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世界最高峰のバックパックメーカー「ミステリーランチ」

バックパックブランド、デイナデザインの創業者であり、デザイナーでもあったデイナ・グリーソンが、2000年に創設したブランド。アメリカ海軍特殊部隊「Navy SEALS」をはじめ、森林消防隊にも採用されるなど、アウトドアシーンのみならず、幅広いジャンルの人たちから支持されている。
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ミステリーランチのモノ作り

「MR(ミステリーランチ)製品に独自性があるのは、そのすべてがデザインした人、いいアイデアを思いついた人の手によって作られるからなんです。だから、デザイン、開発、生産に携わるスタッフには、ひとりに一台のミシンが与えられます。そもそもうちでは、入社したらまずミシンの扱いを学んでもらっています。1年ほどは、ひたすらミシンを踏むことになりますね」(D3)
「素晴らしいパックをデザイン、製造することに加え、常に新素材を探求し、前進する。それがMRのモノ作りです」(デイナ)
森林火災の消火活動のように、パックが極限まで酷使される現場でも、MRパックが採用されている。そうした現場での作業を分析し、ユーザーの意見に耳を傾けるからこそ、シリアスな現場で活動するスペシャリストの信頼を勝ち得ているのだ。

モンタナ州ボーズマンにあるファクトリー兼オフィス。デスクの横には必ずミシンがあり、閃きをすぐ形にできる環境が整っている。
撮影/永易量行
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毎日愛用できる人気リュック「カタリスト22」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) カタリスト22
通勤通学から小旅行まであらゆるシーンに活躍できる汎用性の高いサイズ。PCコンパートメントと一体型になっており、外見がよりスッキリした印象となっている。サイドポケット搭載。26L、18Lサイズも展開。
旧モデルからシンプルな見た目と3ジップデザインを継承しつつ、メイン素材をリニューアル。引き裂き強度や耐摩耗性に強いリサイクル素材(CORDURA re/cor)を使用し、さらに全体に直線的なパネリングによってスタイリッシュな印象に仕上がった。
また、底部分が地面に着かないように底上げされたPCコンパートメントを搭載している。パックを直置きしても衝撃を直接与えにくい仕様だ。

取り出しやすいサイドのポケットはボトルを入れてもパックの形が崩れにくいデザインに。スッキリしたショルダーハーネスにはリフターストラップ付きで背負い心地も良く、トップ部分のハンドルは握りやすく背負わない時にも持ちやすくなっている。
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頂上へのアタック用パック「スクリー22」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) スクリー22
必要な荷物だけを持って登り、そして戻ってくるために開発された頂上へのアタック用パック。軽量で耐久性に優れた素材が使われ、荷重安定性も抜群だ。3ジップ・アクセスで荷ほどきも楽ちん。
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システマチックに収納できる「ディストリクト」シリーズ
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) ディストリクト24
メイン収納部はPC、タブレット、ケーブル類を入れてもなお、中央に十分なスペースがある。横側が開く正面のフラップ付きポケットは、本体を体の前に回したときにモノの出し入れがしやすくて使い勝手バツグン。
●サイズ:H47×D25×W30cm
●重量:1.2kg
●容量:23L

開いたとき不用意に全開することを防ぐ両サイドのマチは、面ファスナーによる着脱式。使い方も自由自在だ。
撮影/永易量行
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こちらもチェック!「ディストリクト18」をレビュー
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) ディストリクト18
15インチのラップトップパソコンがすっきり入るサイズ。
●重量:1.2kg
●容量:19L
現代のライフスタイルに合わせた「ディストリクト」シリーズ。個人的に気に入っているポイントを紹介しよう。
ガバッと開けるフロントポケット


フロントポケットの開口部はベルクロで開閉する形で、わざわざ右へ左へと動かすファスナーより、ペラッとめくるだけで開けられる楽チンなところが魅力。片側には縦に開くファスナーがあり、すぐに中のものを取り出したいときには瞬時にピックアップできる。
ちなみに、筆者はここに名刺入れや財布などを入れており、会計や打ち合わせですぐに取り出したい際に重宝する。

中のものが見やすいメインコンパートメント

ファスナーを下までおろすと、メインコンパートメントの中が見えやすく、出し入れしやすい。仕切りも多く、パソコンからタブレット、カメラといった大きいものから、メモ帳やモバイルバッテリーといった小さいものまで収納できる。
また、ミステリーランチのブランドカラーのひとつであるオレンジ生地が視認性を高め、少し暗い場所でも中が見やすくなっているのもいい。

メインコンパートメントにもフロントポケットにも収納ポケットが多くあり、細かい収納ができるのが優秀。「このポケットにはこの小物を収納したい」と、道具の位置を固定したい人には便利だ。
自立するほどしっかりしたショルダー構造


内蔵プレートと固定式ショルダーハーネスがしっかりとしていて安定感がある。家でも仕事場でもバッグを寝かせずに済むので、置き場に困らず、荷物の出し入れが楽チン。
ちなみに内蔵プレートがあることで、バッグに入れている固いものから背中を守る役割もあるため、これがあるなしでは背負い心地もおおいに変わる。

背中に当たる感触はデイパックだが、肩回りはザックのような安定感。ショルダースタビライザーを絞ることで、バッグと肩とが密着しザックと同じような構造になっている。
通常のバッグは重力が下に向き肩への負担がかかる一方で、ディストリクト 18は斜め後ろに重力が向き、肩の負担はほどほどで、少し後ろへ引っ張られる感覚で姿勢が良くなったように感じる。

ただし、筆者は出張先やカフェなどでも仕事をする関係上、コードや充電器、モバイルバッテリーなどさまざまな機材を持ち歩いている。そのせいか、斜め後ろへいく重力が強すぎて、たまに巻き肩状態になる。
巻き肩が長時間続くと、疲れが溜まりやすくなるため、ディストリクト18を使う際は荷物をできるだけ少なめにすることをおすすめしたい。
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コンパクトに収納できるパッカブルタイプ「イン&アウト25」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) イン&アウト25
撥水性が高い生地に加え、荷物の出し入れはロールトップ式と雨濡れに強い。パッカブルタイプは無駄をそぎ落としたデザインが多いが、これは両サイドのポケットも大きく、使い勝手がいい。

小さく収納した状態。メインのバッグと組み合わせ、サブバッグとしても重宝する。
撮影/中村文隆
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177cm男性が背負ってみた!

旅先での登山に向くパッカブル仕様は、山頂アタック用としても最適だ。太めのボトルを収納できる大型サイドポケット付き。

撮影/永易量行
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タウンからトラベルまで使いやすい軽量リュック「ギャラゲーター25」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) ギャラゲーター25
素早くアクセスできる3ジップデザインを採用した軽量パック。ウォーターボトルポケット、ツールアタッチメント付きデイジーチェーンなどデイハイクに必要なものを運ぶのにちょうどいい。雨蓋の裏側にキークリップを備えたファスナー付きポケットを装備し、毎日の街歩きや旅行での使い勝手も良好だ。
●重量:700g
●容量:24L
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広い開口部で出し入れ楽々!「2デイアサルト」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) 2デイアサルト
ミリタリー風のイカしたデザインに加えて、3つのジッパーでガバッと開いて荷物を出し入れできる点が便利。
●容量:27L
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タフで軽量!出し入れも楽々「レイディックス31」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) レイディックス31
タフで軽いウルトラPEバーズアイとリサイクルロービックリップストップ生地を採用。ミステリーランチの象徴ともいうべき大きく開くファスナーは、あえて中央からずらすことで荷物の出し入れが容易になっている。フロントと両サイドにドローコード付きの深めポケットを備え、水筒やジャケットの取り出し・収納しやすいのもポイント。
●重量:1.4kg
●容量:29L
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全天候型アウトドアライターがテスト!
より軽く、より速く、より強く。パックを軽量化することで山のミッションをより良いものにすることを狙ったシリーズ。最先端の軽量生地を使いつつも、ジッパーをオフセットして内部アクセスを早めたり、背面長を無段階調整して快適に背負えたりと、独自の設計哲学に貫かれている。女性用モデルもある。

ミステリーランチはタフさと質実剛健で知られるメーカーだ。米軍に採用されるタクティカルパックや山火事の消火に当たるファイヤーファイターのパックなど、命がけの現場で使われるモデルを多数作っている。アウトドア用モデルも同じで、軽さや俊敏性よりも使い勝手や耐久性を優先させてきた。例えていうならスポーツカーではなく、クロカン四駆のようなパック作りを続けてきたのだ。
だからこのモデルのプロトタイプを見せてもらったときには度肝を抜かれた。ここまで軽量化に振り切った製品は存在しなかったからだ。
「でも、軽さのために信頼性を犠牲にすることはもちろんしていないよ」。同社代表のデイナ・グリーソンは僕にそう語った。
「素材のウルトラPEバーズアイはとても軽いが十分にタフだ。それに見てのとおり伝統のヨークハーネスシステムや大型のヒップベルトを廃止するようなこともしていない。だから16kgの荷物を楽に背負えるんだ」
実際に荷物を詰め込んで背負ってみるとデイナのいうとおり。これならテント泊の冒険旅行にも十分対応できる。

素材は超高分子量ポリエチレンと210Dの混織生地。正面やポケットには100Dのロービックナイロンを組み合わせているので強さは万全だ。

自分の体型に合わせて背面長を無段階に調整することが可能なので、オーダーメイドのようなフィッティングが得られる。同社独自のシステムだ。

腰に荷重をのせられるので重い荷物を楽に背負える。大型ポケット付きで行動食なども収納できる。より軽量化したい場合には取りはずすことも可能。
撮影/中村文隆
▼参考記事
人気のY字ジッパーと2気室構造を備える「クーリー40」
MYSTERY RANCH(ミステリーランチ) クーリー40
素早い開閉で普段使いもしやすいY字ジッパーモデルに2気室仕様が登場する。ボトム部にはランニングシューズなどを入れておけるから国内旅行やジムバッグにも使いやすい。正面とサイドに計4つのポケットがあるのも便利。

大型のU字型ジッパーで簡単に開閉できるから使い勝手がとてもいい。もちろん1気室にもできる。
撮影/中村文隆
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