アマナツに負けるな! 酸っぱいナツミカンはジャムや果実酒にしてもおいしいぞ | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.07.23

    アマナツに負けるな! 酸っぱいナツミカンはジャムや果実酒にしてもおいしいぞ

    ナツミカンの学名はCitrus natsudaidai。ミカン科の常緑小高木。山口県で作られたのが最初で各地で栽培される。葉は楕円形。初夏に白い花が咲き、秋に大形の実を結ぶ。果皮は黄色で厚く果肉は酸味が強い。生食のほか砂糖漬けなどにする。

    家・写真家・ナチュラリストのおくやまひさしさんによる、美しいイラストと写真付きの自然エッセイです。

    アマナツとの違いは?酸っぱいナツミカンの食べ方は?

    ナツミカンはミカン科の常緑小高木で、明治時代に山口県の萩市に普及し、そこから全国に広がった。山口県の長門市にはナツミカンの原樹があり、天然記念物に指定されている。
     
    白い花は5月ごろに咲き、実は翌年の4月~6月ごろ黄色に熟す。
     
    400~500gほどの実は酸味や苦味が強くて、アマナツが出回ってからは生食する人がいなくなった。一部でジュースやマーマレードに加工する人はいるが、そのうちそれすらなくなってしまうだろう。
     
    秋田育ちの私にとってミカンは憧れの果実で、東京に出てきてはじめてナツミカンを目にした。
     
    伊豆の友人の案内で、山裾の放置されたナツミカン畑を歩いていたら、大きな果実がごろごろ転がっていた。

    「ねえねえ、これどうするんだろう……」と、私。

    「いや、どうもせんよ、こんな酸っぱいもん。今じゃ誰も食わんよ。アマナツができたせいだけどさ。昔はさ、喜んで食べたもんだけどさ」と、友人。

    「もったいないよ」と、私は10個ほどザックに入れて持ち帰った。
     
    多めの砂糖でジャムにしたら、ねっとりとした色のいい状態に仕上がった。氷砂糖入りの果実酒はもう少し熟成させてから飲んでみようと思う。
     
    ミカンに限らず今は品種改良が盛んで、ナツミカンのようにいつかは消えてしまう果実が、色々と出てくるに違いない。リンゴやナシ……、いや、果実だけとは限らず、イチゴやトマトなど野菜の世界だって同じだろう。
     
    アマナツに負けたナツミカンは、落ちぶれたかつての名優を見るようで辛い。次、伊豆に行くときは、例のナツミカン畑でまた拾い集めてこよう。友人は笑うかもしれないけど。

    ねっとりとしたジャムは極上品だった。

    もうしばらく熟成させる予定の果実酒。

    ナツミカンの花や実の様子

    良い香りがするナツミカンの花。

    直径12㎝ほどもある大きなナツミカン。

    ※イラスト・写真・文/おくやまひさし

    おくやまひさし プロフィール
     画家・写真家・ナチュラリスト。 

    1937年、秋田県横手市生まれ。自然や植物に親しむ幼少期を過ごす。
    写真技術を独学で学んだのち、日本各地で撮影や自然の観察を開始。
    以降、イラストレーター、写真家として図鑑や写真集、書籍を数多く出版。

    (BE-PAL 2023年7月号より)

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