スノーシューを履いて、雪原を歩く。冬のアラスカに潜む生命の気配 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル - Part 2
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    2018.03.28

    スノーシューを履いて、雪原を歩く。冬のアラスカに潜む生命の気配

    Text

    そんな厳寒期のアラスカにも、生命の気配は確かにありました。灌木の梢でさんざめく鳴き声の正体は、ベニヒワ。額の紅が鮮やかな、とても小さな鳥です。

    「あそこに、ムース(ヘラジカ)がいる」と、ジョーが指差した方向を見やると、はるか彼方に、一頭の雌のムースの姿が。近付けは、相当な大きさのはずです。

    そのムースの足跡でしょうか。雪の上に、深く埋もれるようにして彫り刻まれた足跡が残っていました。

    「これはたぶん、リンクス(オオヤマネコ)の足跡だ」とジョー。新雪が積もった時にリンクスが歩いた跡が少しだけ踏み固められた後、風で周囲の柔らかい雪が吹き飛ばされ、踏み固められた部分だけが浮き彫りのような形で残ったのでしょう。

    ◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
    著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)など。2018年3月22日(木)に新刊『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』を発売。
    http://ymtk.jp/ladakh/

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