英国の人気ロングトレイル『 COAST TO COAST 』の歩き方

2019.02.11

このトレイルはイギリス人のガイドブックライター兼イラストレーターである、アルフレッド•ウェインライト(Alfred Wainwright)が1973年に出版した「A Coast to Coast Walk」によって産声を上げた。

ウェインライトはイラストレーターでもあったので、綿密に描かれた手書きの地図や場所場所の光景のイラストがテキスト文に添えられている。実際、自身のガイド本を手にしたウォーカーたちにはできるだけ各々で好きな道を歩き、それぞれがユニークな経験を積んでもらいたいと願った、という。

そのようなわけで、C2Cを歩く際は、基本的に私有地に立ち入らないことが前提で、好きなフットパスを活用し、天気や体力に応じて、ルートを選ぶことができる。

場所によっては、道標があるものの、全ての場所に均一にあるわけではない。

今回の旅のプランニングの際に、まずは宿泊をどうするかについて決めた。そう、なんと極端な話、毎晩、屋根の下に泊まりながら歩くということも可能なのだ。まずC2Cのルート上の宿泊事情を紹介しよう。

宿泊

場所によってまちまちだが、たいていB&B、ユースホステル、ホテル、バンクハウス(相部屋)、キャンプ場といった施設がある。またキャンプ場以外でも、B&Bの庭やパブで食事をすれば安く、もしくは無料で張らせてくれたりもする。

金銭面でいうと、テント泊をすると一泊、約5−10ポンドですみ、ユースホステルや相部屋のバンクハウスなどに泊まる場合は約20−30ポンドかかり、B&Bやホテルに宿泊をすれば、2名で約70ポンド〜かかる。

7月から8月のハイシーズンの時期は特に、宿泊施設が満室になるとことも多く、テント泊をしないことを決め込んで歩く人々は、大事を取って早い段階から予約をしていた。そうした中、私たちはテント泊と宿に宿泊するというミックスパータンにすることにした。最初の2日間は体調調整をかねて、B&Bに泊まり、それ以降は宿泊する直前に予約をすることにした。大抵のパブやカフェには無料wifiがあるので、そこでhotel.comやexpedia.comなどを使って簡単に予約ができる。

歩き方

総距離300kmを超えるC2Cを歩く際に、体力やスケジュールに応じて2〜3回に分けて歩く人もいるが、ほとんどがスルーハイク派(thru-hike,一回で歩き通す)だ。歩く日数としては平均14日間かけて、ルートは西から東へというのが一般的。それは、発案者のウェインライトが海の風を背にし、または日差しがずっと顔にあたらないように、といったことが考慮されているからだそう。私たちのようにテントを担いで歩いていた人は1、2割程度に過ぎず、多くの人たちが荷物運搬サービス(有料)を活用し、宿泊施設を利用していた。

例えば、シェルパバン(www.sherpavan.com)とパックホース(www.c2cpackhorse.co.uk)という会社では、20kg以下の荷物を車で次の宿やキャンプ地に、一区間8ポンド前後で運んでくれる。

そんな夢のようなサービスがあると知りながらも、私たちは、まだザックを運べる身としては、利用しないことにした。一区間8ポンドといえど、それで毎晩フィッシュ•アンド•チップスも食べられるわけでもあるし…。

次回は装備、食事事情と行き方をご紹介します!

写真・文/YURIKO NAKAO

プロフィール
中尾由里子 Yuriko Nakao

 東京生まれ。4歳より父親の仕事の都合で米国のニューヨーク、テキサスで計7年過ごし、高校、大学とそれぞれ1年間コネチカットとワシントンで学生生活を送る。
学生時代、バックパッカーとして世界を旅する。中でも、故星野道夫カメラマンの写真と思想に共鳴し、単独でアラスカに行き、キャンプをしながら大自然を撮影したことがきっかけになり、カメラマンになることを志す。
青山学院大学卒業後、新卒でロイター通信社に入社し、英文記者、テレビレポーターを経て、2002年、念願であった写真部に異動。報道カメラマンとして国内外でニュース、スポーツ、ネイチャー、エンターテイメント、ドキュメンタリーなど様々な分野の撮影に携わる。
休みともなればシーカヤック、テレマーク、ロードバイク、登山、キャンプなどに明け暮れた。
2013年より独立し、フリーランスのカメラマンとして現在は外国通信社、新聞社、雑誌、インターネット媒体、政府機関、大使館、大手自動車メイカーやアウトドアブランドなどから依頼される写真と動画撮影の仕事と平行し、「自然とのつながり」、「見えない大切な世界」をテーマとした撮影活動を行なっている。
2017年5月よりオランダに在住。

好きな言葉「Sense of Wonder
2016 Sienna International Photography Awards (SIPA)  Nature photo 部門 ファイナリスト
2017  ペルー大使館で個展「パチャママー母なる大地」を開催

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