観るだけでパワーがみなぎる映画! 視力を失ったフリークライマーと相棒の大冒険
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 山・ハイキング・クライミング

    2023.07.08

    観るだけでパワーがみなぎる映画! 視力を失ったフリークライマーと相棒の大冒険

    視力を失ったフリークライマーと、その相棒による大冒険を追ったドキュメンタリー映画が公開中。おふたりの対談を通して、映画が生まれた経緯やフリークライミングの魅力をひもとく。

    視覚障がい者がユタ州の奇岩のてっぺんをめざす『ライフ・イズ・クライミング!』

    image

    左:クライマー小林幸一郎さん 。1968年生まれ。16歳でフリークライミングと出会い、28歳で網膜色素変性症を発症。競技者として、2014~2019年までパラクライミング世界選手権視覚障がい男子B1クラス(全盲)4連覇。今年の日本選手権で第2位、現役引退を表明。NPO法人「モンキーマジック」で、障害者クライミング普及活動を続ける。 右:サイトガイド鈴木直也さん 。1976年生まれ。日本人初のアメリカ山岳ガイド協会公認のロッククライミングインストラクター。2011年からパラクライミング世界選手権の日本代表チームに同行。

    小林:旅の始まりはこの人が僕を、フィッシャー・タワーズのてっぺんに立たせたい! と思ったこと。どうせなら映像で記録しようといい、いずれも“面白そうだから”というのがブレてない。ドキュメンタリー番組で知り合った中原監督に相談し、映画にしません? といわれたときはビックリした。

    :まだ信じられない。

    小林:公開の日にドッキリでした! とわかるとか?

    鈴木:僕は15歳でフリークライミングと出会って。登れたときの達成感はもちろんですが、自然のなかでいろんな景色が見られてとりこになりました。今回、あの絶景にコバちゃんが何を感じるかな? と。

    小林:登っているときに全然怖さはないんです、安全は確保されてますから。でも頂上に立ったとき、風が強くて。座布団1枚分くらいの広さしかなく、風を真正面から受けてバランスを崩したらアウトじゃん! と。風が抜けていく感覚はほかの岩場では味わったことのないものでした。

    鈴木:コバちゃんが途中で靴を落としたけど、柔らかい砂岩だからまだよくて。

    小林:いや痛いんですよ! なのに、大爆笑してるし。

    鈴木:僕の靴を履けばいいかと。今回の旅はメンバーが素晴らしくて最高だった。

    小林:楽しかったね~。16歳で始めたときから、自分にもできることがある! という発見と、クライミングをする大人たちとの交流で、こんな生き方があるんだと刺激しかなくて。

    鈴木:僕もコバちゃんといるだけで刺激になる。

    小林:目が見えなくなっても、クライミングの楽しさは本質的に変わりません。工夫の幅が広がり、むしろ面白くなった。視覚障害者って自分が思うより大きな可能性がある生きものだと。

    鈴木:コバちゃんは見えているときからクライミングしてるので、頭に動きが入っていてとてもスムーズ。

    小林:壁があってもその先を見ようとせず、いまできることをまずやる。プチチャレンジを大事にしてます。

    ユタ州フィッシャー・タワーズの尖塔に立つ!

    image

    フォルクスワーゲンの白いキャンパーバンで、車中泊しながらクライミング。今にも崩れそうな奇岩のてっぺんを目指す。

    クライマーとサイトガイドの連携

    image

    「12時、右手」と鈴木さんがホールド(突起物)の位置を時計の針になぞらえて指示、それを記憶して登る小林さん。体が柔らかい。

    『ライフ・イズ・クライミング!』(配給:シンカ)

    ●監督/中原想吉 
    ●5/12~全国公開中

    ©Life Is Climbing 製作委員会

    image

    ※構成/浅見祥子 撮影/小倉雄一郎 撮影協力/クライミングジム「Fish and Bird」

    (BE-PAL 2023年6月号より)

     

    NEW ARTICLES

    『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

    国の重要有形民俗文化財に指定!年3回だけ登れる練馬区・江古田の富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.113】

    2025.01.18

    冬の登山の必需品「チェーンスパイク」とは?「アイゼン」との違いや使い分けも解説

    2025.01.16

    毎年山開きが行われる練馬区・北町浅間神社のミニ富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.112】

    2025.01.15

    180年以上前から親しまれてきた練馬区・氷川神社の富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.111】

    2025.01.12

    戦国時代に太田道灌が築いたとされる稲村城跡の現在の姿【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.110】

    2025.01.07

    北区にある堂山。その名前の由来から伺い知れる土地の歴史的変遷【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.109】

    2025.01.04

    北区にある標高25.4mの飛鳥山を登頂。で、城跡は…?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.108】

    2024.12.31

    超メジャーな北区の飛鳥山は一度の登頂では終われない!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.107】

    2024.12.29