ゆる~い島ライフ!哀愁漂うメキシコ・セドロス島を散策レポ
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    2023.04.25

    ゆる~い島ライフ!哀愁漂うメキシコ・セドロス島を散策レポ

    みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周に挑戦中、前田家の麻裕です。

    前回の記事で、船外機の修理を通して触れた島民の優しさに感激した前田家でしたが、今回は、そんな心温かな人々が暮らす、メキシコのプエルト・セドロスの街散策にご案内します。

    セドロス島で学んだ、日本とメキシコの塩にまつわる繋がり

    まずは、前回少しだけ触れた、セドロス島と日本の意外な関係から。

    思いがけず立ち寄ることになったプエルト・セドロスの街で、親切にも通訳役を買って出てくれたお兄さんは、塩に関わるビジネスでセドロス島に駐在中の方でした。

    世界に塩を輸出する積み替え基地・セドロス島

    四方を海に囲まれた日本ですが、塩の自給率はなんと約1割と低く、その大半を輸入に頼っていることは、あまり知られていない事実ではないでしょうか(※ただし、食用塩の自給率は8割を超える。主に工業用に使用される塩は輸入に頼っている状態)。

    大量の塩をプロセスする過程には、極度に乾燥した気候と広大な土地が必要なため、湿度の高い日本の気候や山がちな地形は最適とは言えません。そこで、費用の面から工業に使用される塩の多くは、メキシコやオーストラリアからの輸入に頼っているのが現状のようです。

    中でも、バハ・カリフォルニア半島ゲレロネグロには三菱商事が出資している世界最大の塩田があり、セドロス島はそこで収穫された塩を世界に輸出するための積み替え基地として重要な役割を担っているのだとか。もちろん日本にも多くの塩が運ばれています。

    メキシコから輸入された塩は何に使われている?

    「博多の塩」などのように食卓に並ぶわけではないので、普段の生活で意識されることはあまりないと思いますが、実はメキシコから輸入された塩はアルミホイルや、洗剤など身近な家庭用品を製造する過程で使用されています。

    つまり、私たちの生活を支える重要な役割を果たしてくれているのです。

    島の南端に位置する、塩の積み替え基地。遠くに見える白い塊がそびえ立つ塩の山。

    カラフルで哀愁が漂うプエルト・セドロスを散策

    それでは、セドロス島に親しみが湧いてきたところで、いよいよ街中へ。

    メキシコ特有のカラフルでパワフルな街

    メキシコはカラフルな街並みで知られる場所が多いですが、ここプエルト・セドロスの街も例外ではなく、色で溢れていました。

    ともするとドギツイ印象になりがちな派手カラーの家々ですが、メキシコの場合は、ギラギラと照りつける太陽、陽気な人たちのパワーと相まって、不思議なハーモニーを生み出している気がします。

    カラフルな家々から望む、港の風景。

    子ども達恒例の公園チェック。遊具の9割が壊れている!?ある意味、他にはない。日本のアニメが大好きという、フレンドリーな子ども達に出会う。

    日本のコンビニのような、ティエンダと呼ばれる小さな商店に買い出しへ。軽食から日用品までなんでも揃う(写真奥の赤い建物)。

    セドロス島もバハ・カリフォルニア半島と類似した、極度に乾燥した気候のため、建物のある場所以外は、見渡す限り乾いた土地が広がっています。

    「こんなにカラカラでは、水不足が深刻では?」と心配になってしまいそうなものですが、海水から塩を精製するプロセスで取り出された水が街まで送られてくるそうで、意外にも街は潤っていると聞いて安心しました。

    日本で暮らしていたときは、「水がない」という恐怖を感じたことはありませんでしたが、水が限られた船の暮らし、降水量の少ないこんな場所では水が何よりの貴重品に感じます。

    メキシコの道具屋さんでよく見かけた、壁一面のひっかけ陳列。言葉が通じなくても、指差しで「あれ、ください」ができて便利だけど、落ちてきそうでちょっと怖い。

    なんだか落ち着く哀愁漂う街

    かつてはディスコ(!?)もあったそうですが、今は街の唯一の娯楽施設はビリヤード場。平和な感じが良いですよね。島ディスコは、ぜひ行ってみたかったです。

    プエルト・セドロスの街の魅力をまとめると、程よくひなびたところ。カラフルだけど、ちょっと哀愁が漂う独特の空気感です。

    華やかな観光地とは違い、昔ながらの温泉街にやってきたような、なんだか落ち着く、あの感じです。

    万人向きではありませんが、好きな人はきっと好き、というような場所。もちろん私は後者です!

    セドロス島は釣り好きが集う場所

    手に入るものは限られますが、新鮮なお魚は食べ放題(ただし、自分で釣る)、事件ゼロ(と、島民の方は言っていた)の安全な島ライフ。

    水問題も解決済み。庭付きの素敵な一軒家も日本と比べると格安で購入できるそうなので、「三度の飯より釣りが好き!」という方は移住先として検討の価値ありかもしれません。実際に、釣り目的で訪れて、気がついたら居着いてしまったという人も多いそう。

    港の責任者でもあるユリシスさんが運営する会社では、ホテル、釣り船ツアー、釣り上げた魚の加工まで行ってくれる至れり尽くせりのサービスを提供しており、まずはセドロス島で釣り三昧の島暮らしを体験してみたい、という方におすすめ。

    ユリシスさん(左)と先述の通訳のお兄さん。本業のマネージング業務は結構時間に余裕があるらしく、どちらが副業なのかわからないほど、ほぼ毎日ユリシスさんの会社のお手伝いに精を出している。

    島の周辺で釣り上げられたヒラマサ。「ぜひ試してみて~」とユリシスさんの会社で食べやすく加工したものをわざわざボートまで持ってきてくれた。優しさと美味しさにWで感激。

    ヒラマサのおいしさが忘れられず、積み木でお刺身ごっこを楽しむ子ども達。また本物を食べさせてあげたい!

    さらに、別れ際に「大物が釣れるように!」と、ヒラマサ用の大きなルアーまでいただいてしまったのですが、残念ながら未だにユリシスさんの期待には応えられていません…。

    セドロス島で過ごした特別な時間

    セドロス島で過ごした数日間は、島民の方々の温かなおもてなしに心を打たれ、特別な滞在になりました。

    それにしても、万国共通、島時間というのはどうしてあんなにもゆったりと流れているのでしょうか。そう感じるのは、きっと私だけではないはず。

    船に招待した地元の子ども達にもらった珍しい黒鮑の貝殻。見るたびにセドロス島を思い出す、前田家の宝物。

    旅は続きます。それでは、また次回。

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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