冬のスピティで雪豹(ユキヒョウ)を撮影するために必要な知識と準備とは? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.06.02

冬のスピティで雪豹(ユキヒョウ)を撮影するために必要な知識と準備とは?

冬のスピティで雪豹(ユキヒョウ)を撮影するために必要な知識と準備とは?
野生の雪豹を観察・撮影できる土地として、他にはない好条件を備えているスピティ。冬にスピティを訪れて撮影に取り組むのはそれなりに大変ですが、それでも挑戦してみたいという方向けに、実際に撮影を経験した人間として、いくつかの知識とアドバイスをQ&A形式で紹介していこうと思います。
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【雪豹に会いに、インド・スピティへ 第11回】

Q:スピティでの雪豹の撮影に適した時期は?

A:積雪が多くなる1月中旬から3月中旬にかけてが雪豹撮影に適していると言われていますが、最近は冬の積雪量が減少傾向ということもあり、2月頃に照準を合わせておくのが無難だと思います。

首都デリーからスピティまで冬に往復する場合、どうしても片道4、5日はかかってしまうため、その分の日程と予備日を前後に加えた上で計画を練る必要があります。

Q:スピティまでの交通手段は?

A:夏の間は、西にあるマナリという街からの峠越えの道路と、南のキナウル地方から東の国境付近を抜けてスピティに至る道路の2つがあり、いずれもバスや乗合タクシー、チャーター車などで行き来できます。冬の間は、西からの峠越えの道が積雪で通行不能になるため、キナウルからの道路のみが唯一のルートとなります。

キナウルからのルートでは、国境付近を通過する際にインナーライン・パーミットという許可証の事前取得が必要です。許可証は、キナウルのレコン・ピオやスピティのカザにある役所で取得することができます。

冬にローカルバスでこのルートを行き来するのはかなり大変で、運休も多いため、現地の旅行会社に依頼してチャーター車や許可証を手配するのが、もっとも楽で安全な移動手段となります。

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

Q:雪豹撮影はどこに手配してもらえばいい?

A:スピティの現地旅行会社に、英文のEメールなどで事前に依頼すれば、交通手段や宿泊、ガイドなどをパッケージングしたプランと料金を提案してもらえます。それぞれの日程や都合に合わせてのアレンジもある程度は可能です。

スピティの現地旅行会社 Spiti Valley Tours
https://spitivalleytours.com

Q:スピティに何日間滞在すれば、確実に雪豹を撮影できる?

A:運が良ければ到着後すぐに目撃できる場合もありますが、雪豹がいったん行方不明になってしまうと、1週間から10日は遭遇できない状態が続くことも珍しくありません。滞在期間は長いに越したことはありませんが、10日から2週間はスピティで滞在する方が無難だと思います。それでも必ず遭遇できるという保証は、もちろんありませんが。

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

Q:雪豹撮影にはどんな機材が必要?

A:35mm判換算で、焦点距離が600mmから800mm程度の望遠レンズを装着したカメラが必要になります。焦点距離が長いに越したことはありませんが、カメラを手に雪原や岩場を移動することもよくあるので、ほどほどの大きさの機材の方が、機動力を発揮できる場合も多くあります。

低温下での撮影ではバッテリーの消耗も激しく、常に宿泊施設で充電できるとも限らないため、予備のバッテリーは多めに用意しておくのが無難です。カメラを安定させる三脚は必須ですし、雪が降った際にカメラを守るレインカバーなども必要になります。

Q:防寒にはどんな服装や装備が必要?

A:撮影中はあまり動き回れない場合も多いため、フード付きのダウンジャケットと中綿入りパンツ、重ね着で調節できるインナー、防風性の高い帽子や手袋、極厚のウールの靴下、膝下くらいまでの雪に対応できるスノーブーツなどが必要になります。宿泊先でも、冬季用の寝袋を持参しておくと、より暖かく眠れるでしょう。

Q:雪豹や野生動物を撮影する際の注意点は?

A:動物たちを刺激したり脅かしたりするような行為は、厳に慎むべきです。大きな声や音を出したり、何らかの方法で接触しようとしたり、食べ物を与えようとしたりするのは論外です。撮影の際には必ず、現地のスキャナー(ガイド)の指示を守って行動しましょう。また、現地の人々の風習やライフスタイルに敬意を払い、それらを損なわないように常に気をつけましょう。

山本 高樹さん

著述家・編集者・写真家

1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとその周辺地域に長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。近著に『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』(雷鳥社)、『流離人(さすらいびと)のノート』(金子書房)など。

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