ベースキャンプ登山のやり方って?初心者におすすめの神奈川県「塔ノ岳」を登ってきた
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    2023.04.22

    ベースキャンプ登山のやり方って?初心者におすすめの神奈川県「塔ノ岳」を登ってきた

    塔ノ岳山頂

    筆者撮影の山頂標識。

    神奈川県秦野市に位置する、秦野丹沢エリア。

    新東名高速秦野丹沢スマートICが開通して都心からのアクセスがより便利になったこの地域は、登山家やキャンパーなどたくさんの人が訪れる人気のアウトドアエリアです。

    そして、出口から車でわずか5分の大倉という場所には、登山とキャンプをセットで楽しむ“ベースキャンプ登山”ができる場所があることをご存知でしょうか。

    今回は、都心からも行きやすい塔ノ岳と、その麓にあるキャンプ場「滝沢園キャンプ場」で楽しむベースキャンプ登山を紹介します。

    ベースキャンプ登山に興味があるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

    ベースキャンプ登山とは?

    ベースキャンプ登山とは、道中や麓のテントサイトにテントを設営して宿泊し、そこから頂上を目指す際にテントから必要な荷物だけを持って登る登山方法です。

    宿泊に必要な寝袋やマット、食糧などをテントに置いていくことで心身の負担が軽くなるだけでなく、登頂したあとは素早くテントに戻れるため、怪我や道迷いといったリスクも下がるメリットがあります。前日に現地入りしてテントに泊まれば、万全な状態で登れるメリットもあるでしょう。

    今回は、日帰りで登れる塔ノ岳にて、ベースキャンプ登山を行ってきました。登山とキャンプを同時に楽しむ、一石二鳥のアウトドアの様子をお届けします。

    秦野丹沢エリアへのアクセス

    大倉バス停

    登山口の大倉バス停は滝沢園キャンプ場の最寄りでもあります。

    今回紹介する塔ノ岳は、秦野丹沢エリアにあります。

    そして秦野丹沢エリアの拠点である秦野戸川公園へは、公共交通機関、マイカーの両方でアクセスが可能。都心から1時間前後で楽にアクセスできるのが、魅力です。

    公共交通機関の場合は、新宿駅から小田急線に乗って渋沢駅で下車、その後神奈川中央交通のバス、大倉行きに乗り大倉駅へ。約1時間40分の道のりです。マイカーの場合は東京起点で首都高速、東名高速、新東名高速に乗り、秦野丹沢スマートIC経由で1時間10分ほどで到着します。

    ベースキャンプ地「滝沢園キャンプ場」のおすすめポイント

    滝沢園キャンプ場

    滝沢園キャンプ場は水無川沿いに位置する静かなキャンプ場です。

    そんな秦野丹沢エリアの塔ノ岳麓にあるのが「滝沢園キャンプ場」。ベースキャンプ登山に挑戦したい初心者の方にもおすすめのスポットです。

    滝沢園キャンプ場は、オートサイトやバンガロー、フリーサイトでの宿泊ができるキャンプ場で、デイキャンプでの利用も可能です。

    アクセスが良好なためファミリー層やキャンプ初心者から人気があるほか、秦野丹沢エリアの山々の登山口に近いことから登山愛好家にも親しまれています。

    ※令和5年度、4月~12月の土日と祝日(ゴールデンウィーク、お盆を含む)は宿泊のみとなるので、ご注意ください。

    (1)清流のそばで泊まれるフリーサイト

    滝沢園キャンプ場フリーサイト

    フリーサイトは水流穏やかで落ち着いた雰囲気。

    筆者は何度も「滝沢園キャンプ場」を利用していますが、場内を流れる水無川沿いに泊まれる場所が特に気に入っています。

    天気が良ければ川沿いに、暑い日は樹林帯にテントを設営することができます。

    登山前日は軽量チェアでのんびりくつろぎ、登山後は川から流れるBGMに癒やされる。とても贅沢な時間を過ごせます。

    (2)登山者・キャンパーに嬉しい直火OK

    直火の焚火

    焚き火を見つめて過ごす夜。

    フリーサイトエリア内は、直火での焚き火が可能です。

    アクセスに公共交通機関を利用する場合、道具はなるべく最小限で抑えたいもの。登山なので荷物は軽量にしたいけれど、キャンプ場では焚き火も存分に楽しみたい。そんなわがままな願いも、直火OKのフリーサイトならかなえられます。

    薪は受付で販売されているため、現地入手が可能なのも嬉しいですね。

    (3)最寄りのバス停から10分でアクセス可能!

    「滝沢園キャンプ場」は、大倉バス停から10分ほどの場所に位置しています。

    都心から電車に乗って2時間後にはキャンプ場に着けるので、初日の移動疲れが少ないのは「滝沢園キャンプ場」のおすすめポイントです。

    朝早くに自宅を出なくても、昼前に出れば午後にはキャンプ場で過ごせるので、「前日が仕事だから朝早く出るのはなぁ」という人にもおすすめです。

    丹沢の名峰・塔ノ岳に登ってみた

    塔ノ岳登山道

    登山道へ向かう。

    「滝沢園キャンプ場」から登る山は、やはり塔ノ岳がおすすめ。大倉尾根コースと呼ばれる登山ルートの場合、所要時間は山頂まで片道4時間、下山は3時間程度です。

    さっそく、塔ノ岳に登ったときの様子を、魅力と共に紹介していきます。

    大倉尾根の急勾配を登る

    大倉尾根登山道

    通称バカ尾根と呼ばれる急勾配を行く。

    大倉尾根は標高差1,200mの急勾配を登るルートで、その勾配から通称「バカ尾根」とも呼ばれています。

    登り応えのあるルートですが、前日のキャンプのおかげで体調はすっかり万全。心身共に良好な状態で足取りもスイスイです。

    大倉尾根紅葉坂の紅葉

    紅葉坂と呼ばれるエリアが真っ赤に染まった様子。

    辛い急勾配ばかりかと思いきや、魅力もたっぷり詰まっています。季節によって丹沢が魅せる自然を満喫できるのは、大倉尾根ならでは。秋の紅葉では、登山道が真っ赤に染まります。

    山小屋でちょっと休憩

    花立山荘

    大倉尾根上部に位置する花立山荘。

    大倉尾根には、各ポイントに山小屋が点在しています。

    中間地点にある堀山の家、上部にある花立山荘は休日営業の山小屋で、軽食や飲料の補給が可能です。

    大倉尾根は日帰りルートながら営業している山小屋が多いので、初心者でも安心して登ることができます。

    花立山荘では夏にかき氷を食べることができます。「誘惑に負けるな!」と意地を張っては財布を覗き込み、気が付いたらベンチでぺろりと平らげるのが私の定番です。

    ついに塔ノ岳山頂へ

    塔ノ岳山頂直下

    この階段を登りきれば塔ノ岳山頂。

    花立山荘を過ぎれば、1時間ほどで塔ノ岳山頂に到着です。

    最後の階段を登れば、そこには360度の大パノラマが待っています。

    塔ノ岳山頂

    塔ノ岳の山頂標識はとても立派で存在感抜群。

    とうとう山頂に到着です。

    山頂には通年営業の尊仏山荘や、腰を落ち着けて休めるベンチなどがあります。

    塔ノ岳山頂の景色を堪能!

    塔ノ岳山頂の眺望

    西側は丹沢の山々と遠くに富士山が望めます。

    塔ノ岳は、丹沢随一の展望の山として知られ、頂上はたくさんの人で賑わいます。

    塔ノ岳山頂の眺望

    東面からは縦走路の表尾根の山々と信仰の山、大山が。

    塔ノ岳の眺望ポイントは、海、街、山の3点が大パノラマで望めるというところ。

    良く晴れた日には東京スカイツリーも見えます。

    尊仏山荘

    塔ノ岳山頂に位置する、通年営業の尊仏山荘。

    通年営業の尊仏山荘に泊まれば丹沢の夕景、夜景も楽しめます。ベースキャンプ登山の次は、山小屋泊も良いですね。

    ベースキャンプ登山でアウトドアをもっと楽しく!

    花立山荘前

    花立山荘で一息。

    ベースキャンプ登山は、本来1泊2日以上を要し、ベース地から身軽な装備で山頂を目指す方法です。

    ただ、「キャンプしたいけど登山もしたい!」「テント泊を実践したいけど不安がいっぱい」という人にもおすすめ。麓のキャンプ場に泊まった後、日帰りできる山を楽しみましょう。

    今回紹介した「滝沢園キャンプ場」を利用して塔ノ岳を登る1泊2日は、アクセスもロケーションもバッチリなベースキャンプ登山です。

    ぜひ週末や連休に秦野丹沢エリアを訪れて、アウトドアをめいっぱい楽しんでくださいね。

    私が書きました!
    アウトドアライター
    北村 一樹
    関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。

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