潮だまりのプリンス「イソスジエビ」を採って食す! | 海・川・カヌー・釣り 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.05.31

    潮だまりのプリンス「イソスジエビ」を採って食す!

    私が書きました!
    宿「 bed&breakfast ichi 」亭主
    成相修
    成相修(なりあい・おさむ) 通称ころすけ。神奈川県三浦半島南端の町「三崎」に夫婦で営む小さな宿「bed&breakfast ichi」の釣りバカ亭主。宿では釣りやトレッキングなどの自然体験ツアーも開催。

    太平洋からインド洋まで広く分布。磯の潮だまりなど、浅瀬の海に生息

    神奈川県南部に位置する三浦半島「三崎」という町で、釣りやトレッキングなどの体験ツアーを行う宿「bed&breakfast ichi」を運営している成相ころすけです。

    三浦半島で木々の葉が生い茂る頃になると、海も季節の変化を迎えます。春~初夏にかけては日中の潮の干満差が大きくなり、干潮になると潮が引き、広大な潮だまり(タイドプール)が出現します。潮だまりは小魚やヤドカリなど、多くの生きもので賑わい、のぞき込むと小さな生きものたちに混ざって透明な小さなエビが見られます。その小さなエビが、今回のターゲット「イソスジエビ」です。

    小さくても旨味抜群! さっと揚げたイソスジエビが旨い

    イソスジエビは、通年磯の潮だまりなどの浅い海に生息しています。干満の差が大きくなると生息場所が浅瀬になって、簡単に見つけられるようになります。透明で透き通った体は綺麗で美しく、まるでプリンスのように優雅です。成体で4cmほどに成長する小さなエビの一種です。

    基本的に夜行性のため、日中は小さな岩の下などに隠れていますが、比較的簡単に見つけることができますが、とても小さなエビのため市場には出回らず、釣り餌や磯遊びの際に採れたものをたしなまれる程度です。

    子どもでも簡単に採ることができ、ビールのおつまみにぴったりなイソスジエビを今回も“採って、美味しく食して”紹介していきたいと思います。

    海から独立した浅い潮だまりを狙う

    満潮時は岩が海水に浸かってしまう場所を、干潮時に狙います。(写真の磯では満潮時、後方の黒いラインまで海水が満ちてきます)

    まずは、採集する時間帯。海は1日に約2回、干潮と満潮が起こります。潮だまりが出現するのは「干潮時」です。釣り道具屋さんやインターネットなどで「潮見表」を見て、いつ潮が引くのかを必ず確認して海に行きましょう。

    次に、イソスジエビを採るポイント選び。イソスジエビは波の影響を受けにくい潮だまりで、かつ岩と砂が入り交ざった海底を好みます。岩場に立ち、波打ち際を見渡してみて、条件を満たした潮だまりを探します。

    イソスジエビは透明な小さなエビです。近くでないと見つけにくいことが多いので、ピックアップした潮だまりを順に巡りながらイソスジエビがいる潮だまりを探しましょう。イソスジエビは少数の群れでいることが多いので、ポイントを見つけた場合はその周辺の潮だまりを重点的に探してみましょう。

    ※地域によってはタモ網の使用が禁じられていたり、採集が禁止されているエリアもあります。各地の漁業権の規定を必ず確かめてください。

    ① 収縮式タモ網(大小あると便利) ②長靴 or マリンシューズ ③水汲みバケツ ④ライフジャケット  ⑤ バケツ

    イソスジエビはタモ網ですくう「ガサガサスタイル」で狙います。水深のない潮だまりを狙うため長靴を使用しますが、初夏にかけてはマリンシューズなどを履いて楽しむこともできます。ただし、潮だまりには毒をもった魚など危険な生きものなども生息しているため、ビーチサンダルなど肌を露出する靴は避けましょう。

    また、波打ち際は時折大きな波が入ってきたり、潮が満ちてくると共に海水が増えてくるのでライフジャケットは必ず着用しましょう。写真にはありませんが、軍手や作業用ゴム手袋などがあると岩場に付いている貝などで指を怪我しにくいのでオススメです。

    採集に使用するタモ網は大小別々のサイズを用意しましょう。潮だまりが大きなところでは大きな網を使用し、小さな潮だまりや岩の隙間などを狙う場合は小さな網を使用するなど、ポイントによって使い分けると採集率が上がります。

    イソスジエビ採りでは不安定な岩場を行き来するため荷物をコンパクトにし、岩や貝、危険な生きものなどで怪我をしないよう、手足中心に肌の露出は避けて活動しましょう。

    イソスジエビの群れているポイントを見つけたら一度に何匹も採れることがあります

    ポイントが決まったら、タモ網を持って潮だまりを観察する

    網は、基本的に底を這うように、目星をつけたところをなぞるように入れていきます。網が底についていないと、下をくぐってイソスジエビが逃げてしまいます。網を引き上げた後は、岩の上に網を広げると中が見やすいです。写真のようにピチピチと飛びはねているエビがいれば、持参したバケツに入れましょう。

    タモ網を動かしてすくうのが採取の方法の基本ですが、もう一つ、「追い込み法」もあります。イソスジエビがいそうなポイントを見つけたら、網を立てて底にはわせて固定しておきます。そして足を動かしながら、固定している網へイソスジエビを追い込みます。足が網のふちまできたら一気に網を引き揚げます。そうすると逃げ場がなくなったイソスジエビを大量に採集することができます。

    追い込み法のポイントは絶対に網を動かさないことです。網が動いているとイソスジエビは反射的に網をよけます。網を動かさず足だけ動かすことで、足をよけて逃げてきたイソスジエビを待ち伏せするのです。

    小石の下や海底を蹴るように、固定した網へ向けて右から左へ足を動かします

    追い込み法はテクニックが必要ですが、コツを掴むと潮だまりの狭い隙間を利用して効率よくイソスジエビを採集できるので、大小の網を使い分けて何回も試してみましょう。いっぱいに寄せて逃げ道を完全に塞ぐなど、潮溜まりの形状などに合わせて追い込み方を工夫してみてください。

    採集したイソスジエビは死んでしまうと身が痛んでしまうので、バケツなどに海水を入れてなるべく生きたまま持ち帰りましょう。帰宅まで時間がかかってしまう場合は、エアポンプなどで酸素を送りながら海水温が高くならないように持ち帰ります。

    海水は少なめに入れると持ち帰り時にイソスジエビが揺れて死ぬことが少ない(2Lのペットボトルなどを横にして水を少なめに持ち帰るのも効果的)

    プリプリの身を堪能! 明日葉とイソスジエビのかき揚げ

    イソスジエビは透明感があるプリプリした身が特徴。とても小さいので、丸ごと素揚げにしたり、アヒージョなどにして食べられます。旨味と食感が良いため、ご飯やビールのおつまみにぴったりです。

    今回は海岸に自生する明日葉も混ぜ合わせて、明日葉とイソスジエビのかき揚げを作ります。

    明日葉とイソスジエビのかき揚げ

    【材料】 かき揚げ1個分

    イソスジエビ…手の平1杯(20匹程度)
    明日葉…1~2本(なければ三つ葉などで代用可)
    てんぷら粉…大さじ3
    水…適量

    【作り方】

    1:イソスジエビはザルにあけ、水道水でよく洗います。ゴミや砂などもここで取り除いておきます。

    2:キッチンペーパーなどで水気をふき取り、分量の半分のてんぷら粉をまぶしてよく混ぜます。

    3:イソスジエビに粉がなじんだら明日葉をちぎりながら混ぜます。

    4:まんべんなくてんぷら粉がなじませたら、残りのてんぷら粉をいれ、とろりとするまで水を入れます。

    5:スプーンを使い木べらに具材を寄せます。

    6:170℃に熱した油へそっと具材を滑られるように入れ、両面をカリッと揚げれば完成。

    初夏になれば海水温も上昇してきます。親子で磯遊びをしながらイソスジエビを採って、海の幸を楽しんでみてはいかがでしょうか。

    ◆三浦半島のお魚を食べるイベントも月一で開催中!

    Kai’s kitchen「三浦半島の魚を三崎で食す」
    ※bed&breakfast ichiのFacebookページからチェック!
    https://www.facebook.com/pg/bedandbreakfastichi/events/

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