海外に自転車をどう持っていく?ネパールMTB旅の装備と注意点

2020.02.03

BE-PAL1月号&2月号掲載の「シェルパ斉藤の旅の自由型」にて、父であるシェルパ斉藤さんとネパールのジョムソン街道をMTBで旅をした息子の斉藤一歩さん。日本出発からゴール地点である標高3760mのムクティナートまで、自転車旅で気をつけたポイントを教えてもらいました!

飛行機で海外に運べない自転車(MTB)もある!?

自転車を海外へ持って行くために、輪行技術は欠かせないスキルです。ネパール旅をとおして輪行も実は奥が深いことを学びました。その一部をご紹介します。

出発のチェックインにて。空港職員の方にサスペンションフォークのメーカーを尋ねられました。空気が入ったいわゆるエアサスは、気圧の関係で飛行機に載せられないとのこと。僕らの自転車は該当せず没収にはならなかったものの、下調べは重要ですね。いきなりヒヤヒヤさせられました。

職員の方の話では、メーカー別でダメなものとそうでないものがはっきりしているので、自転車に精通していなくても目利きは利くそうです。大型荷物として預けるときは、気圧で破裂しないようにタイヤの空気を抜く必要があります。抜きすぎるとフレームを傷つけるかもしれないので、ぶよぶよな感触でタイヤの形を保持した状態にしましょう。

道中のフライトでは常に預けた自転車が気掛かりでした。雑な扱いで壊れていないか、トランジットの空港で荷物が置き去りにされていないか、不安が頭をよぎります。

結果、自転車はポカラまで無事到着しました。しかし、袋を開けるとタイヤのバルブが折れていました。きっと梱包が悪く、何かの接触で折れてしまったものと思われます。

初端からタイヤチューブを交換しなければならず、いきなり予備のチューブを使ってしまったことを深く反省しました。それ以降はタイヤの置き位置、角度まで気を遣うように。輪行する際は色々用心するに越したことはありません。養生テープ、バンド紐は何かと役立ちます。

バルブ以外では輪行袋もボロボロに。タイヤのハブが当たって破れてしまったようです。こちらも反省を活かし、以降ペットボトルを被せて対策したので、袋の傷が増えることはありませんでした。今回、荷物をできるだけ軽くするため、輪行袋も生地が薄いものを使用。使い捨てと割り切っていた所もありますが、飛行機に載せるならクッション性のあるプロテクション輪行袋が断然お勧めです。

僕の自転車にはハンドルバーとサドルにそれぞれ容量10~20Lの防水バッグを取り付け、中型バッグパック30Lを背負うスタイルで自走しました。これで必要な装備はほぼ収まります。

最近では自転車フレーム、横から見て前三角形の中に収納するバッグやフロントフォークサイドに荷物を直付けできる用品など、専用キャリアを介さず装着できるバッグが増えました。これらはウルトラライトツーリングと呼ばれ、荷物を最小限に抑えながらも自転車の運動性能と機動力を確保できます。いわばマウンテンバイクなどバックカントリースタイルで使用するパッキングにぴったりです。

登山でも同じですが、荷物の重量バランスは長く旅をするうえで非常に重要です。自転車本体に荷物を載せすぎると安定性が悪く、逆に背負いすぎると乗車した時の前傾姿勢で肩を痛めます。

ジョムソン街道はひたすら登りだったため、背負う装備を重くし、着替えや宿泊道具など直ぐに取り出せなくてもいい軽めの装備を自転車へ取り付けました。旅の序盤は緩傾斜で、前述とは逆のスタイル。肩への負担は軽く車体重量を重くしていましたが、傾斜がきつくなると自転車を押すことも多く、腕がパンパンに張ってきました。そこで徐々に自転車荷物をバッグパックに移すことで対応しました。2、3日目は特に疲れが顕著になるので、数百グラムの違いでも体感できます。荷物の配置と重量バランスは大切です。

ジョムソン街道に点在する宿は自転車の旅人に理解がある方が多いです。宿内部への自転車の持ち込みは基本OK。毎日泥だらけになるので、車体を水洗いし、チェーン周りは必ずオイルをさします。走り終える度にチェーンの音がガリガリ鳴るのでオイルは必須装備です。標高も上がるため、タイヤの空気圧もチェック。入れ過ぎだといつバーストしてもおかしくありません。今回の旅は最初のバルブ折れ以外は何のトラブルも起きませんでした。パンクがなかったことも恵まれていたと思います。

ジョムソン街道でも自転車旅は少数派。ダウンヒル(バス、タクシーで山の頂上へ先回りして自転車で下るスタイル)はいても、僕たちのような登りだけを楽しむ旅人はレアです。そのぶん、地元の方は親切で、車やバスからも手を振ってくれる方がたくさんいました。こちらも勇気をもらえるし、何より幸せな気持ちになれます。旅人への思いやりを見せてくれるネパールはすばらしい国です。

バスの屋根に載せたりタクシーの荷台に括り付けたり、ちょっと乱暴に扱ったかなと心配しましたが、自転車のフレームは無事。帰国の途につく頃には、自転車の輪行もスムーズに、時間をかけず納得のいくパッキングになってきました。まだまだ改善の余地ありとは思っているので、やっぱり奥が深い。


自転車は道具ではなく相棒です。僕の相棒はモンベルのシャイデックMT-A。日本人向けに作られたフレームの自転車で、ペダルさばきが滑らかで頑丈です。これからも愛情込めて整備、パッキングしていきます。ネパールではよく頑張ってくれました。

文/斉藤一歩 写真/斉藤一歩・シェルパ斉藤

この記事をシェアしよう!

関連記事

『 海外のアウトドア旅 』新着ユーザー投稿記事

『 海外のアウトドア旅 』新着ユーザー投稿写真

『 海外のアウトドア旅 』新着編集部記事

おすすめ記事