「アジアトレイル会議」から招待状!それがすべての始まりだった【プロハイカー斉藤正史の台湾トレイル旅 vol.1】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル - Part 2

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2023.05.16

「アジアトレイル会議」から招待状!それがすべての始まりだった【プロハイカー斉藤正史の台湾トレイル旅 vol.1】

3.台湾の食事・調理事情は?

まず問題になるのが、バーナーをどうするかです。これは、各国によって事情が大きく変わります。アメリカならガソリンの入手が容易なので、ガソリンバーナー。ニュージーランドもそうでした。しかし、オーストラリアはガソリンスタンドでガソリンを入手出来ないことがありました。各国によって、燃料の入手に差があるのです。 

そこで、台湾の燃料事情を千里歩道協会に聞いてみました。地図を見る限り、大都市は通過しないので、OD缶(OUTDOOR缶)は手に入りにくいとは予測していました。CB缶(カセットガスボンベ)は台湾でもよく使うらしい。しかも、小さな町でもコンビニエンスストアがあり、必ずCB缶が売っているようでした。今回のトレイルは標高の高い場所はほぼありませんし、気温も温暖なのでCB缶で十分対応できそうです。しかも、コンビニがあるということは、簡易な食事は入手可能なので、食料の心配もほぼなさそうです。

台湾のCB缶。

台湾のCB缶。

4.どんな道具が必要?

さて、トレイルのルートが決まり、歩く場所の気候、燃料事情も分かれば、必然的に持っていく道具のイメージが湧いてきます。それによって、背負うバックパックの大きさも変わってきます。

アメリカをロングトレイルを歩く場合、3〜7日ぐらいの食料を持ちます。水場が少ない場合は、最大で8L の水を背負うことになるので、80L前後のバックパックにします。今回は、コンビニが3日に1回ぐらいはありそうです、水の心配も少なそうですし、気温も温暖です。荷物は少なくて済みそうなので、65L ぐらいのバックパックでいけるかな?

一般的にハイカーは、背負うバックパックの大きさに合わせて道具の大きさを選ぶといわれています。ただ、僕の場合は荷物の量に併せてバックパックを選ぶようにしています。

今回の道具一式です。

今回の道具一式です。

MASA’Sチョイス

今回、台湾のトレイルを歩く上で僕がチョイスした道具はこんな感じです。簡単にジャンル分けしてみようと思います。

1.バックパック類

今回チョイスしたのは、ミステリーランチテラフレーム65L です。テラフレームは、フレームとバックパックの間に荷物を挟めのがポイント。今回は3日分程度の食料とわずかな水で歩くことになると思いますが、詳しい状況が分かりません。少しでも背負う量を増やすことが出来るように選んだのが1つ目の理由です。

もう1つの理由は、傘を固定して歩くためです。今回の台湾のトレイルでは、12月後半から雨の日が増えそうな雲行きです。森林限界線を越えないトレイル歩きなので、傘をバックパックに固定して歩けた方が安全で、濡れにくい。普通のバックパックだと、背面に物を入れるスペースが作れませんが、テラフレームなら問題ありません。

2.テント・寝袋など

普段、過酷な環境で歩くことが多いのですが、今回の台湾のトレイルは、温暖な気候だったり、キャンプ場でテントを張ったり、宿に泊まることも多そうでした。特に台北グランドハイクは、ホテルを拠点に歩く予定でしたので、普段使用しているヒルバーグでは重く、オーバースペックでした。

でも、万が一に備えるため、今回チョイスしたのはニーモです。2人用で重量1.5kg。辺境地でも普段使いにもOKなオールラウンダーです。特に今回の決め手は、雨に強いフライを使用しているからでした。ちなみに、僕は1人用のテントは使いません。長旅のトレイルだからこそ、ゆったり快適がいいですね!

3.電子機器類

今回、10年ぶりにトレイルに持ち込んだ電子機器が、ゴールゼロシリーズでした。10年前は充電タイプで苦労しましたが、今回はモバイルバッテリーにVenture 35とパネルがNOMAD 5という組み合わせ。普段のトレイルでも使用出来るチョイスにしました。今どきのハイカーは町におりると真っ先に探すのがコンセントです(笑)。

特に、台湾では紙地図がほとんどなく、GPSデータなどを活用して歩くケースが多くあります。また、テント泊が増えると充電問題も浮上します。いつもトレイルではモバイルバッテリーを持参していましたが、今回のVenture 35は、防水・耐衝撃にも対応しているので、雨の多い台北でも安心です。

4.ウエア類

非常に悩ましかったのがウエア類です。台湾は熱帯気候~亜熱帯気候ながら、冬は肌寒い。しかも、日本に帰ると真冬です。さらに、オフィシャルなトレイル会議にも出席するので、ガチトレイルの姿はどうなんだろう…?

環境や状況のふり幅が大きく、ずいぶん悩みました。結局、いつもと同じくシャツスタイルをチョイスすることに。Tシャツ→シャツ→フリース→レインと重ね着対応することで、多くの環境に対応できるように考えました。さすがにレインはワンサイズ上を選びました。今回のポイントは、靴下です。こちらも10年ぶりにダーンタフをチョイスしました。足元をしっかりすることで、クッション性が高くなり、放射熱対策もでき、ある程度は気温の変化にも対応できるからです。

5.シューズ

台湾のトレイルは、いわゆる古道が多くあります。登山道とは違い、石を積んだ道で、アスファルトの道も多くあります。登山道の比率はさほど多くないかもしれません。

そこで、いわゆるトレイル向きのシューズがベストだという判断に。僕の場合、ある程度の重さを背負うので足首を捻りやすいため、ミッドカット以上の靴が良いのですが、路面が石・アスファルト・土と幅広いので、オールマイティなソールである必要もあります。条件を当てはめて僕がチョイスしたのは、KEENのサーカディアでした。

6.調理器具

今回のポイントはバーナーです。CB缶が使えるので、僕にとってはフュージョンの一択でした。ただ、注意しなくてはいけないのが、CB缶の先端の長さです。これが日本のものと合わない場合、ガス漏れの危険性があるそうです。事前に一度フィッティングして、使えるかの検証をする必要があります。幸い、台湾では2種類のCB缶が販売されているうようで、岩谷産業さんの代理店らしい会社でもCB缶を販売しているようなので、規格は同じ可能性が高いと思います。

トレイルを歩き方は、場所や気候、国によっても大きく変わります。その国を知り、その国のトレイルや自然を知ることで、何が必要かが見えてきます。僕は、安全性や快適さを考え、毎回歩くトレイルに合わせて道具をチョイスしています。面倒に思う人もいるかもしれませんが、これからめぐるトレイルをあれこれ想像して準備する時間が一番楽しかったりします。

長期滞在になるとトレイルの道具の他にもあれこれ必要です。

長期滞在になるとトレイルの道具の他にもあれこれ必要です。

さて、今回の滞在は1カ月半ほどなので、ビザの取得も必要ありません。道具が決まったら、いざ台湾へ。3年ぶりの海外です。

次回は「アジアトレイル会議本番と台南市トレイルツアー」編です。

私が書きました!
プロハイカー
斉藤正史
2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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