
カヤックよりも操りやすくて、ラフトよりもスリリング。身ひとつで自在に川の上を滑る新スポーツ・リバーボードにチャレンジ!
リバーボードって…なんぞや?


国内外でリバーガイドとして活躍したのち、多摩川でリバーボーディングのツアーを企画。ツアーで使う艇はすべて自身で製作したもの。年ごとに進化させている。

ハ:この取材だけは誰にも渡さない!って気持ちで来ました。私でも、激流を下れますか?
菅:アハハ。もちろん!人並みの体力があれば大丈夫です。
ハ:じつはいまだリバーボードが何かわかってないのですが、どんなスポーツなんでしょう?
菅:源流はハイドロスピードやリバーブギと呼ばれる浮力体で下る遊びにあって、リバーボードはそれらより水上での操作性を高めています。百聞は一見に如かず。流れが緩い場所で乗ってみましょう。
ハ:腹ばいになってひじをつき、フィンでバランスを取って……。お、感覚的に操れますね!
菅:そうなんです。リバーボードは顔を向けたほうへ進んでいくので、行きたいほうを向いて水を蹴ればOK。それでは流れてみましょう!
ハ:あ! 流れてる!おおお、なんか白波が立ってますよ!
菅:そこが流心です。基本的に流心を狙って流れ下り、瀬の下のエディ(反転流)で休みます。よし、いちばん強い流れに乗って流れていって〜!
ハ:あ、あ、あ〜!これは爽快!スリルとスピードのせいで、脳のなかで何か出てる!
菅:それ!圧倒的な水の力に揉まれると頭が空っぽになって、ただただ楽しくなっちゃうでしょ?全身で水を感じるのがリバーボードの魅力です!
これがリバーボードだ!
ハイドロスピード

リバーブギとも呼ばれる空気封入式の浮力体。底はフラット。
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2018モデル

海外勢を真似て発泡素材でカヤックの前部を模した艇を製作。
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現行モデル

豪華版みたい
水切りのいい尖ったノーズとほど良く丸いボトムで回転性能を向上。ひじをついて上体を起こし、艇から出た下半身とフィンで操る。
河原からスタート

御嶽駅前のクラブハウスで身支度を整え、歩いてスタート地点まで移動。身軽さもリバーボードの魅力。

基本操作と安全確保をレクチャー

ボード内部の支点をつかんで上半身を艇に載せる。顔を向けた方向に艇も向く。

川での一番の危険は岩や流木にひっかかること。ボードを放したときはつま先を上げて水中拘束を防ぐ。
水の上では自由自在!




流心にストリームイン!

水が集まって勢いよく流れる流心を流れていく。視点が低いから、白波の迫力も数倍増し!



激流の洗礼を受けたハラボー、人生初の沈。「でも最初から川に浸かってるから、全然怖くない!」
慣れたら快調!ダウンリバー

ハ「もう怖いものはない」
「リバーボードはド流心と見つけたり」。快感を求めてアグレッシブに流心へ!

「菅原さん。私もう並みの波じゃ満足できない。波のおかわりもっとください」

下るだけじゃない!リバーボードで遡れ!

川は一様に下流へと流れるわけではなく、場所によっては上流へ向かう反転流もある。それをつかむと瀬のなかでも遡れる。


「一番波が荒い場所が、一番アガる」。川の核心に触れたハラボー、スリルシーカー(興奮探究者)に仲間入り。
フェリーグライドをマスター!

水流を斜めに受けて水の力で流心を横切るフェリーグライドを体得。カヤックやSUPで実践するにはそれなりの練習が必要な技術だ。すごいぞリバーボード。

識者の声「これはいいものだ!」

里山通信ライターの藤原は元リバーガイドで激流育ち。「リバーボード、すばらしい。水の流れをダイレクトに感じられるし、乗ってすぐに直感的に操れる。水の流れを理解する道具として最上なのでは。カヤックやSUPをやる前にコレに乗っておくと上達が早まると思う」
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2025年8月号より)