【ソロ秘湯】夏休みに「宝探し」気分で訪れたい!穴場の秘湯3選 | 温泉 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 温泉

    2021.06.06

    【ソロ秘湯】夏休みに「宝探し」気分で訪れたい!穴場の秘湯3選

    みなさん、こんにちは。

    ソロ秘湯愛好家のゆみです!前回の記事「ぜひ、ソロで行ってほしい3つの秘湯~入門編~」が、予想以上にみなさんの反響が良くてびっくりしてるんですが、中には「2時間も歩いて、クマが出没するかもしれない入門編とはいったい!?」という声もいただいたので、今回は、さらにアクセスしやすい穴場秘湯を厳選しました。ちなみに、<ひっそりと楽しむという意味で>温泉の場所は特定しないのが野湯・秘湯コミュニティの常識。アクセスしやすい野湯は紹介しますが、細かい場所までは教えない「ちょっと不親切なレポート」となることをお許しください。

     

    林道を徒歩で20分! 「天然の蛇口」を使って温度調節できる沢湯

    『甘湯新湯』(栃木県)

    渓流のせせらぎを間近に、肌で感じながら浸かれるのがたまらない!

     

    まず最初の秘湯は、那須塩原市にある湿地帯『日光国立公園 大沼園地』近くの林道ゲートから、徒歩20分でたどり着くお手軽秘湯(ヒントは県道56号線です♪)。林道ゲートから鬱蒼と茂った木々のトンネルをくぐり、奥へと進みます。5月の時点で、もうセミが鳴いていたのにはビックリ。

    林道ゲートまで辿り着いたアナタ、ここからはもう楽勝でしょう♪

     

    「おーっ!なんて美味しい空気」。 やや荒れた林道をしばらく下ると、1本の沢にぶつかるのですが、この沢周辺の空気が都会とはまったく異なり、めちゃくちゃ澄んでいることに驚きました。塩原の温泉街には何度も行ったことがありますが、こんなキレイな避暑地がまだあったとは……。

    緑のトンネル、苔むした岩、滝……マイナスイオンいっぱいの林道。

    歩き始めて15分ぐらい。進行左側に出てくる「路肩注意」の標識を注意して見ててくださいね。ここから沢に向かって土手を下ります。

    「路肩注意」の標識。今は車は通れませんが、昔は車も通れる林道だったようです。

     

    沢に下りたら、飛び石をうまく使って対岸へと渡ります。……すると、ありました~!  大きな岩に隠れるようにして、ひっそりと湯気を上げてたたずむ秘湯『甘湯新湯』。すぐ脇にある岩の間から、15度Cの沢水と69度Cの温泉が一緒に流れ落ちて湯溜まりになっています。石を積んで堰き止めたりして温泉の投入量を調節し、自分の好きな湯加減にすることができます。まさに「天然の蛇口」つき露天風呂♪

    小石を移動させ、お湯の導線を確保しつつ湯温調整するわたし…。

     

    「完成~!」わたしは、ぬるめが好きなんで、37℃の湯船に調整しました。

    必要最低限ながら『森の貸切露天風呂』完成!十分堪能したら、ちゃんと元通りに戻しましょう。

    もうね、何が最高って…お湯の鮮度もさることながら、この渓谷美を独り占めできるってところ!  ソロ秘湯ならではの楽しみ、ぜひ時間を気にせず、目と肌を保養しちゃいましょう。

     

    『甘湯新湯』

    ● 泉質:不明

    ● 色・におい・味:オレンジ色、微金気臭

    ● アクセス:JR東北新幹線 那須塩原駅から県道56号線を経由し、林道ゲートまで車で約50分。林道ゲートから温泉まで徒歩20分。

    <注意事項>

    ● 夏はブヨ、アブなどがいます。長袖、長ズボン、虫よけスプレー携帯をおすすめします。

    ● ゴミなどは必ず持って帰りましょう。 

     

    本当に教えたくない… お手軽なのに、ワイルドな滝つぼ!

    『白根三段滝温泉』(群馬県)

    3段になった自然の滝つぼで入浴。なかなかない絵でしょ。

     

    次に紹介する温泉は、長らく噴火警戒レベルの関係で立ち入ることができなかった『草津白根山』の麓にあります!  わたしは、以前2017年に行ったきり、警戒レベルが上がり行けなくなっていたのですが、今年の3月に警戒レベルが緩和されたことで、ようやく再訪できました。 この温泉に行った方の紹介ブログでは、沢登りふうでアクセス困難になってますが、今回わたしが紹介するヒントを頼りに行けばきっと楽に到達できるはずです。スタートは、「某レストハウス」から(大ヒントです♪)。レストハウスの駐車場に車をとめて、まずは遊歩道を歩きます。この時点で標高は約2000mありますから、夏でも肌寒いので服装にはくれぐれもご注意を……。

    この遊歩道の先にある沢を目指して歩きます……。

     

    徒歩約20分、突き当たった沢の一部からほんわり湯気が上がっているのが見えます。沢の水を手で掬って舐めてみると……なんと「酸っぱい!」。ここは、魚も棲めないぐらい強い酸性の温泉が湧いている特殊な沢。上流から下流までは何か所か巨大な滝があり、沢登り好きの遡行コースとしても人気です。

    遊歩道から逸れて間もなく出会う沢。ここまでくれば滝つぼまであと少し!

     

    しばらく沢に沿って歩いていくと……ありました! これぞ『白根三段滝温泉』。この滝壺の脇には幾つもの源泉が湧き出ており、沢と混ざって34度Cのぬる湯になっています。体温より少し低めの温度、これが夏場には特に気持ちいいんです。

    肩まで浸かれてゆったりできる滝つぼもあります。

    車を下りて徒歩20分でこのワイルド野湯ってヤバくないですか? このアクセスのお手軽さと、対照的な自然そのまんまな景観、手つかず感が、秘湯愛好家でなくとも満足できること間違いなしです。

     

    『白根三段滝温泉』

    ● 泉質:酸性

    ● 色・におい・味:透明、酸味

    ● アクセス:JR吾妻線草津長野原駅から国道292号線経由で、レストハウスまで車で約40分。レストハウスから温泉まで徒歩約20分。

    <注意事項>

    ● 標高が高いので夏でも気温は低いです。ウインドブレーカー、雨合羽など防寒着を持参しましょう。

    ● ゴミなどは必ず持って帰りましょう。 

     

    一般の人も利用できるようになったばかり!相模湾一望の穴場露天風呂

    『伊豆山温泉 伊豆山研修センター』(静岡県)

    温泉に浸かりながら、相模湾を独り占め!

    「住所が分からない秘湯ばっかりじゃないか!」と、ご立腹のアナタへ。今度は住所を教えちゃいます! 熱海温泉街から離れた熱海市伊豆山の高台に位置し、企業の研修センターとして設立された施設。施設内には「伊豆山温泉」の自家源泉が2本もある贅沢さですが、これまで一般のお客さんには施設の開放をしていなかったのです。ところが、コロナの影響もあり、2020年末から一般の日帰り入浴や宿泊を始めたのです。

    建物は一見、社屋みたいだけど……。

    熱海通にもほとんどまだ存在すら知られていない「市街地の秘湯」。ちなみに、温泉へ行かれる際は、カーナビに目的地を入れると高い確率で間違えますのでご注意ください! わたしはここに行くのに2、3回ぐるぐると旋回し迷ったあげく、受付の親切なお姉さんによる電話ナビでようやくたどり着けました……笑。このアクセスの困難さも秘湯としてオススメする所以です。

    伊豆山エリアの中でも高台にある、海の景色が見える。

    研修目的でなくとも、ぜひとも行っていただきたいのが、コチラ!『相模湾一望の露天風呂~★★』最上階には木製の露天風呂があり、青い空と相模湾を眺めながら、のんびりと湯浴みが楽しめるんです。お湯ももちろん太鼓判! 水を加えない源泉かけ流しで気持ちいいですよ♪

    こじんまりした湯船ですが、この眺望を独り占めできるのが魅力。

    わたしが訪れた際は、まだ日帰り入浴を始めて間もなかったからか、他のお客さんに会うこともなく、いいお湯をプライベート感覚で楽しむことができました。熱海への行楽ついでで、お湯にのんびりと浸かりたい人にはおススメの穴場です♪ 「週末は彼女、奥さんと時間制でソロ秘湯」なんて、とても素敵じゃありませんか?

     

    『伊豆山温泉 伊豆山研修センター』

    ● 住所:静岡県熱海市伊豆山1065-1

    ● 電話:0557-80-5018

    ● 営業:火・水・金・土・日の10時~16時(最終受付15時) ※事前連絡すれば昼食も可

    ● 料金:(日帰り入浴)500円、(1泊2食)2名1室 12,705円

    ● 泉質:ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉

    ● 色・におい・味:無色透明、仄かな塩味、苦み

    ● アクセス:JR東海道線・JR新幹線熱海駅から、車かタクシーで約10分

    地域の新型コロナウイルス情報を確認の上、三密回避、マスク着用、うがい手洗いなど感染対策をしっかりと行なってください。

    私が書きました!
    渡辺裕美
    秘湯探検家。奈良県出身。会社員時代に体調を崩したことをきっかけに、温泉にハマる。これまで巡った温泉は、国内外含め2500ケ所以上。誰も行かないような秘湯や野湯にひとりで行くのが大好きで、オフはほぼ、秘湯探しか湯巡りに費やす。著書『わたしのしあわせ温泉時間 〜おとな女子がいく絶景秘境温泉の旅〜』がある。
    イラスト:藤本たみこ/温泉巡りに憧れるイラストレーター。東京都在住。少女漫画誌でデビュー後、漫画作画・イラスト・web素材製作などの仕事を幅広く手がける。

    NEW ARTICLES

    『 温泉 』新着編集部記事

    サンミゲル島の温泉がモーレツにスリリング!まさに「海の秘湯」だった

    2024.03.05

    秘湯探検家イチ推しの名湯は…長野・松川河原の野湯&七味温泉!ワイルドな野湯だぞ

    2024.02.16

    雪を見ながらの温泉…やっぱり最高!一度は行ってみたい極楽湯22選

    2024.02.16

    奥鬼怒温泉郷・八丁の湯&裏カッタテノ湯を目指してスノーハイキング! ワイルド野湯でぽかぽかだー

    2024.02.15

    日本の秘湯22選!2500か所以上巡ったプロが選んだおすすめをピックアップ

    2023.12.03

    初心者でも安心な「楽しく歩けて至福に浸れる」極上の6湯

    2023.09.12

    野外温泉ハンター"激推し"の楽園へ!「天空の露天風呂ってサイコー」

    2023.09.11

    アウトドア絶景温泉のおすすめ9選。そろそろソロ秘湯してみませんか?

    2023.08.17