リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?
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    2024.09.25

    リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?

    リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?
    自分で摘んだ植物で茶を淹れて、のんびり味わう―。都会の喧噪から抜け出して、そんな"里山時間"を過ごしてみませんか? お茶に向いている野草とお茶の作り方を紹介します。

    "そこらへんの草"の魅力を飲んで学びます

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    和ハーブとして知られるカキドオシ。生薬(※)名は連銭草。利尿・消炎作用があるとされる。植物の魅力をより深く知るためにもお茶はおすすめ。 ※生薬とは、動植物などの薬効があるとされる部分を加工したもの。2種類以上の生薬を伝統の処方に則って調合したものが漢方薬。

    編集 オーシタ

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    ちょっと苦いけど、不摂生なカラダにしみるわ~。 

    1  採集 植物の名前はアタマじゃなく舌の感覚で覚えていくべし!

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    お茶とは気分が落ち着く味や香り、健康維持効果などを持つ植物抽出液の総称だ。有名な原料植物は緑茶や紅茶を作るチャノキだが、お茶にできる植物はそれ以外にもたくさんある。

    編集オーシタ(以下オ):そういわれたって見分けがつかないですよ。この葉っぱはお茶になるって、そもそも昔の人たちはどうやって知ったんですか?
     
    ライター鹿熊(以下鹿):じいちゃんばあちゃんの知恵だろうね。これは煮出して飲むと体調が良くなる葉っぱだよ的な。そういう伝承が、たとえば中国では何千年もの間に体系化されて漢方医学に発展したわけだ。

    :まちがえてヤバい草を摘んじゃった、なんてことは……。

    鹿:そりゃあったさ(知らんけど)。でも、そういう事故もいい教訓になったはずだよ。

    :帰りたくなってきた~。

    鹿:五感で学んでこそアウトドア雑誌の編集者でしょ。はい、今キミが踏んづけてる足元の草も、お茶になる葉っぱね。

    クワ

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    かつてはチャノキと並ぶお茶の代名詞だった。根は生薬で桑白皮。葉のお茶はほんのり甘い。

    スギナ

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    生薬名は問荊。生葉は漆かぶれの塗り薬に使われた。お茶も昔から人気がある。ほんのり香ばしい。

    カキドオシ

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    やや湿った場所を好む。匍匐する茎が垣根の隙間を突き通すほど力強いことからこの名がある。

    ヨモギ

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    食べられる野草としておなじみ。薬効のある食材・お茶として東アジア一帯で広く人気がある。

    この4種類はしっかり覚えたよ!

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    じつは野草採取も野草茶も初体験の編集オーシタ。「図鑑を開いても覚えられる気がしませんでしたが、この4種はもう完璧です!」

    2 焙煎&乾燥 蒸してから煎るとクセが薄れ香ばしく

    野草茶は水でよく洗い、風通しの良い日陰で乾燥させれば完成。利用にはポットで抽出する方法と煎じる(煮出す)方法があるが、味は葉を採取した時季や抽出濃度により変わる。また、人によっては苦みや青くささを感じる種類もある。必ずしも万人受けする味ではないが、ハマると癖になるのが野草茶だ。
     
    おすすめしたいのが、生の葉を蒸して焙煎する方法。青くささが和らぎ、隠れていた甘味やうま味が出やすくなる。

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    写真はクワの葉。生のまましんなりなるまで蒸し、冷めたら手のひらで揉む。葉の組織が壊れ、細胞から成分が出やすくなる。

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    蒸して揉んだ葉をフライパンで煎る。焦がさないよう弱火で時間をかけて乾かす感じで、ほんのり茶色くなったら火を止める。

    3 ブレンド 自分だけの黄金比を見つけよう

    それぞれの植物の持ち味を知るために、まずは1種類ずつ味わう。味の特徴がわかったら、ブレンドにも挑戦してみよう。まずは3種程度で。煎ったハトムギを加えると香ばしい甘さが加わり飲みやすくなる。

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    ハトムギを加えてまろやかに。

    ハトムギも生薬だ(薏苡仁)。市販のお茶系ペットボトル飲料にもよく使われている。健康食品の取扱店などで購入できる。

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    配合比を少しずつ変えながら自分の好みの味を探してみる。焙煎の深浅でも味わいが変わる。

    チョーおいしい野草茶はどれ?

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    左から、クワ茶、ハトムギ入りブレンド茶、ヨモギ茶、カキドオシ茶。審査委員長は偶然飛んできた蝶々さん。

    Complete!

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    「植物の香りに 癒やされます~」 「今日はもう 編集部に戻りたく ないなぁ」

    「私はヨモギ茶が好き」(編集ハラボー)。オーシタは「僕はカキドオシ茶が一番。えっ、蝶と同じジャッジ?なんか嬉しいぞ」

    ハーブ感覚で生葉でもいける!

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    日本の野草の中には西洋のハーブに似た芳香を持つ植物もある。カキドオシが代表的な野草だ。乾燥させた葉もお茶として知られるが、やや重めの味わいで評価は分かれる。
     
    ところが、生の葉に熱湯を注ぐとまったく違う個性を発揮する。色は淡いグリーンで、ミントに似た香気がある。まさに日本のハーブティーだ。
     
    カキドオシは全草利用できるが、味がよく出るのは葉。春に咲く薄紫色の花も利用できる。

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    温かいままで飲んでもよいが、氷できりっと冷やすことをおすすめ。雑味がマスキングされ、良い香りが強く引き立つ。

    野草茶の王様「クロモジ」は樹1本ごとに風味が違う?

    お茶として楽しめる植物といえば、忘れてはならないのがクロモジだ。クスノキ科の落葉低木で、葉や枝に爽やかな香りがある。高級和菓子に添える楊枝はこのクロモジの木を削ったもの。噛むと口中に爽やかな香りが広がることから、江戸時代には今の歯ブラシのようにも使われた。葉や枝を刻んだものも昔から健康茶として人気で、近年はアロマオイルも注目されている。
     
    緑茶の味には産地ごとに特徴があることが知られている。ならばクロモジ茶の風味にも地域性があると考えられないだろうか。そもそもクロモジには類似種や種内変種が多い。外見に差があるなら香りも異なる可能性はある。
     
    このことに関する興味深い論文がある。森林総合研究所の楠本倫久さんらが’22年に発表したもので、クロモジの芳香成分は同じ地域の同種の群落でも樹1本ずつに違いがある、つまり"十本十色"であることがわかったという。
     
    その違いはお茶にした場合もわかるのか? 飲み比べてみたいものだ。

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    クロモジ茶。ローカルな野草茶のひとつだったが、アロマブームで全国区的な人気に。

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    ※撮影/植松国雄

    春、若葉が出るのと同時に黄色い花を下向きに咲かせる。

     

    クイズ! 撮影中の湯飲みにとまったこの蝶の名前は?

     

    答えは……

    名はコミスジ。黒褐色の翅に白い線が3本走っているタテハチョウで、滑空するような独特な飛び方が特徴だ。
    近縁種のミスジチョウとよく似ているが、3本の白い線のうち一番前の線の先が1か所切れているのがコミスジ、つながっているのがミスジチョウ。

     

    ※構成/鹿熊 勤 撮影/藤田修平

    (BE-PAL 2024年10月号より)

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