2026年夏、千葉県内では豪雨による被害が相次ぎ、倒木や登山道の崩れが発生したという話も聞きました。房総への旅行や登山の予定を立てるうえで、現地がどこまで復旧しているのかが気になる人もいるのではないでしょうか。
今回、私たちが家族で出かけたのは千葉県南房総市にある標高349.5mの富山(とみさん)。安全に歩くために、事前に現地の方に登山ルートの情報を聞きました。実際に歩いて見た豪雨のあとの登山道の様子や注意したい場所のほか、下山後に立ち寄りたい道の駅も併せて紹介します。
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房総のツインピークス=富山とは?

今回の目的地は、以前から気になっていた南房総市にある富山です。
富山は北峰(金毘羅峰)と南峰(観音峰)の2つのピークからなる双耳峰で、山の形が兜に似ていることでも知られています。また、曲亭馬琴(滝沢馬琴)の小説『南総里見八犬伝』ゆかりの地としても有名です。
標高は、北峰が349.5m、南峰は342m。標高だけを見ると気軽に登れそうですが、ルートによっては急坂やロープ場もあります。千葉県を襲った豪雨のあとということもあり、登山道の状況を確かめながら慎重に歩くことにしました。
山道の最新情報とルートを事前に確認

房総半島にある山は、すべて標高1,000mにも満たない低山ですが、豪雨や台風のあとは倒木や崩落が起きやすく、コース状況が一変することがあるそうです。
現地の状況を知るため、出かける数日前に富山の近くにある「道の駅 富楽里(ふらり)とみやま」に電話で問い合わせたところ、支配人さんが、登山口周辺の状況や駐車場、ルート選びについて親切に教えてくれました。
富山には複数の登山ルートがあります。今回のアドバイスでとくに参考になったのは、伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)側のルートには急なロープ場があるため、下りではなく登りに通るのがおすすめということ。
今回は、最寄りの道の駅で情報を教えていただくことができましたが、役所、観光協会、警察署、インフォメーションセンターなど、自治体や管轄の機関に問い合わせるのが一般的です。
南房総市営駐車場から山頂を目指して歩き出す
私たちは南房総市営駐車場にクルマを停め、登りは伏姫籠穴を経由するルートで北峰を目指し、下りは福満寺(ふくまんじ)側のルートを歩きました。

道の駅 富楽里とみやまから、南房総市営駐車場(無料)までは約1.7km。駐車場にトイレがないため、出発前に道の駅などで済ませておきましょう。
駐車場から歩き始めて17分。南総里見八犬伝ゆかりの場所として知られる伏姫籠穴の入り口に着きました。


入り口から籠穴までは往復で15分ほど。登山道に入る前に立ち寄れるのでウォーミングアップになります。


伏姫籠穴を見学したら登山道へ引き返し、いよいよ山頂を目指します。
山頂へ向かう伏姫籠穴ルートにはロープ場もあり!

序盤は舗装路が続きましたが、20分ほど歩いたところから未舗装路になりました。ここまでの道中には、大きく崩れた斜面や道をふさぐような倒木はありませんでした。

道の駅の支配人さんから、「足元がぬかるんでいる」と聞いていましたが、その後、晴天が続いたためか、ぬかるみはほとんどなく、比較的歩きやすい路面状況でした。

2つめのロープ場はさらに急な登りなので、足元を確認しながら慎重に進みました。

山道を進むにつれて視界が開けます。少し休んで振り返ると東京湾が見えました。

その先には、かなり太い倒木が…。最近倒れたものでしょうか。ピンクのテープが巻かれていましたが、撤去はされていません。その倒木の下にある隙間をくぐって進むと、福満寺ルートとの合流地点に至ります。


北峰手前の展望台でひと休み

2つのルートの合流地点近くにある展望台でひと休み。昼食は下山後に道の駅で食べる予定だったので、ここでは持参したパンやおにぎりを食べて軽くエネルギー補給しました。
富山の北峰に登頂!
兜の形をしたツインピークスが特徴の富山。最後の階段を登ってまずは北峰へ。



山頂周辺はわりと平らで広々としています。展望台のほかにベンチやテーブルもあり、休憩できるスペースが設けられていました。この日は連休初日。道の駅はにぎわっていましたが、山頂では比較的ゆったり過ごせました。
南峰への道標は見つけにくいので注意
北峰に続き、標高342mの南峰を目指しました。しかし、途中の案内標識が見つけられず、いつのまにか南峰山頂を通り過ぎていました。

ようやく山頂への道を示す道標を見つけました。階段を登ると古びたお堂(富山観音堂)に到着。なんと、ここが南峰の山頂(標高342m)。草が生い茂っていたためか山頂標識は確認できず、眺望もほぼないため達成感はありませんでした。

南峰山頂から家族が待つ福満寺ルートに戻りました。
福満寺ルートは倒木や段差に注意

比較的歩きやすいと聞いていた福満寺ルートですが、実際に歩くと、倒木や雨水で削られたような段差など、生々しい豪雨の痕跡が見られました。

このルートで見られた倒木は、過去の豪雨の被害に加え、先日の大雨の影響もあるようです。この先、倒木や段差を越える箇所が続きました。足元を確認しながら慎重に進みました。
福満寺から駐車場へ

登山口を下りきったところで、ようやく家族と合流。そこからは県道258号の歩道を歩き、スタート地点の市営駐車場へ戻りました。

舗装路へ出ると、思いのほか足が疲れていることを実感。急坂やロープ場、倒木のある区間もあったためでしょうか。低山というだけで難易度を判断しないことが大切ですね。
民家の軒先には熟した柿が実り、道端ではコスモスが風に揺れていました。房総の秋を感じながら、無事に一周することができました。

房総の低山に行くならヤマビル対策が必須です
今回は被害に遭いませんでしたが、房総の低山歩きで気をつけたいのがヤマビルです。活動時期は4月〜11月頃で、気温20度C前後の雨上がりなどに活発化するそう。今回は長袖・長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下に入れて、肌の露出を減らしました。また、足元やリュックに市販のヒルよけスプレーを吹きかけておくのも有効です。対策をしていても完全に防げるとは限りません。登山後は衣服や靴などにヒルが付いていないかを確認することも忘れずに。

富山に行く前に確認しておきたいこと
富山は標高こそ高くありませんが、急なロープ場や倒木、段差のある登山道もあります。今回歩いたのは2026年10月10日。登山道の状況は天候によって日々変化します。この日は晴れていたため、ぬかるみは少なめでしたが、大雨のあとなどには状況が一変することもあります。事前情報を参考に無理のない計画を立て、当日は路面の様子をしっかり確認しながら歩くことも大切です。

下山後は「道の駅 富楽里とみやま」へ

「道の駅 富楽里(ふらり)とみやま」は、「ハイウェイオアシス富楽里」と一体化していて、一般道と富津館山道路の双方からアクセスできます。
ちなみに、今回登った山の名前は「富山(とみさん)」と読みますが、道の駅の名称は旧町名の「富山町(とみやまちょう)」に由来するそうです。地元の方でも、なぜ山だけ「とみさん」と呼ぶのかは謎だそう。ちょっとした不思議なネタを知れるのも旅のおもしろさですね。

地元の美味が集まるフードコート

山を歩いて全員が腹ペコ。早速、地元の人気店が並ぶフードコートでお腹を満たすことに。私たちは「菜の花」という店で定食を2つと、別のお店で房州うどんを注文しました。

房総の食材やお土産が揃う直売コーナーをチェック

1階には、生産者直売コーナー、お土産品販売コーナー、水産物直売コーナーがあります。富山地域で採れた旬のみかん(温暖な気候で甘みと酸味がギュッと凝縮!)のほか、びわを使ったお菓子やワインなどがありました。

お土産品販売コーナーには、川名食品の手づくり太巻き寿司や落花生のおこわなど、房総らしい品々が並んでいました。下山後のお土産を探すのにもよさそうです。
道の駅 富楽里とみやま/ハイウェイオアシス 富楽里
- 所在地:千葉県南房総市二部2211
- 電話番号:0470-57-2601
- 営業時間:9時~18時(平日)、8時30分~18時(土日祝日)
- 定休日:年中無休 ※テナントにより個別の定休日があります
- ホームページ:https://www.furaritomiyama.jp/




