丸太で焚き火を楽しむ!スウェーデントーチ(ウッドキャンドル)の作り方 | 焚き火のコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    焚き火のコツ

    2019.12.31

    丸太で焚き火を楽しむ!スウェーデントーチ(ウッドキャンドル)の作り方

    私が書きました!
    自然派ライター/セルフビルダー
    和田義弥
    1973年生まれ。主に、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで記事を執筆。これまで延べ3年3カ月をかけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com/

    週末、東京から友人が家族連れでやってきた。私が暮らしているのは、筑波山麓の農村地帯でいわゆる田舎だが、都心からの距離は約80㎞。高速道路を使って車で1時間ちょっとだ。意外と近い。彼ら家族とは長い付き合いで、毎年何度か我が家に来てくれる。嬉しいことだ。

    といってもうちに来て何かするというわけではない。空の下でご飯を食べて、ちょっとお酒を飲んで、あとはその中心に火があれば満足している。彼らにしたらプライベートのキャンプ場みたいなものなのだ。自由に焚き火ができるってだけなんだけれど、それが田舎のいいところなのだ。

    我が家には自然の石を敷いたファイアープレイスがあって、いつもはそこで焚き火をするのだが、このときは彼らからリクエストがあってスウェーデントーチを作った。

    スウェーデントーチに適した丸太とは?

    スウェーデントーチとは、地面に立てた丸太をそのまま豪快に燃やす焚き火だ。チェンソーで複数の切れ目を入れるのがミソで、その切れ目から内部に空気が入り、また熱が閉じ込められるので、酸素、熱、燃料(丸太)という燃焼の三要素がうまく働き、火が消えることなく燃え続けるのだ。

    爆音を上げて派手に木くずを飛ばしながらチェンソーで丸太を刻む様子も、都会の人には喜んでもらえる。田舎に暮らしているとチェンソーは三種の神器と言ってもいいくらいの必需品だが(あとの2つは、刈り払い機と耕うん機)、街に住んでいる多くの人にとっては一生触れることがない道具だ。ちょっとしたショーである。そりゃ、見ていて楽しかろう。

    スウェーデントーチの材料になる気の種類は、よく乾燥した丸太なら何でもいいが、最も適しているのはスギだ。なぜなら、着火性がよく柔らかいので加工しやすいからだ。何より一番手に入りやすい樹木でもある。ヒノキやマツでもいい。コナラやクヌギなどの広葉樹は、火持ちがよく燃焼時間は長いが、火付きが悪く、着火に少し苦労する。加工するにもやや硬い。丸太のサイズは直径30㎝、長さは50㎝くらいが火持ちや見た目のバランス的にも適当だと思う。

    チェンソーの安全装備と危険なキックバック

    スウェーデントーチを作るのになくてはならないのがチェンソーだ。見た目に違わず危険な道具だが、確かな知識の上で正しく使いさえすれば危険は便利に変わる。ナイフだって、バーナーだってそうでしょ。で、チェンソーを使うときの装備だが、事故の8割は脚部と足なので、まずはそこをしっかりガードする。防塵眼鏡、イヤーマフ(防音保護具)、グローブ、チャップス(脚を守る防護衣)、安全靴は必須。ヘルメットと防護ジャケットもあれば安心だ。

    チェンソーで最も危険なのはキックバックだ。刃が硬いものに触れたり、木の間に挟まったりして回転が妨げられると跳ね返ってくる現象で、特に刃の先端部分に何かが触れると発生しやすい。私も何度か経験しているけれど、作業中に気を抜くとマジやばい。ともあれ、充分気をつけて使ってください。

    スウェーデントーチの作り方

    1 スコップで地面を10㎝ほど掘って丸太の根元を埋め、チェンソーを入れたときに動かないようにしっかり固定する。

    2 チェンソーのエンジンをかけて回転を上げ、木口からまっすぐ下に切り込みを入れる。切り込みは地上10㎝くらいまで。チェンソーが土をかむと切れ味が落ちるので注意。

    3 切り込みは2~4本入れる。少ないと空気の流入量が抑えられ小さな火で長く燃える。切り込みが多ければ空気が入りやすいので大きな火が上がる。必然的に中心の穴も大きくなり、着火性もよい。

    4 周りに飛び散った木くずを丸太の木口に山にして、その上に焚き付けとなる小枝をたんまり載せて着火。丸太に火が移ればあとは自然に燃え続ける。スウェーデントーチで料理をする場合は、木口に建築用のカスガイを打ってゴトクにする。ただし、コッヘルやケトルは煤で真っ黒になるけど。

    チェンソーなしでも作れるウッドキャンドル

    スウェーデントーチはチェンソーを使える人なら簡単に作れるけれど、大抵の人はそのチェンソーがないはずだ。街暮らしには必要ないからね。そこで、チェンソーなしでもできるトーチをご紹介しましょう。

    角材ウッドキャンドル

    ホームセンターで手に入る角材を40~50㎝の長さにカットして、ノコギリや丸ノコで4面に切れ目を入れる。木口の中心に径20㎜程度の太いドリルで穴を開けると煙突効果が高まる。市販の木材はよく乾燥しているので、着火しやすくよく燃える。

    小枝のトーチ

    腕の太さくらいの細い枝を10本程度束ねて、針金で2~3カ所留める。束ねた枝は下側を10㎝くらい地面に埋めておけば、燃え進んでも崩れにくい。斧で丸太を小割にした薪を束ねてもよい。

    スウェーデントーチは直径30㎝、長さ50㎝程度のよく乾燥したスギの丸太で2時間程度燃え続けるが、完全には燃え尽きない。燃え進むと燃焼の三要素のひとつである熱が足りなくって、最後には煤けた丸太が残る。それは、次の焚き火の燃料にすればいいのだけれど、その燃え残った丸太に草花をいけている写真を見た。これいいね。で、早速、やってみました。

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