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桔梗の季節と見頃

夏の暑さの中でも涼やかに咲く桔梗は、古くから人々に親しまれてきました。まずは、桔梗の開花時期や見頃、そして『秋の花』としての一面について見ていきましょう。
夏に花を咲かせる多年草
桔梗は6月中旬から10月ごろまで、長期間にわたって花を楽しめる多年草です。特に見頃は7〜9月ごろで、夏の暑い時期に多くの花が咲き誇ります。
青紫色や白色などバリエーションも豊富で、京都などでは涼を感じさせる夏の風物詩として人気です。夏の盛りに咲く桔梗は、見た目にも涼やかで、訪れる人々に癒やしを与えてくれる存在といえるでしょう。
桔梗は、日当たりのよい山野や庭園に自生・植栽されており、開花期には各地の名所で美しい花の姿を楽しめます。
「秋の花」としての顔もある
桔梗は、実際の開花最盛期は夏ですが、俳句・和歌の世界では『秋の七草』の一つとして親しまれ、秋の季語としても扱われています。
これは、新暦と旧暦の季節感の違いも影響しており、旧暦の秋は現在の夏に当たるためです。また、古典文学や和歌にもたびたび登場し、日本人の感性に深く根付いてきました。
桔梗は、夏の花でありながら秋の象徴としても愛されている、季節をまたぐ魅力的な存在です。季節の移ろいを感じながら、桔梗の花を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【東京】桔梗のおすすめスポット3選

歴史ある日本庭園や広大な公園では、夏から秋にかけて見頃を迎える桔梗の花が、和の風情とともに訪れる人々を魅了します。ここでは、東京で桔梗観賞におすすめのスポットを3つ厳選して紹介します。
向島百花園
東京都墨田区にある『向島百花園』は、約200年以上前に造られた、江戸時代から続く伝統ある庭園です。
園内では、四季を通じてさまざまな草花が楽しめます。歴史的な石碑や句碑、和の趣あふれる小道や茶屋、御成座敷などの風情ある建物も見どころです。
夏から秋にかけては『秋の七草エリア』で桔梗が見頃を迎え、その清楚な青紫色の花が園内を彩ります。静かな時間が流れる落ち着いた雰囲気の中で、桔梗の清楚な美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。
小石川後楽園
『小石川後楽園』は、江戸時代初期に水戸徳川家の江戸上屋敷の庭として造られた、日本を代表する大名庭園です。国の特別史跡・特別名勝にも指定されており、和と中国の趣を融合させた景観が広がります。
園内には四季折々の花が美しく配置されており、桔梗も夏から秋にかけて観賞できます。池のほとりや築山の周辺では、青紫色の桔梗が涼やかに咲き誇り、歴史的な景観とともに静かで落ち着いた雰囲気を楽しめるでしょう。
都心の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間で、ゆったりと桔梗の花を眺めたい人におすすめのスポットです。
国営昭和記念公園
『国営昭和記念公園』は、東京都立川市に広がる広大な敷地を持つ国営公園で、四季折々の花畑が楽しめることで有名です。
日本庭園エリアでは、桔梗をはじめとした日本の伝統的な草花が美しく植栽されており、夏から秋にかけて涼やかな青紫色の桔梗が見頃を迎えます。
園内はバリアフリー設計で、車椅子や乳母車でも安心して散策できるのが魅力です。季節ごとに花のイベントやガイドツアーも開催されているため、桔梗だけでなくさまざまな草花や自然体験も楽しめます。
【関東】桔梗のおすすめスポット3選

関東エリアにも、バラや四季の花々とともに桔梗を味わえるガーデンや、歴史ある寺院の静かな境内で観賞できるスポットまで、個性豊かな場所がそろっています。ここでは、桔梗の季節にぜひ訪れたい、おすすめのスポットを3つ紹介します。
【神奈川】横浜イングリッシュガーデン
『横浜イングリッシュガーデン』は、約2,200品種ものバラが見どころです。バラだけでなく、四季折々の草花や樹木が楽しめます。
横浜の気候に合わせて育てられた桔梗と、ほかの花々とのコラボレーションも見逃せません。バラのアーチや季節ごとに変わる花壇の中で、桔梗が涼やかに咲く景色は写真映えも抜群です。
園内には電子チケットを利用するとスムーズに入園でき、アクセスも便利です。春から秋にかけてさまざまなイベントも開催されているので、桔梗の開花時期に合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
横浜イングリッシュガーデン公式サイト – 横浜市の花である「バラ」を基調に横浜で楽しむことの出来る園芸文化の薫る庭づくり。
【栃木】あしかがフラワーパーク
『あしかがフラワーパーク』は、広大な敷地に四季折々の花が咲き誇る、関東屈指のフラワーパークです。園内では桔梗をはじめ、さまざまな花と一緒に写真撮影を楽しめるのが魅力です。
特に有名なのは、春の大藤棚や冬のイルミネーションですが、夏から秋にかけては涼やかな青紫色の桔梗が園内を彩ります。
年間を通じて多彩なイベントが開催されており、季節ごとの花の見頃や最新イベント情報は公式サイトで随時更新されています。訪問前には、桔梗の開花状況やおすすめスポットを確認してからお出かけするのがおすすめです。
【埼玉】長瀞七草寺
埼玉県長瀞町には、秋の七草をテーマとした『七草寺』が点在しており、桔梗をはじめとする季節の花々が楽しめます。
中でも、『多宝寺』は桔梗の名所として知られ、7月下旬〜9月下旬にかけて淡い青紫色や白色の桔梗が境内を美しく彩ります。多宝寺の桔梗は群植されており、一斉に咲き誇る様子は圧巻です。
歴史ある寺院の静かな雰囲気の中で、ゆっくりと花を観賞できるのも魅力です。山上憶良の和歌にも詠まれた桔梗の花を、自然と歴史が調和する長瀞の地でじっくり味わってみてはいかがでしょうか。
ガーデニングにもおすすめ!桔梗の育て方

桔梗は、初心者でも育てやすく、毎年美しい花を咲かせてくれます。ガーデニングのアクセントや和の雰囲気づくりにぴったりの桔梗を、元気に育てるためのポイントを詳しく紹介します。
栽培に適した環境
桔梗は、日当たりと風通しのよい場所を好みますが、強い直射日光は葉焼けの原因になるため、特に夏場は半日陰の環境が理想的です。
高温多湿な環境は苦手なので、初夏や秋は日当たりのよい場所で、真夏は明るい日陰で管理しましょう。
また、水はけのよい土壌が必要で、鉢植えの場合は赤玉土や腐葉土を混ぜた用土を使うとよく育ちます。地植えの場合も、雨がたまりにくい場所を選ぶと安心です。
植え付け・手入れのコツ
桔梗の植え付けは2~3月ごろが適期で、種まきの場合は2~4月が目安です。植え付け時は、浅く植えましょう。深植えすると、新芽が伸びにくくなってしまいます。
鉢植えは土が乾いたらたっぷりと水を与え、地植えは根付いた後は降雨に任せてOKです。肥料は、植え付け時に元肥を施し、鉢植えの場合は開花期間中に適量の肥料を与えましょう。
花が咲き終わったら切り戻しを行うことで、次の花付きがよくなります。
病害虫対策
桔梗は比較的丈夫な植物ですが、風通しが悪いとアブラムシやうどんこ病が発生しやすくなります。
株間をあけて植え、定期的に葉の様子をチェックしましょう。過湿は根腐れの原因になるため、水はけのよい土と適切な水やりを心がけることが大切です。
また、花がらや枯れ葉は小まめに取り除き、株元を清潔に保つことで病害虫の予防につながります。元気な桔梗を育てるために、日々の観察とお手入れを忘れずに行いましょう。
まとめ
桔梗は、夏の暑さの中でも涼やかに咲き誇り、見る人の心を癒やしてくれる日本の伝統的な花です。
東京や関東には、歴史ある庭園や寺院、広大な公園など、桔梗の美しさを存分に味わえるスポットがたくさんあります。季節ごとに移ろう景色の中で、青紫色や白色の桔梗を眺めれば、きっと心をリフレッシュできるはずです。
さらに、桔梗はガーデニング初心者にも育てやすく、自宅でもその可憐な花を楽しめます。ぜひ今年は桔梗の季節を感じながら、名所めぐりや栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。