ひと粒で一食ぶん!? 戦国時代のエナジーバー 「兵糧丸」を作ろう

2020.11.03

 

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「僕たちが子供のころ、時代物の漫画などで戦場の兵士が食べていたのが兵糧丸。口に含めばたちまち元気になる兵糧丸は『夢のアイテム』でした」

そう話すのは野生食材の利用と発酵のスペシャリストである宮原悠さん。宮原さんによれば、兵糧丸は戦国時代の自家製エナジーバーだという。

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宮原 悠さん/あらゆる食材を発酵させる発酵クリエイター。農と猟と発酵を組み合わせた暮らしを実践。なんでも醤(ひしお)に変えるため人呼んで醤(じゃん)おじさん。

 

「文献に当たってみましたが、兵糧丸の定番のレシピは見つかりませんでした。兵糧丸はこれと決まった食べ物ではなく、そのとき家庭にあった食材で作る日もちする携行食だったのでしょう。だから再現するときは、自由に作ってOKです!」

とはいえ現代の食材で作ってはつまらない、と宮原さんは当時食べられていた伝統食から10種の素材をチョイス。含有する成分の効果と栄養バランスを考えて配合し、団子に練り上げた。

「糖分は蜂蜜、疲労回復は梅干しのクエン酸が担当。アワは食後に膨らんで空腹感を軽減し、ドクダミは体調を整える。効能や防腐効果を意識しつつ作ってみたら、ひと粒でとても満足感があるものができました。現代でも通用すると思います!」

 

今回の素材

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左上から右に

1きな粉

「蛋白質と食物繊維が豊富。野菜が摂れない状況では整腸に貢献したはず」。…生地に40g、まぶし粉に少々使用。

2そば粉

「痩せた土地でも作れる作物の代表。蛋白質とビタミンB1を多く含み、カリウムには血圧を下げる効果も」…40g。

3アワ

「農民が常食した雑穀といえばアワ。腹もちが良く、兵糧丸に入れると食後1時間ほどで腹が膨れる」…20g。

真ん中左から右に

4クワ

「カイコの餌のクワは身近な作物。甘い実はおやつだったはず。今回はドライフルーツにして使用しました」…少々。

5蜂蜜

「糖分が貴重だった時代、野で手に入る最も甘いもののひとつが蜂蜜。糖分だけでなく防腐効果もある」…40g。

6ショウガ

「爽やかな風味はもちろん、注目したいのはその抗菌作用。漢方でも薬のひとつとして扱われています」…1片。

7すりごま

「薬用植物にして兵糧丸の風味担当。行動食の素材としては肝機能を向上させるセサミンと油分に期待」…20g。

左下から右に

8梅干し

「疲労回復効果のあるクエン酸を豊富に含む。単体でも旅に携行したでしょうが、兵糧丸にも使ったはず」…2粒。

9松の実

「シイの実を使いたかったけれど、まだ手に入らないので代打で登板。脂分と食感を出すナッツとして」…10g。

10ドクダミ

「いわずと知れた最強の雑草。しかし漢方での名前は十薬。それほどいろんな薬効があると考えられたんです」…少々。

作り方

STEP1
合わせる

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素材からタネなどを除いたあと細かくして合わせる。水、40㎖を加えて混ぜる。

STEP2
こねる

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内部に空気が残ると菌の発生の原因に。材料を混ぜ合わせつつ空気を抜いていく。

STEP3
丸める

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直径5㎝前後に丸める。「兵糧『丸』だから丸めたけど棒状でもOKですよ!」

STEP4
蒸す

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網に並べて20分ほどかけて蒸す。大きく丸めると中まで火が通らない。注意!

STEP5
まぶす

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くっつかないように全体にきな粉をまぶす。きな粉は水を吸って発散する効果も。

STEP6
干す

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高温多湿の夏場は冷蔵庫でひと晩干す。水気が抜ければ完成。冬場は天日干しで。

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意外とイケる!!

ドクダミは干せ!!image

「薬効もすごいがにおいもすごい」と入れるか悩んだのがドクダミ。「干しあげてレンジにかければだいぶマイルドになりますよ!」

 

 

今回撮影に協力してくれたカフェバー 

水道橋「ベースキャンプ」
千代田区神田三崎町2-22-8梨本ビル1F
営業時間 火~金 11:30~23:30(23:00L.O.)
土・祝 15:00~23:30(23:00L.O.)
定休日 日曜・月曜

※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一

(BE-PAL 2020年8月号より)

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