レジャー用品を製造していたパール金属が、自社製品の開発をはじめたのは1976年のこと。
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今ではキャンプからカヌー、スノーシュー、自転車といったソト遊び道具まで1万5000点もの製品を擁するキャプテンスタッグの歴史は高波文雄現社長の「アメリカで見たバーベキューを日本で再現したい」という思いからはじまったのはご存じの通り。
ブランドのはじまりはこの1台から

当時、焼き網といえば七輪用の小さなモノばかりだったので、高波社長は玄関マットのブラシを焼き切った網とレンガで試作を重ねたという。
そのときの玄関マットのサイズが60×40cm。現在、焼き網のスタンダードなサイズとなったのはコレが原点だったのだ。

また、「ジャンボバーベキューコンロA型」があるのなら「B型」や「C型」はあったのだろうか? そんな疑問を解消してくれたのが当時のパンフレットだ。
網・鉄板付きの「ジャンボバーベキューコンロAセット」、一回り小型の本体に網・鉄板・炭用網付き「万能かまど式バーベキューコンロBセット」、AとBの中間サイズで丸焼き用串をセットできる「コンパクト型バーベキューコンロCセット」、そしてAよりもやや小ぶりで簡単組み立ての「ダブル型バーベキューコンロDセット」の4種類あり、いつしか“セット”が“型”と呼ばれるようになったのが真相。

会場にはカタログやチラシだけでなく業界初のオートキャンプバイブル本『OUTDOOR Life』も展示していた。


クルマへの荷物の積み方、クルマ乗り入れの可否を記した全国キャンプ場リスト、ロープワーク、野外料理レシピ、キャンプ道具の選び方など今のメディアに載せても違和感がない企画が1冊に詰まっている。

キャプテンスタッグの歴史をたどると、マイボトルの先駆け「ヤンヤンストローボトル」、日本発祥ブランドとして初の「OD缶ツーバーナー」、メッシュタープという新しい分野を作った「ラニーメッシュタープ」など現代では当たり前の製品の礎となった製品が多いことがわかる。

「足りない精神」から始まるモノ作りがソト遊びの常識を更新する。
BBQを広めるために玄関マットを利用して焼き網を作る、虫が苦手な家族のためにタープにメッシュをつける…キャプテンスタッグのフィロソフィーは創設当初から一貫しているのだ。
ゴールデンイヤーをイメージした黒×金モデル

会場では50周年記念アイテムのお披露目も行っていた。
焚き火台やチェア、テーブルなど愛されモデルをベースに特別カラーの黒×金で彩られた9アイテムだ。

「欧米では50周年記念をGOLDEN ANNIVERSARYと言います。日本でも結婚50年は金婚。ブランド50周年を記念し、ゴールドのデザインにしました」と高波常務。

ひときわ目を引くのがゴールドのハンマー。「ゴールデンハンマーと呼びたいために作りました」と言うが、金色に輝くハンマーは黄金の重量配分を備えた名品だ。

シェラカップは真鍮製とステンレス製の2種類。
なかでもステンレス製はプレス、曲げ、表面加工(磨きとブラスト)、金色のレーザー加工などキャプテンスタッグが拠点とする燕三条エリアの高度な技術が詰め込まれた50周年にふさわしい1品となっている。

ほかにも黒×金デザインでなくても50周年をイメージする製品は盛りだくさん用意されている。

おもしろいのがスコットランドのタータン登記所に登録したというキャプテンスタッグ タータンだ。
ブルー(空)、グリーン(森林)、ベージュ(大地)、ディープグリーン(キャプテンスタッグの色)を組み合わせたチェック柄はユニセックスで普遍的なので、アパレルやチェア、タープなどいろいろなモノに採用されそうな予感。
タータンはスコットランドでは家紋のような役割を持つ唯一無二の柄で、高波常務は「従来のロゴだけでなく、このチェック柄を見てキャプテンスタッグだよねと認識してもらえたら」と登録するに至った経緯を教えてくれた。
ロゴを一新するブランドは多いが、まさかタータンを登録するとは。
プロショップ向け、専門店専売も登場

これまでは全国どこでも同じ製品が手に入ったが、今期よりアウトドア専門店、スポーツ量販店だけで手に入る商品が誕生した。
写真のトング類はチタンコーティングを施し、火を入れると独特のカラーが生まれる。ハンドルも製品版はブラックに変更する予定でプレミアム感大なのだ。


アウトドア専門店やスポーツ量販店に足を運ぶのはキャンプやスポーツをとことん楽しむ人ばかり。デザインや機能をちょっぴりこだわったものは大歓迎だ。

そしてもうひとつの新たな取り組みが、働く人のための道具たち。
シェード、棚モック付きのワイドなチェア、保冷力の高いジャグ、幅広タイヤを装備したキャリーカートなど現場に役立ちそうなモノがズラリ。
遮熱生地を用いたクイックアップテントは、スポットクーラーの送風口を差し込むのに便利なファスナー付き窓を装備しており過酷な夏に重宝しそう。
2026年新作をチェック

ここからは今年の新製品から、気になったモノをご紹介。
まずは側面+底に真空断熱パネルと高密度ウレタンをサンドイッチした4層構造の「真空断熱スーパーコールドクーラーボックス」(21L オープン価格:想定1万4800円、45L オープン価格)だ。
一口に真空断熱パネル搭載のクーラーボックスと言っても、なかには面の一部のみ真空断熱を採用したハイブリッド型もあるのだとか。水抜き穴を設けるなど加工のためもあるので“真空断熱じゃない部分がある=ダメ”とは言い切れないが、「真空断熱スーパーコールドクーラーボックス」は5面に全面真空断熱パネルを採用しており保冷性能は文句なし。
蓋のロック操作も簡単で、家族みんなが扱いやすい仕様になっている。

鹿ベンチのクッションカバーにソファ職人の技を転用しているなど並々ならぬ熱意が見られるのがキャプテンスタッグのチェアだ。
座面のハリがよく、長時間座っていても疲れにくいものが多く、今季の新作も座り心地良好。

「あったかFDチェア<棚モック付>」はシートに電熱線が入っており肌寒い季節にうれしい仕様。スイッチを切っても座り心地がいいので一年中使ってヨシ。

「ビストロ ちょこっとテーブル」に新しい仲間が加わった。
80×20cmのロングテーブルはメッシュと合板の2タイプで、メッシュは焚き火台を囲むほか、奥行きが狭いので既存の大型テーブルに載せて熱い鍋を置くラックにしてもいい。一方の合板モデルは車内でのテーブルやラックとしても使いやすそうだ。

こちらは登山でも役立つポリプロピレン製のテーブル。
オールブラックで、ロゴはステッカー。「好きなところに貼っていただければ。貼らなくてもいいんですよ」と担当者が説明してくれた。

他社にも似た製品はあるが、キャプテンスタッグはあえて天板と脚を分けた2段構造としており、広げたときに天板がまっすぐになることにこだわっている。
重量が110gでライバルよりもやや重量はあるが、耐荷重は3kgとなかなかのもの。天板から箸が転げ落ちないのも気分がいい。

同社「EVAフォームマット」に似ているが、よりしっかり感のある発泡ポリエチレンを用いた座布団「XPE座布団 シルバーコート付(ブラック)」とともに登山やツーリングで役立ちそうだ。

キャプテンスタッグらしさが光るのは「ポケットレジャーシート」だ。ポリエステルのポケッタブルシートなのだが、四隅にステンレスペグが備わっている。

決して長いペグではないが幅広なので、芝生では保持力がありそう。3サイズあり、いずれも幅は144cm。Mが正方形で、奥行きはSがMの約半分(74cm)、LはSの約3倍(216cm)。

日本のオートキャンプとともに歩んできたキャプテンスタッグ50年の歴史。これからの50年では「足りない精神」から何を生み出すのか。今後も注目していきたいブランドだ。
【問】キャプテンスタッグ








