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ブルーの模様を背負ったミヤベイワナに会える然別湖(しかりべつこ)|鹿追町

自然界のリアリティーを追求した作品は老若男女に幅広く愛される。シナベニアに描かれたミヤベイワナは、河東郡鹿追町の神田日勝記念美術館に寄贈されたもの。
網走湖や朱鞠内湖でのワカサギ釣りを年明けとともに始めて、やがて春になると訪れるのが、然別湖。
ミヤベイワナという稀有な魚に出会えるので、それを釣るために30年以上前から通っている。湖水の色によってブラウン、グリーン、ブルーに変化し、深いところに生息するほど背が青くなる。春先は水温が低くて湖面に上がってくるので、フライでも狙いやすい。
秋は大型のニジマスを狙う。リールの逆巻くジジジーッ! というドラッグ音が聞こえた瞬間、"生きててよかった"。「村上さん、本の増刷決まりました」っていう知らせと同等、下手すればドラッグ音が上かな。そんなしどろもどろしたことを、大の大人が北海道で相も変わらずやっている。

然別湖での釣りは、春のファーストステージと秋のセカンドステージに分かれ、一年のうち50日間、一日50名限定で特別解禁される。ナキウサギの名所でもあり、登山客も多い。

ミヤベイワナは然別湖の固有種。フライをくわえた、グリーンバックの背にルビーの斑点が美しい1匹。夏は奥深く潜ってしまう。

秋のセカンドステージは、アワフキムシを偏食するニジマス狙い。5mmの極小フライを浮かべて待つ。カプリカプリと寄ってくるが、フライの出来の良し悪しで見切られることも多々ある。

写真/佐賀詔一
写真提供/蘭島海水浴場組合、室蘭観光協会、道の駅「望羊中山」、洞爺湖町
(BE-PAL 2025年9月号より)
▼参考記事
原始の森にたたずむ2つの湖 太郎湖・次郎湖|阿寒町

人が訪れることの少ない原生林内の太郎湖と次郎湖へ。太郎湖は阿寒湖の水が流れ込む湖で阿寒川へと続き、次郎湖は雄阿寒岳の湧水がたまっている。性質の異なる2つの湖を楽しめる。起伏のある登山道を歩くため、体力に不安のある人は事前に相談のこと。

湖は周囲500~700mほど。阿寒湖の賑わいとは対照的に静寂に包まれている。
(BE-PAL 2025年9月号より)
▼参考記事
クリアSUPを体験!支笏湖(しこつこ)|千歳市

札幌出身。留学先だったオーストラリアでダイビングを始め、大自然の素晴らしさに開眼。オーシャンデイズのスタッフでもある。

北海道好きの関東在住ライター。冬は道央界隈、夏は道東を中心に歩いたり漕いだり滑ったりして楽しむ。幼少期から好きな色は青。
大きな窪地を意味するアイヌ語「シ・コッ」が名の由来という支笏湖。新千歳空港から車で約40分、アクセス抜群の場所にある。支笏湖は約4万年前の大噴火で誕生したカルデラ湖で、水質の良さは環境省の折り紙付き。透明度が高く、浅瀬は水色とも青緑とも思える真夏の避暑にうってつけの色彩を帯びている。
そのクリアな湖でクリアSUPを漕いで納涼三昧! 沸騰する本州を飛び出しやってきた。今回の旅友は、板谷この実さん。テレビレポーターだった経験を活かして、支笏湖周辺の自然の素晴らしさを伝えている。初日は支笏湖でクリアSUP、翌日は樽前山登山。支笏湖周辺を満喫する1泊2日の計画だ。
支笏湖のアウトフィッター、オーシャンデイズのメンバーでもあるこの実さんの案内で湖へ。支笏湖に流れ込んでいる千歳川からエントリーする。ふいに目に入った水面は眩しいくらいのライトブルーを放っていた。
「わ、こんなに青いんですね!」
気分は爆上がりである。興奮するスドーにこの実さんも笑顔だ。
「そう、結構青いんですよ?!」
クリアSUPは足下が丸見えの新感覚。泳ぐ魚や沈んだ大木など水面下の様子がよくわかる。水中に沈む柱状節理(火山の痕跡)も! あまりにクリアで、湖に吸い込まれそうだ。爽快この上なし、もう水になりたい?。
そんなクリアな支笏湖ブルーは、ただ自然に任せて保たれているわけではない。策定された「支笏湖ルール」によってマナー啓発などが行なわれている。個人艇などで支笏湖を楽しみたい場合は必ず事前に確認しよう。
クリアSUPで支笏湖ブルーを感じる

クリアSUPは巨大な水中メガネの上に乗っているよう! うつ伏せになってしげしげと湖底の様子をうかがう。

木陰で水面をぐるぐるとかいてみると光るようにクリアなブルーが出現。清涼感たっぷりでなんて涼しげ。

支笏湖との一体感を求めて、自らも水になる。火照った体をクールダウン。とにかく超気持ちいい。

ツアーで漕いでいる時間はおおよそ50分。景色を堪能しながらのんびりツーリングするにはちょうどいい。

借りられる!
オーシャンデイズ
一年を通じてSUPやカヤック、ダイビングなどのツアーを開催。水着も借りられるので、手ぶらでOK! レンタルウェアで気軽に自然を楽しめる。
2時間30分 8,500円
※2名以上参加での1人当たりの料金。また、支笏湖環境保全協力金500円が別途必要。
住所:北海道千歳市支笏湖温泉番外地
電話:080-9325-6507
定休日:不定休
営業時間:8時〜17時 (4月〜9月)、8時半〜17時(10月〜3月)
https://ocean-days.com/
"支笏湖チップ"をいただく!

支笏湖チップとは特産のヒメマス。一生を湖で過ごす魚だ。漁期は6〜8月で夏が旬。淡水魚は淡白なイメージがあるが、ノンノンノン! 脂が乗り旨みぎっしり。



ポロピナイ食堂
住所:北海道千歳市幌美内番外地
電話:0123(25)2041
営業時間:10時~17時半ラストオーダー
定休日:なし(冬季は休業)
https://www.poropinai.com/
撮影/二木亜矢子
(BE-PAL 2025年9月号より)
▼参考記事










