人気SUVがキャンプ場に集結! フィールド試乗で分かった走りの違い

2019.06.10

外遊びを盛り上げる鍵は、クルマにあり!

本誌が創刊された1981年当時、外遊びに使えるクルマはごくわずかだった。それが今や、街中でさえSUVやクロスオーバー車を1日に何台も見かけるほどに。アウトドア向けのウェアやギアを生活に取り入れるのが当たり前になったのと同様、クルマに求められる条件も、「優れた機能をデザインに落とし込み、リラックスして楽しむ」ものへと変化しているのだ。とはいえ、本誌が気になるのは、なんといってもアウトドアで気持ちよく使えるかという点。

「だったらフィールドで乗り比べたら面白いんじゃない?」と、アイデアをひらめいた前編集長の時代から、実に構想3年(本当!)。自動車メーカー、インポーターに協力を仰ぎ、ついに開催の運びとなった「BE-PAL SUV試乗会」。会場となったPICAさがみ湖には、国内外8ブランド・合計23台(展示車両・2輪含む)が集結。午前と午後の部を合わせて総勢100名近い参加者が最新のSUVを乗り比べた。

リアシートの広さや座り心地、開放感など、同乗者がどう感じるかも大事。チャイルドシートを持ち込んでの試乗も見受けられた。

キャンプ場内の道路は安全を考慮して一方通行に。取り回しの良さや視認性、加減速のフィーリングを確かめながら、一般道へ向かう。

試乗の舞台は高低差とカーブが多く、山道に近い感覚で走れる会場敷地内の道路と一般道を合わせたコース。短時間の試乗でも、普段使いと外遊び、それぞれの感覚で確かめられる設定だ。ハンドルを握り、あるいは同乗したみなさんに感想をうかがうと、特に「乗り心地の良さ」と「静かさ」を評価する声が多いのが印象的だった。荒い路面の衝撃を巧みに吸収し、カーブでの車体の揺れや傾きを抑えた最新のSUVは、遠出の疲労をやわらげる意味でも外遊びに適しているといえるだろう。

キャンプ道具をセッティングしたメイン会場では、展示車両に乗り込んで装備の違いやラゲッジの使い勝手を入念にチェックする姿も。そして野外料理の達人、長野修平さん謹製のベーコンを食しながら、みんなで買い換えや新規導入の夢を語り合い、イベントの幕は閉じた。

メイン会場の中央には、長野修平さんのたき火スペースを設置。目玉は2日間かけて燻したベーコン!

展示スペースでは、メーカーのスタッフがクルマの特徴を丁寧にレクチャー。グレードを絞り込むヒントが満載だ。

展示車両で室内の広さや装備を確認する参加者も多かった。ショールームと違い、屋外でサイズを実感できるぶん、イメージしやすい。

快適なドライブが家族の絆を深めるのだから、リアシートの広さや座り心地もしっかりとチェック。お父さんの運転で、試乗に出発!

どんなクルマに乗って、どこへ行き、どうやって遊ぶか。外遊びを盛り上げる鍵は、やっぱりクルマにある!

「トヨタ」新しくなったRAV4を乗り比べ!

まだSUVという言葉が一般的でなかった1994年、乗用車の快適性とクロスカントリー4WDの走破性を併せ持つクルマとして登場したのが、初代RAV4。この春登場した最新型が、イベントにお目見えした。先進の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を搭載する『アドベンチャー』はギア感あふれるスタイリング。そして滑らかな走りが身上の「ハイブリッドG」という、個性の異なる2台が、参加者を魅了した。

RAV4 アドベンチャー

『アドベンチャー』は、悪路を想定した3つの4WD走行モードが選べる。ボディーサイズ:全長4,610×全幅1,865×全高1,690mm。車両重量:1,630kg。最低地上高:200mm。WLTCモード燃費:15.2km/l 

「RAV4 アドベンチャーはデザインも走りも力強くていいですね。SUVの進化を実感しました」小野陽祐さん、高村未波さん。

RAV4 ハイブリッドG

ハイブリッド車はモーターで後輪を駆動する4WDを搭載。ボディーサイズ:全長4,600×全幅1,855×全高1,685mm。車両重量:1,690kg。最低地上高:190mm。WLTCモード燃費:20.6km/l

展示ブースもRAV4一色。最低地上高200mmという余裕がわかる演出が施されていた。

「ホンダ」2+4のわくわくをアクティブに提案!

今に続くSUV人気の立役者といえるのが、CR-V。最新型はガソリン車とハイブリッド車の2本立てで、イベントには後者が登場した。2つのモーターを内蔵する「i-MMD」という最新のハイブリッドシステムを採用し、エンジンは主に発電用。出足からぶ厚いトルクで坂道もすいすい駆け上がる。室内は広く、仕立ても上質だ。ハイブリッド車は2列5人乗りだが、ガソリン車なら3列6人乗りも選択可能。家族構成や使い方に応じたモデル選択ができるのもうれしい点。外遊びの可能性を広げるクルマを得意とするホンダだけに、参加者の視線も熱かった。

CR-V ハイブリッドEX マスターピース 4WD

CR-Vの最低地上高は190〜210mm(モデルによって異なる)。SUVの名に恥じない、十分なクリアランスだ。ボディーサイズ:全長4,605×全幅1,855×全高1,690mm。車両重量:1,700kg。最低地上高:200mm。WLTCモード燃費:20.6km/l

「通勤以外は常にクルマ。キャンプは年に1度ですが、もっと行きたくなりました。内装がお洒落なCR-Vは、そんな気持ちになれます」斉藤 学さんご一家

「キャンプやトレッキングを楽しんでいます。CR-Vは想像以上に良かったです。ハイブリッドだから静かだし、室内も広い!」花輪智明さん、智朋巳さん

展示ブースではカーサイドタープを設置し、テーブルにはホンダが開発したポータブル蓄電器も。

また、2輪部門からもクロスカブ、モンキー125が出展された。ホンダなら、夢の2+4ライフも叶う!

「三菱」RVブームを支えたブランドの最新形

三菱からは、フロントマスクをはじめとする大幅改良で、都会的な洗練を身に着けたデリカD:5が登場。圧倒的な悪路走破性を継承しながら、より快適な乗り味と経済性、そして先進の安全装備を取り入れ、普段使いを重視するユーザーからの注目度も高い。ラグジュアリーなキャンプを楽しむグランピングの普及にともない、「日常の延長線上にあるアウトドア」を楽しめる無二のミニバンとして、子供連れの参加者にも新鮮に映っていたようだ。“RVの三菱”の現在形がここにある!

デリカD:5 P/8人乗り

都市生活者のミニバンというイメージを強調しつつ、実は冒険にも旅立てるタフなキャラクターが、最新型デリカD:5の特徴。ボディーサイズ:全長4,800×全幅1,795×全高1,875mm。車両重量:1,960kg。最低地上高:185mm。WLTCモード燃費:12.6km/l

「キャンプと日常の足としてクルマは不可欠。経済的で積めるデリカD:5は、妻も顔を気に入ってました」玉川 亮さんご一家

展示ブースにはデリカD:5に加え、アウトランダーPHEVも登場。LEDランタンや家電を使える給電機能は、アウトドアのビギナーにも最適。外遊びに直結するSUVなのだ。

「スバル」乗用4WDの老舗が磨き上げた信頼の走り

かつて4WDは、山間部などでの作業に従事するクロスカントリー車の専用装備だった。そんななか、一般的な乗用車で初めて4WDを取り入れたのがスバルだ。今に続く“4WD(AWD)のスバル”を象徴する1台が、フォレスター。イベントには充実装備の人気グレード、『アドバンス』が登場。狭い道でも走りやすいボディー、先進の「e-BOXER」による快適な走り、「アイサイト」などの安全装備が特徴。お買い得感を評価する参加者も多かった。

フォレスター アドバンス

小回りが利き、最低地上高は実に220mm。雪の多い地域で人気が高いことも、フォレスターの信頼性を裏付けている。ボディーサイズ:全長4,625×全幅1,815×全高1,715mm。車両重量:1,640kg。最低地上高:220mm。WLTCモード燃費:14.0km/l

「フォレスターはラゲッジが広くて、乗り心地がとてもいいですね~。ハンドルにほどよく重みがあるところも好きなポイントです」渡辺 聰さん親子

展示ブースでは試乗車と同じグレードを中心に、通好みのキャンプ道具でスタイリング。

「マツダ」操る楽しさを堪能できる2台のSUV

人とクルマが一体になった走りの質を追求するマツダからは、小型SUVのCX-3と3列型SUVのCX-8が登場。昨年、ディーゼルエンジンを1.5Lから1.8Lに拡大したCX-3は、抜群の経済性に加え、最小限の荷物でミニマムに遊ぶ楽しさを教えてくれた。CX-8は当初のディーゼルエンジンのみから、新たに加わったガソリン車の胸のすくような走りに魅了される参加者が少なくなかった。3列でも広々とした室内も人気の理由だろう。

CX-3 XD Lパッケージ 4WD

車体の四隅ぎりぎりに大きなタイヤを配したCX-3は、スタイリングも魅力! ボディーサイズ:全長4,275×全幅1,765×全高1,550mm。車両重量:1,370kg。最低地上高:160mm。燃費:19.0km/l

「運転が楽しく、多少悪路も走れるクルマを探しています。その点、CX-3は運転しやすいですね」池中達央さん、崚平さん親子

CX-8 25T Lパッケージ(6人乗り)

CX-8は3列目の頭上や足元にも余裕があり、とても実用的。スライドドアはないものの、ミニバン的に使える。ボディーサイズ:全長4,900×全幅1,840×全高1,730mm。車両重量:1,880kg。最低地上高:200mm。燃費:11.6km/l

「CX-8に試乗しました。昔のSUVは乗り心地が悪いイメージでしたが、これは乗りやすくて座り心地も◎」塩田 哲さん、洋子さん

展示ブースにはCX-8のディーゼル車が。車中泊キットも用意されていた。少人数で広く使うのもアリだ。

「フォルクスワーゲン」飽きのこない秘密がわかった!

ベーシックで飽きのこないデザインを伝統とするフォルクスワーゲン。試乗車として登場したSUVのティグアンは、ディーゼルエンジン+4WDという外遊びに最適な仕様で、後席は足元を含め広々。もう1台のパサート オールトラックは、ステーションワゴンの4WD仕様で、こちらもディーゼルエンジンを搭載。どちらも目を見張ったのは、フラットに徹して無駄のない広大なラゲッジ。参加者もドイツ流の実用的な広さをしっかりと体感できたようだ。

パサート オールトラック TDI 4モーション アドバンス

アッパーミドルクラスのパサートだけに、室内はラゲッジも含めてゆったりサイズ。2コンパクトなティグアンは山で活躍すること間違いなし。ボディーサイズ:全長4,780×全幅1,855×全高1,535mm。車両重量:1,680kg。最低地上高:160mm。燃費:17.3km/l

「昔、フォルクスワーゲンに乗っていましたが、最新モデルはとても洗練された印象。軽快なハンドリングでした」柏原 滋さんご一家

ティグアン TDI 4モーション ハイライン

コンパクトなティグアンは山で活躍すること間違いなし。ボディーサイズ:全長4,500×全幅1,840×全高1,675mm。車両重量:1,730kg。最低地上高:180mm。JC08モード燃費:17.2km/l

展示ブースにはカヌーを積んだゴルフ オールトラックを配置。赤いボディーに合わせたファミリーキャンプ向けのサイトは、見ているだけで楽しくなる!

「フィアット」贅沢な休日の相棒に!

余暇を楽しく過ごすことに長けたイタリアが作るクルマは、乗り込む前から楽しい気分にさせてくれる。小型SUV、500Xのかわいいスタイリングは、女性や子供にも大人気。1.3Lエンジンは小気味よく吹け上がり、ドライブに欠かせない快適装備も充実。イタリアのセンスをまとって贅沢なバカンスを!

フィアット 500X クロス

今年5月に改良モデルが導入され、デザインを一新するとともにパワーユニットも刷新。ラゲッジも広く、2人分の荷物は余裕で積める。ボディーサイズ:全長4,280×全幅1,795×全高1,610mm。車両重量:1,440kg。WLTCモード燃費:13.5km/l

「小さいわりにパワフル。ブレーキもばっちりです」山本喜純さん

「ジープ」オフロードはお任せあれ!

クロスカントリー4WDの元祖として有名なジープ。イベントには、チェロキーのもっとも硬派な『トレイルホーク』が登場。高度な4WDシステムを備え、最低地上高は220mm。バンパーも悪路走行に適した形状だ。今回は試乗でオフロードを試すことはできなかったが、参加者の冒険心をくすぐっていた。

チェロキートレイルホーク

V6エンジン並みにパワフルな4気筒エンジンを搭載。室内のあつらえもスポーティだ。アメリカンSUVに憧れる方は、ぜひお試しを! ボディーサイズ:全長4,665×全幅1,905×全高1,740mm。車両重量:1,910kg。最低地上高:220mm。JC08モード燃費:10.4km/l

「チェロキーはシートがやわらかく、ゆったり乗れてラグジュアリー。静かでパワフルというのが気に入りました」富松裕策さん、優美子さん

フィアットからはパンダ、ジープからは小型のコンパスが並べて展示された。

BE-PAL流試乗イベントには子供たちのわくわくも満載!

イベントを開催するにあたって編集部が重視したポイントは、「家族で楽しめる」こと。特に子供たちがわくわくできる演出を心がけ、アウトドアへの関心を高めてもらう狙いもあった。彼・彼女らが成長して運転免許を取り、クルマへの興味を抱いてもらうために……。そのときは、もちろんSUVをよろしく〜!

試乗を終えたあとは、みんなでランチタイム。夢を追いたいお父さんと財政面を握るお母さんが、理想の1台を語りあう。

クラフト作家でもある長野修平さんの指導の下、ナイフで木を削る。上手にできた?

長野印のベーコンは脂っぽさがなく、それでいて味は濃厚。イベント中は常に盛況だった。

大きなベーコンの塊を削ぐ長野さん。たくさんのクルマに乗って、遊んで、楽しい一日を過ごせたかな?

※構成/櫻井 香 撮影/小倉雄一郎(本誌)、見城 了

この記事をシェアしよう!

関連記事

『 SUV・ミニバン 』新着ユーザー投稿写真

『 SUV・ミニバン 』新着編集部記事

おすすめ記事