しかし、イノシシもクマも私たちも、変な言い方ですがこの山奥深くの暮らしの中では「似たようなもんだな」と思ったりもするのです。春は人も動物も山菜を食べ、秋にはクマと競争で山ぶどう採り。同じことをしています。初夏、桑の木に登り枝をゆっさゆっさ揺らしながら桑の実を一心不乱に食べ続ける子グマは、同じく桑の実大好きなうちの息子とまるで一緒。
そんな様子を車を停めて眺めたりして、こりゃーサファリパークみたいだな、と思ったわけです。
他にもしょっちゅう山道で出会うカモシカは妙におっとりしているので、なんだか挨拶したくなってしまいますし、ウサギやリスもよく山道をぴゃーっと走り抜けていきます。キツネにもたまに出会います。
そんな毎日の中で、それまでの都会暮らしの中では遠い存在だった野生動物たちがとても身近になり、同時に彼らを敬う気持ちが自然と芽生えました。
そしてこのようなサファリ状況下で育つ我が息子はどんなふうに動物と向き合っていくのか、興味深く観察しています。
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
mm.kugaiさん
北陸地方の山奥深く、豪雪地帯の小さな村で息子と二人暮らし中。毎日の暮らしが山や自然と隣り合わせです。