいないからか、雲の上の静寂の世界に心から感動しました。

苦境の中で最高のご褒美を与えてくれる、そんな粋な山なんです。

(5)下山後の至福!100度超えのサウナで整う

登山といえば、下山後の温泉とビールがセットです。この瞬間を楽しみに登ります。

利尻山登山口である利尻北麓野営場から、フェリーターミナルがある鴛泊の町までの間に、利尻富士温泉という温泉施設があります。

広くて清潔なこの温泉には、なんと100度超えの熱々サウナがあるのです。高温サウナで汗を流して、雰囲気のある森に囲まれた露天風呂で身体を癒すことができます。

お風呂上がりは、自動販売機で北海道の缶ビールを楽しみましょう。

利尻山の登り方

実際にこれらの魅力を味わってみたい人へ、最後に登山行程や登山の際の注意点を解説します。

利尻山登山行程

利尻山は、海から登ることができる山です。ですが、ほとんどの登山者は登山口である利尻北麓野営場から登ります。この場合の登山行程を紹介します。

歩行時間:約9〜10時間(登り5時間、下り4時間)
歩行距離:約13km
標高差:1,550m

登山経験者は、もう少し短い時間で登って降りてくる人も多いですが、初心者の場合は10時間以上かけてゆっくり登るのがおすすめです。

利尻山登山の注意点

利尻山に登る際は、気をつけたいことがいくつかあります。

携帯トイレは必ず持参する

携帯トイレは必ず持参して、指定の携帯トイレスポットで使用するようにしましょう。

携帯トイレスポットは、6合目、8合目の避難小屋、9合目の計3ヶ所です。

使用済みの携帯トイレは、利尻山登山口にある回収ボックスに捨てることができます。

水は2L以上持っていく

利尻山は、登山口から10分ほどの場所にある「甘露泉水」という湧水以外は、水場がありません。

天気のいい日は、日差しが照りつける中、長時間登り続けることになるので、最低2Lの水分を持参することが推奨されています。熱中症と紫外線対策を忘れずに!

日本最北の百名山「利尻富士」で最高の思い出を!

日本最北の百名山「利尻富士」。最高の山行になること間違いなしです!

一度登ったらやみつきになる山の魅力を、ぜひ全身で体感してみてくださいね。

私が書きました!
ネイチャー/登山ガイド
さあか
自然をこよなく愛するネイチャー/登山ガイド。ニュージーランドでのネイチャーガイド経験を経て、現在は丹沢山地、箱根、利尻島など、季節ごとに違う山でガイドライフを満喫中。年齢や体力に関係なく、多くの方に自然の中で過ごす楽しさを知ってもらうため、アウトドアライターとしても活動している。

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