夏から秋にかけてがベストシーズン!海で見られる美しい稚魚たち | BE-PAL

夏から秋にかけてがベストシーズン!海で見られる美しい稚魚たち

2021.10.07

日本の自然の素晴らしいところといえば四季があり、季節によって風景や生き物たちが様変わりすることだと思います。私が年間を通して撮影している、海の中はどうでしょうか?一般的にはあまり知られていませんが、海の中にも季節があります。

海の生き物たちが活発に活動するのは、夏~秋にかけて水温の高い季節に活発に活動する姿が見られます。そのため、生き物の種類が一番多く観察できるのも、この秋シーズンといってもいいのです。

しかし、秋になってから魚や生き物たちが大量に流れてくるのではなく、夏から秋頃まで徐々に魚の稚魚が潮に乗って流れてきます。そして流れ着いた場所で成長した稚魚たちが秋になり、観察されることが多くなるのです。

今回はこの夏に東京都の八丈島に流れてきた生き物の幼魚や稚魚たち(子供)をご紹介していきます。

魚の子供の頃の姿(稚魚)と大人の違い

魚の稚魚(赤ちゃん)は成魚とは似ても似つかいない姿をしていることが多いです。海流に乗って移動することに適した体をしているからだと考えられます。写真を見れば成魚になるとどんな姿になるのか、どれだけ違いが出るのかが一目瞭然だと思います。

フサカサゴ科の1種

フサカサゴ科の稚魚 2cm

稚魚は水面を漂って捕食者にバレないようにするためか透明で体色が付いてない物が多いです。骨まで綺麗に透けて見られるのも稚魚の特徴の一つです。

イソカサゴ 10cm

こちらはフサカサゴ科のイソカサゴ。大きくなると水底に着底して餌が取りやすい、隠れやすいといった好みの場所で生活をします。フサカサゴ科の仲間は種類が多いので、稚魚の写真だけでは種類の同定まで調べることは難しいです。

ニザダイ科の1種

ニザダイ科の稚魚 5cm

ニザダイ科の稚魚。撮影時は後ろから光が入ることで、より透明感が出て骨まで綺麗に透けて見ることが出来ました。この仲間は着底しても少しの間、透明な姿をしたままの個体を目撃したことがあります。

ニザダイ 50cm

夏の八丈島で見た時は大きな群れをなしていました。1個体が50㎝と大きく稚魚を見ると、どれだけ食べたらこんなに大きくなるのだろうと考えさせられます

ちなみに何を食べているかというと、岩に生える石灰藻や海藻食が主食です。その為、磯焼けの原因とされおり、さらに食べても臭みがある魚なので、漁師や釣り人からも嫌がられている魚です。近年では養殖し、キャベツを食べさせることで臭みを消し、人気回転寿司店にも寿司ネタとして出されているようです

ヒメスズメダイ

スズメダイ科の稚魚 3cm

このスズメダイ科の稚魚は体色や体の形からヒメスズメダイの可能性が高そうです。完全に断言できないのはダイビングでは生き物を捕まえることができないので、このあと、どのように成長するか完全には、わからないからです。その為、生き物の特徴を見てどの魚の子供なのか想像することも楽しみとなります。

ヒメスズメダイ 5cm

可能性のあるヒメスズメダイは八丈島では浅場に群れる、ポピュラーに見られるスズメダイの仲間です。小柄なスズメダイですが鮮やかな色が特徴的です。

シイラ

シイラの稚魚 7cm

子供の頃は水面で葉っぱや枝に擬態しているように漂う姿が見られます。夏の港で角に溜まっているゴミの中を探すと見つかることもあります。木の枝や人間が出したゴミも利用してしまう適用性があるようです。

シイラ 1、5m

大人のシイラは大きものだと2mになります。ハワイではmahi-mahiと呼ばれ、釣りではルアーフィッシングで人気の高い大型魚です。

イットウダイ科の1種

イットウダイ科の稚魚 8cm

稚魚はメタリックブルーに輝くのが特徴。大きくなるにつれて体の色が赤くなっていきます。

アカマツカサ 25cm


成魚になると青から赤に色が変わるのが不思議です。イットウダイの仲間のほとんどは夜行性で日中は岩の下やサンゴの隙間、洞窟に身を潜めていることが多いです。岩の下に隠れている個体は夜になると隠れ家から姿を現し、観察することが出来ます。

オトヒメエビ

オトヒメエビのデカポディド 体長5cm

最後は番外編で魚ではなく、オトヒメエビというエビの仲間の妖精です。甲殻類も幼生(子供)のころは水面を漂う種類が多いです。

オトヒメエビ 体長6cm

オトヒメエビもは夜行性のエビの仲間で岩の隙間に隠れていることが多いのですが、夜になると隠れていた岩の上に出てくることがあります。

大きくなる道はとても険しい

今回出会えた魚やエビの子供たちは、このまま成長すると水面から着底し、水底で生息します。魚に関しては稚魚から幼魚となり、成魚と変わります。しかし大きくなる道のりは険しく、大抵は他の生き物の餌になってしまったり、冬にかけての水温の低下で死んでしまったりすることがほとんどです。

水中は捕食者だらけである

冬の寒さに耐えられなかった幼魚

それでも成魚になった魚たちにまた来年出会えることを期待したいです。
私が書きました!
水中カメラマン
堀口和重
日本の海を中心に海洋生物やそれに携わる被写体を1年通して撮影。撮影した写真は新聞やダイビング雑誌などのメディアに掲載、セミナーなどのカメライベントも開催している。生き物の面白い姿や、面白い生態を知ってもらいたいと、海と人の関わりをテーマに伝えていきます。
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