【賄賂なしではたどり着けぬセネガル】 ジャングルの夜は、絶叫、足音、匂い。 | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.11.29

    【賄賂なしではたどり着けぬセネガル】 ジャングルの夜は、絶叫、足音、匂い。

    軽キャンピングカーで、地球半周中です。
    稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパを抜けてアフリカに上陸。目指すは南アフリカの喜望峰。ガイドブックにないパワースポットを探し出し、人知れぬ絶景・奇景を「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    アフリカでもっとも評判の悪い国境

    アフリカ大陸の4か国目は、セネガル。
    モーリタリアとの国境はアフリカでもっとも評判が悪く、賄賂なしでは通れない地獄の門です。
    田舎なら少しは悪徳度も薄れるかと、辺境の村を目指しました。

    ひと気のない大地。ここでワニに襲われたら、迷宮入りですね。

    ゾンビのように群がる各種営業マン

    国境は噂に違わぬ悪の巣窟で、次から次へと銭ゲバが現れるRPGです。
    木陰からひょっこり顔を出した青年は、
    「公園の入場料を払ってください」
    ど、どこに公園があるというの!?
    国境ゲートでは、
    「通行料をいただきます」
    ツーコーリョー!?
    すみません、お菓子で勘弁してください。
    橋を通せんぼされて、
    「10ユーロ」
    なんとか6ユーロにまで値切り、ディスカウントのお礼にタバコを2本オマケします。
    イミグレの前では駐車場代を請求されましたが、これは笑顔で無視。ゾンビのように群がる各種営業マンは、手続き代行、両替屋、保険屋……。目があっただけで右手を差し出す連中で、猫ですら目つきが悪い。

    賄賂を値切って、お昼をご馳走になる

    イミグレの職員は芝居がかった奴らでして、出国スタンプを振り上げたまま
    「押してほしかったら、10ユーロ」
    まじっすか?
    カスタムでも「5ユーロ」
    入国スタンプも「10ユーロ」
    賄賂なんか一銭も払わん!という闘志を「ごめんなさい、本当にお金がないのです」というお詫びにかえていたら、昼食をご馳走してくれました。
    大きな鍋を6人の職員と囲み、皿も箸も使わず、右手だけでにぎにぎと握りながら食べる呉越同舟飯。見た目はアレだけど、美味いです。
    お金にがめついけれど、根は優しいみたい。

    汚なくてもパワースポット

    セネガル初のキャンピングは、フランス領時代の首都サン=ルイ。そこそこ都会です。
    ビーチ沿いのキャンプ場は、一泊およそ1,100円。
    目の前は、眺めるだけで破傷風に罹りそうなゴミの浜。ゴミ屋敷系のパワースポットとして一見の価値があります。
    近所の商店街は、文字通り黒山の人だかり。遠慮のない無数の視線にさらされて、燃えそうな我が家の軽キャンパーです。
    粗相をしたら暴動が起こりそうで、ビビりながらアクセルを踏みます。

    子どもたちとサッカー

    アフリカ最西端のセネガルは、鼻から脳みそが溢れそうなくらい暑い!
    ドライブしては休憩し、ドライブしては休憩。
    名もしれぬ村で、子どもたちとサッカーしたりして。

    ギニアの穴は訊いてない

    タンバクンバのキャンプ場に、フランス人のキャンピングカーが3台。キャンパーに会うなんて、久しぶりです。
    こんにちはー、サファリに行きました?
    「ウイ!」
    ライオンいました?
    「ギニアの道路は穴だらけだよ」
    いや、ライオンです、ラ、イ、オ、ン……
    「穴がデカくてね、見てよ、車が壊れちまった」
    英語を話さないフランス人とは、時としてこんな感じ。

    蚊はいないってば!

    ジャングルにへばりついた小さな小さな村でキャンピング……のつもりでしたが、この暑さで軽キャンパーで寝たら干からびそうです。
    ロッジを借りました。
    石造りの茅葺き屋根は、一泊1,600円。

    あれっ、オーナー、蚊帳がないですよ。
    「大丈夫、ここ、蚊はいないから」
    だけど、ほかの部屋には蚊帳がぶら下がってるじゃないですか?
    「蚊はいないってばっ!」
    悪徳国境では値切りまくったボクらですが、キャンプ場のオーナーには逆らえなかったりして……。

    肉食系を探して

    せっかくのアフリカですから、サファリに出かけます。
    ニョコロ=コバは、西アフリカ最大級の国立公園です。
    日中、ライオンを探してぐるぐると走り回りましたが、肉食系の気配はゼロ。蜃気楼の彼方にワニの鼻を見ただけ。
    カバも遠い。

    誰もいない草原。寂しい〜。

    ジャングルの足音

    ジャングルの夜は、けっこう不気味です。
    絶えず鳴り響く正体不明の絶叫、咆哮。
    風もないのに揺れる木々。カサカサと足音が近づき、頰をくすぐる匂い……。
    21世紀になったのに気づいていない原住民とか、ネアンデルタール人とかいないですよね?
    ライオンに襲われる不安と期待を夢見ながら、おやすみなさい。

    【セネガル・ドライブ情報】
    ビザ:不要
    車両保険:BROWN CARDと呼ばれる西アフリカ13カ国共通タイプ(6ヶ月間)7,499円(41,004CFA)。ダカールのAXAで取得
    検問:なし
    アフリカのキャンプ場情報:iOverlander
    次回は、アフリカ5カ国目「マリ」です。もはや暑くないです、熱いです。燃えます。

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。

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