【5日間で脱出しなければならないトルクメニスタン/中央アジア】 地獄の門までMidnight Run! | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.05.25

    【5日間で脱出しなければならないトルクメニスタン/中央アジア】 地獄の門までMidnight Run!

    軽キャンピングカーで、世界半周中の放浪夫婦です。
    稚内からサハリン島へ渡り、シベリアの大地を爆走。モンゴルで道草したのち、中央アジアに入りました。南アフリカの喜望峰を目指す、無期限無軌道ドライブです。
    ガイドブックにない隠れ家的パワースポットや絶景・奇景を見つけ出しては、「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    5日間しか滞在できないのに、手続き5時間半

    世界的に評判の悪い独裁国家ウズベキスタンを脱出し、謎に包まれた独裁国家トルクメニスタンに潜入します。
    滞在期間は、トランジットビザの5日間だけ。道中、多くの人に、車でトルクメニスタンに入れるの?って訊かれて、こみ上げる不安。守衛にチョコレートをねだられ、手続きに5時間半もかかりましたが、車ごと無事に入国しました。

    ひと仕事終えた国境の外は、雪。まだ明るいというのに、街灯が光り輝いています。さすが天然資源大国、気前がいいです。

    土曜の夕方は、両替えできない

    国境を後にして、13km離れたタシャウスの町まで全力疾走。
    大急ぎで両替え屋を探しますが、すでに夕方でしかも土曜日。誰に尋ねても両替えは不可能。
    万事休す――。
    「なんとかなりませんかね?」
    高級そうなホテルに相談します。

    厚い人情と安いガソリン

    ホテルのレセプショニストは親切でした。館内のスタッフを呼び出して財布をかき集め、100US$を両替えしてくれたのです。ありがとう!
    そのお金を握りしめて、ガソリンスタンドへ直行。オクタン価95の高級ガソリン1リットルが、たったの34円。さすが産油国です。
    秘密主義の独裁国家と恐れていましたが、厚い人情と安いガソリン。
    いい国じゃないですか。
    あちこちで、こんな小さな車でよう来なさったと写メられます。

    家訓を破って、Midnight Run!

    ガソリンは満タンになったものの、日没。
    両替えをしてくれた親切なホテルに泊まりたいけれど、仕事の納期が迫っていて、なる早で首都アシガバードへ急ぎたい。
    しかしその前に立ち寄りたいのが、地獄の門。300km先。海外では夜は運転しないという家訓を破り捨て、Midnight Runします。

    行く手を阻むバリケード

    しばらくは順調にドライブしていましたが、小さな村の出口で道路封鎖。警察官が立ちはだかり、すべての車が引き返します。地元の人に裏道を案内してもらいましたが、そこにもバリケード。事件、テロ、それとも革命?
    万事休す――。
    トルクメニスタンが通行止めで納品できませんでした!なんて、日本のクライアントに言えないです。
    「なんとかなりませんかね?」
    警察官に頭を下げたら、賄賂を要求されることもなくゲートを開けてくれました。意外や意外。融通がきくんですね。

    遭難したら、地獄へ行けない

    縦貫道は、街灯なしで穴だらけ。時速50kmが精一杯。地獄の入り口、ダルヴァザ村に到着したのは深夜の1時。薄い月明かり。丑三つ時を狙って地獄を目指すのか~と尻込みしたものの、地図アプリを頼りに砂漠に入りました。
    そろりそろりと砂の轍をなぞりましたが、すぐに柔らかい砂にはまって遭難寸前。すっかり怖気付いてしまい、道路まで戻って野宿します。

    それ、Jeepじゃないじゃん

    翌朝早く、村へ戻ってチャイハネ(食堂)で朝食。
    熱いお茶で暖をとっていたら、暇そうなおじさんが
    「俺のJeepで、地獄まで送ってやるよ!」
    軽自動車で砂漠は無理かもってビビっていたので、喜んでお願いしました、ご自慢のJeep。車に、TOTOTA CAMRYって書いてあったんですけどね。

    こぶが減りました

    ラクダ注意の道路標識です。ということは、そろそろ……

    ラクダの登場です!

    カザフスタンはふたこぶでしたが、トルクメニスタンはこぶひとつ。どう進化したのかは知りませんが、スターウォーズの世界です。

    駐車場泊する雰囲気じゃない

    首都アシガバードに到着。宿が高過ぎです。街中を走り回って探し出したのが、70US$でWi-Fiなし。現金払い。翌日、クレジットカードの使える130US$へ引っ越し。レセプションのまわりだけWi-Fiが飛んでいるので、なんとか仕事ができそうです。

    写真撮影禁止が多い

    トルクメニスタンは撮影禁止の建物が多く、しかもどれが禁止物件がわからない秘密主義。また中心街に近づくほど、車が制限速度をきっちりと守る不気味な統制感。人民より多い警察官。とても駐車場泊する雰囲気ではなく、アウトドアからもっとも遠い国です。

    運転の練習がしたいなら

    仕事を済ませ、アシガバードを観光ドライブしました。辛気臭い雨。
    中心街は、初代大統領がこだわった白い大理石のビルが延々と続き、道路の白線はペンキじゃなくて照明。異様な街並みです。
    対して郊外は奇抜な建築物が点在し、走る車はなく、人どころか犬1匹見かけません。建物も道路も綺麗ですが、ほぼゴーストタウン。運転の練習をするなら、ぜひアシガバードへ。

    中央アジアのまとめ

    よくも悪くもあまり噂を聞かない中央アジア。アウトドアを楽しめるのは、キルギスです。
    以下、簡単にドライブ情報をまとめました。
    ・カザフスタンは、穴のない舗装道路。毎日、賄賂警察官。気軽に駐車場泊できます。
    ・キルギスは街灯が少なく、道路は穴だらけ。湖や山でキャンピングができ、温泉あり。警察官はカツアゲ系です。
    ・ウズベキスタンは、宿の外国人登録証が必要なので、野宿は難しいかも。不安なほど検問と警察官は多いものの、賄賂は請求されません。
    ・トルクメニスタンは、今回のレポートの通りです。
    帰国路で、タジキスタンを狙います。

    米ドル不足のイラン計画

    次の訪問国は、悪の枢軸国イラン。
    イランでは、西側諸国の銀行カードとクレジットカードが使えません。手持ちの現金は、1,497US$。これで30日間ドライブするとなると、1日43US$。宿代を25US$としたら1食6US$。車が故障したらアウト!
    そんな計算をしているときに、最新ニュースが舞い込みました。
    今後イランに入国したら、アメリカに入るときビザが必要になるとのことです。トランプめ~!

    【トルクメニスタン・ドライブ情報】
    ビザ:要(5日間/特急料金55US$)
    入国税:24US$
    車両関係の入国費:114US$
    レジストレーションカード(外国人登録証):宿で取得
    アウトドアな宿泊:なし
    SIMカード:購入せず不明
    道路状況:舗装
    最新国境情報:Web site「The Silk Road Travel Guide」https://caravanistan.com/border-crossings/
    警察官:賄賂なし

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。

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