冬キャンプ前に必読!焚き火に関係がある法律・条例をおさらいしよう!

2020.12.18

私が書きました!
アウトドアライター
斎藤純平
キャンプに関する記事を中心に執筆しているアウトドアライター。趣味はキャンプ・国内旅行・バイク・スキューバダイビング。温泉や神社を巡るのも好きで、そこそこ詳しい自信あり。どこにも定住しない自由気ままな生活を目指すため、ライターとして活動している。

知らないうちに法を犯しているかも!焚き火のやり方には要注意

キャンプといったらやっぱり焚き火!

焚き火はキャンプに欠かせない要素ですが、やり方にはしっかり気をつけなければなりません。

消防庁が公開している統計によると、平成26年~平成30年のあいだに発生した山火事の原因として、もっとも多かったのが焚き火とのこと。

1年あたり平均で1200件以上発生している山火事のうち、焚き火が原因となった山火事は約370件。じつに全体の約3割を占める計算になります。

山火事を起こそうとして焚き火をする人はいないでしょうから、大丈夫だろうと思って焚き火をした結果、大変なことになってしまったケースがこれだけあるということなのでしょう。

「焚き火をするときには火災に注意する」。それは焚き火をするすべての人が意識しておくべきことです。

しかし、注意しなければならないのは火災だけではありません。法律や条例に違反しないように気をつける必要があります。

場合によっては懲役や罰金を課せられることもあるので、焚き火がいっそうありがたい存在となる冬キャンプをはじめる前に、法律や条例をおさらいしておきましょう。

【消防法】焚き火についての関連性が高い法律

消防法はおもに火災の予防や、火災が発生した際の対応などについて記されている法律です。法律のなかで、もっとも焚き火に深く関係している法律といえるでしょう。

そしてこの消防法のなかでは、焚き火のことに関して明記されています。その条文が以下の通り。

消防法の条文の一部。

これはつまり、焚き火などの火をあつかう行為において、火災のおそれがあると判断された場合には、消防署長や消防署の職員がそれをやめるように指示したり、消火の準備をおこなうように指示できるということです。

この時点では消防署の職員に注意されるだけなので、その方の指示に従えば問題ありません。しかし、その指示に従わなければ罰則が課されることになります。

その罰則とは、30万円以下の罰金または拘留。拘留(こうりゅう)とは、1日以上30日未満の期間、刑務所や拘置所などの刑事施設に拘束することです。

自分は十分に気をつけているつもりでも、近隣住民からの通報を受けて消防職員が駆けつけてくる可能性はあります。その際にはかならず消防職員の指示に従ってください。

また、火災を発見した場合の行動についても消防法第24条に記されています。それによると、火災を発見した人はすぐに消防署または指定の場所に通報しなければなりません。

そして火災が発生した場合は、火災の現場付近にいる人は消火活動や人命救助などに協力することとしています。

焚き火をしていて万が一火災が発生してしまったら、もちろん自身の命を守るために避難することも必要ですが、逃げて知らんぷりは許されないということです。

このように、消防法は焚き火をするうえで重要な法律なので、しっかり頭に入れておきましょう。

【火災予防条例】市町村ごとに制定されている条例

東京都には東京都独自の条例があります。

火災予防条例とは、消防法の下位にあたる条例のことです。こちらも焚き火のことが明記されているので、消防法とセットで覚えておきましょう。

ただし、条例は市町村ごとに内容が異なるので、自分が住んでいる地域の火災予防条例を確認してください。

東京都の場合は、火災予防条例に以下のとおり記されています。

東京都 火災予防条例の条文の一部。

これら3つの条文のうち、上2つの条文はわかりやすいと思います。普段から気をつけている方も多いことでしょう。

しかし、一番下の火災予防条例29条のような決まりごとは知らない方も多いのではないでしょうか。

この部分に記載されている「火災に関する警報」とはつまり火災警報のことで、大気の湿度や風の影響により、火災が発生しやすい状態や延焼が起きやすい状態のときに発令されます。

消防車両によるアナウンスや、市役所や消防署への掲示などにより住民に知らされるので、この火災警報が発令された日は焚き火をしないように気をつけましょう。

【軽犯罪法】軽微な違反行為を取り締まるための法律

軽犯罪法は、ゴミのポイ捨てなどの比較的軽い違反行為に対して刑罰を課するための法律です。

消防法や火災予防条例とちがい「たき火」の文字はありませんが、焚き火に直接関係する条文がしっかり記されています。

軽犯罪法の条文の一部。

軽犯罪法においても火災予防条例と同じように、燃えやすいもののすぐ近くで火を起こしてはならないものとしています。

また、火災が発生した際に消防職員の指示に従わなければならないという内容は、消防法に記されているものとよく似ている点です。

軽犯罪というと、その場で注意されて終わる程度に考えている方も多いでしょう。しかし、警察による聴取に応じなかったり、逃走すると逮捕される可能性もあります。

そのため、軽犯罪の疑いがかけられるような焚き火をしてしまっていることに気づいたらすぐに中止し、もしも警察から聴取や出頭などを求められた際にはかならず応じましょう。

そういった対応をきちんとすれば、実際に火災を起こしていなければ軽犯罪法2条に記されているとおり、刑が免除となる可能性が高くなります。

【自然公園法】国定公園や国立公園などの環境を守るための法律

自然を愛するキャンパーなら、環境への配慮も忘れずに。

自然公園法は自然公園(国立公園・国定公園・都道府県立自然公園)の保護、国民による有効活用、生態系の保護などを目的とする法律です。

自然公園は国内に多数存在し、知床国立公園・日光国立公園・富士箱根伊豆国立公園など、多くの人が一度は聞いたことがある有名な場所が多く指定されています。

やはり火災の原因になりうる焚き火についても記載されており、場合によっては重い罰則を課せられる可能性があるので要注意です。

自然公園法の条文の一部。

自然公園のなかには、景観を維持するために「特別地域」に指定されている場所があります。その特別地域のなかでもとくに保護が必要なエリアとして指定されるのが「特別保護地区」です。

この特別保護地区では勝手に焚き火をすることはもちろん、葉っぱや枝をとることも禁止されています。災害時などを除いて、基本的に許可が必要です。

これに違反した場合の罰則は重く、「6か月以下の懲役または、50万円以下の罰金」と定められています。

ハイキングの最中、「ここらへんで一服しよう」とコーヒーを作るために、焚き火を始めた場所が特別保護地区だったということもありえない話ではありません。

キャンプにおいても登山においても、自分がいる場所が有名な土地であるのがわかっている場合には、特別地域・特別保護地区に該当していないかを確認しましょう。

法律やマナーを守って焚き火を楽しもう!

焚き火をする際には、地面を焼かないように配慮しましょう。

焚き火はときに重大な事故の原因にもなること、そしていくつもの法律が関係しているということは常に意識しておかなくてはなりません。

今回は焚き火が直接的に関わっている法律として、消防法・火災予防条例・軽犯罪法・自然公園法の4つを取り上げましたが、状況によってはほかの法律に違反する可能性も十分にあります。

とくに条例は市町村で内容が異なるため、自分が住んでいる地域の条例を確認するべきでしょう。

また、たとえ法律違反でなくても、近隣住民に迷惑がかかったり植生に影響がおよびかねない焚き火をしてはいけません。

そのようなことをする人が多いと、この先、焚き火をする場所がどんどんと減ってしまうことも考えられます。

焚き火をする際には法律や条例などのルールに違反しないよう十分に注意しながら、周囲への気づかいやマナーを忘れずに楽しみましょう。

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