シルバーレイククラブ創設者・吉田伸一さんの渾身の一作
パラフィン加工と目止め液でダブル防水
「45周年ということで何か特別なものを……」と吉田さんに相談したとき、吉田さんは2つのことが頭に浮かんだという。
「ひとつは帆布です。昔のトラックの幌に使われていた帆布が現在もこの色だけが流通していることがわかりました。また、一般的なパラフィン加工のほかに目止め液を浸透させることで防水性が各段にアップすることを知りました。撥水性はもちろんのこと、たとえ水が染みこんでも生地が固く締まってそれ以上浸透しにくいんです。この2つの特性を持つ素材を使用するのはシルバーレイククラブでも今回が初めてです」
「もうひとつはミニボストン。立ち上げ当初に作ったモデルですが、修理に持ち込まれたのを見て「これだ!」と思いました。大切に使い込まれていたミニボストンが強烈にアピールしてきたんですね! 長く愛されていることに気づきました。タイミングのよいときに声をかけてくれました」
こうして「現在の最高の素材で、ミニボストンをリニューアルする」というコンセプトが固まった。


牛革にオイル、ベルトはナイロン、内張りは抗菌
補強で使われている牛革についても見直した。「オイルをしっかりしみこませてトップ(表面)に顔料をワンプッシュしているから水に強い。たとえ濡れても布で拭くだけで大丈夫。紫外線にも強いから色あせしにくいです」
ベルトの素材は帆布からナイロンに変更。ナイロンのほうがこすれに強いからだ。天然素材を重視するシルバーレイククラブだが、このあたりの考え方は柔軟だ。
内張りも天然素材にこだわらず、ポリエステルの「バイオライナー」を採用。「抗菌性、消臭性、撥水性のある素材です。ナイロン糸に消臭・抗菌剤を練りこんでいるので効果が長続きします」



帆布は熱を通しにくい
帆布というと古臭い素材と思われるかもしれないが、近年の猛暑によって見直されているそうだ。
「暑くても売れるバッグはないかとショップのバイヤーから相談されて、帆布のバッグを提案したところけっこう売れていて、取り扱い店舗が増えています。厚い帆布は熱を通しにくいようで、中の食べ物が傷みにくい。このバッグは内張りに撥水性があるから保冷剤といっしょに入れてもいいですね。たしかに帆布は熱を通しにくくて、これと同じ厚さの9号帆布の帽子を少し浮かしてかぶると、とても涼しく感じます」

日帰りから1、2泊の小旅行まで
サイズは約幅35×高さ22×マチ幅13㎝。ボストンバッグというと大きくて大げさなものが多いが、これは小ぶりなのが特徴で、ハイキングやサイクリング、釣り、野鳥観察、各種の撮影のほか、普段の通勤や買い物に使える。最近の道具はコンパクトなものが多いから、1、2泊の小旅行にももってこいだ。
「クルマの助手席や荷室にも置きやすく、ドライブ用のバッグにいかがでしょうか。今は小旅行でもキャリーバッグを持つ人が多いですが、意外と置き場に困りませんか。このバッグなら電車やバスの荷物棚にもポンと乗せられます。場所と用途を選ばないマルチボストンです」






歴史あるギボシ留め、現代的なスマホポケット
その他のディテールも写真とともに紹介しよう。









価格を決めずに作った冒険作
「先に価格を決めちゃうと、夢のある商品開発ができない」というのが吉田さんの持論。というわけで、素材も加工も良いものを選んで採用した。「ゲリラ豪雨にも猛暑にも耐えられます。久しぶりの冒険作ができたんじゃないかな」と自画自賛。
価格はそれなりになったが、「10年使えば一番使いやすいバッグになっているはず」という吉田さんの言葉を信じて、ぜひお試しください!

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45周年記念 マルチミニボストン/BE-PAL×SILVER LAKE CLUB(シルバーレイククラブ)
29,700円(税込み)
小学館百貨店




