今回はドロミテの山や南チロルの文化が大好きな筆者が実際に行ってみて、子供が大歓喜した公園を2箇所紹介します。
アウトドア好きファミリーにはたまらない!子供が夢中になる山の上の公園
南チロル地方はファミリーフレンドリー
世界有数の観光地でもあるこの地方は、イタリアの中でも特に子連れ旅行者に優しい地域です。子連れに嬉しい特典や大きなキッズスペースのあるファミリー向けホテルが多く、至る所で子供向けのサービスが充実しています。旅行客もスタッフもみんな子供たちに慣れていているので、どんな場所に行っても周囲に気を使って肩身の狭い思いをするなんてことはありません。
雄大な山々に囲まれ広い芝生を自由に駆け回ることができるのは、都会ではできない体験です。大人も子供もストレスフリーでのびのびと過ごすことができる。それこそが、私が子連れ山旅行を愛する一番の理由かもしれません。
空に近い場所にあるふれあい動物園
小学生の子供が大喜びした南チロル地方の公園、1つ目はファミリーパーク・シュパイクボーデンです。アールンタール渓谷を走る公共バスの停車場を降りて、すぐの場所にゴンドラ乗り場があり、お手軽に上へと向かうことができます。
標高2,000m地点に到着すると、そこには息を呑むようなパノラマが。景色に見惚れながら少しだけ歩いて行くと、飾り気のない木の柵で囲われたふれあい動物園に到着です。
羊やヤギ、牛、豚、猫、にわとりなど、どの動物たちも人懐こくのんびりとしていて、ベンチに腰掛けているだけで隣に寄ってきてくれたりします。羊に触った娘は、羊毛の柔らかさと温かさにびっくり!トコトコとお母さんの後ろをついて行く子ヤギは、「アルプスの少女ハイジ」に出てくるユキちゃんのようです。
中でも子供たちを魅了していたのが、小さくフワフワのうさぎたち。一度抱っこするとその可愛さに誰もがメロメロになってしまい、離れることができなくなってしまうほどです。「もう行くよ」と親が声を掛けても、「もうちょっとだけお願い!」とねだる子供が続出していました。
写真に撮ることはできませんでしたが、敷地内に巣穴があるので、運が良ければ野生のアルプスマーモットを見ることもできますよ。
シュパイクボーデンには、動物園の他にもこの地方ならではの遊具があります。干し草を敷き詰めた木の小屋の中で思い切りジャンプしたり寝転がったりできる「干し草ジャンプ」、そして金槌やカンナで大工気分を味わえる木工細工体験コーナーなどです。
カンナ掛けコーナーで削った木屑は、売店で売られている袋に詰めて持ち帰ることもできます。
動物たちも、干し草や木工細工道具も、どれもこの地方ではありふれたものです。でもだからこそ「これぞ南チロル!」と感じることができるし、他では味わえない魅力を感じられるのかもしれません。
作り込んだ派手なものじゃなくても、豊かな自然の中にいるだけで子供たちは十分に夢中になれる。そう感じさせてくれる手作り感たっぷりな公園でした。
渓谷ターザンなどのアクティビティが満載な公園
子供が大喜びしたドロミテの公園、2つ目はクラウスバーグです。
こちらもバスの停車場からすぐの場所にあるゴンドラに乗って、1,600mほど登った先に複数の子供向け施設が点在しています。
クラウスバーグの魅力はなんといってもその設備の多さ。無料で遊べる遊具のほかにも、渓谷をターザンのようにロープにぶら下がって滑走できる「ジップライン」、スピードを自分で調節できる二人乗りジェットコースターの「アルペンコースター」など、有料施設も充実しています。
私たちが行った日は残念ながらお天気がコロコロと変わり、時折小雨も降っていました。水遊びができるアクアパークなどもあるので、もっと暑い日だったらさらに楽しめたかもしれません。
クラウスバーグには、雄大な山を背景に大迫力の恐竜たちが並ぶディノランドもあります。近づくと恐竜の鳴き声や音声解説が流れてきました。
ほかにも子供向けの簡単なボルタリング設備などもあり、飽きることがありません。
シュパイクボーデンにもクラウスバーグにも、見晴らしの良い場所に山小屋レストランがあって郷土料理を味わうことができます。
イタリア国内ではありますが文化的にはドイツ圏なので、ドイツ料理のジャガイモ団子クネーデルがとっても美味しい!ぜひドイツビールと一緒に味わってみてくださいね。
Speikboden
住所 Costa di Tures, 7
I-39032 Campo Tures – Alto Adige
Klausberg
住所 Enz Schachen 11
I-39030 Valle Aurina – Alto Adige
公式サイト https://www.skiworldahrntal.it/it
2009年よりイタリア在住。料理と旅行とモノづくりが趣味のシングルマザー。イタリア在住ライターとして多数の媒体に執筆する他、企業向けマーケティング・リサーチや料理研究など幅広く活動。海外書き人クラブ会員