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    2023.03.19

    ヨットで国境越え!人気の港町メキシコ・エンセナダを目指す海の旅

    みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周中、前田家の麻裕です。

    今回は、ようやくメキシコへ。この旅初めての国境越えです。

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    初めてのオーバーナイトセーリング

    サンディエゴ港から、バハ・カリフォルニア半島北部のエンセナダ港までは約120kmの道のり。

    午後7時にサンディエゴを出発し、夜通し主人と私の3時間交代で見張りを行い、翌朝の到着を目指して進みます。

    船の操縦は基本的にオートパイロットが自動でやってくれるため、主な仕事は周りに他船や漂流物はないかの確認、あとは帆の調整くらいのもの。

    夜間の車の運転よりはずっと気楽な気もしますが、夜の海に慣れていないので、暗いというだけで何だか心細くなります。

    月明かりが頼りのナイトセーリング。

    地図上で示されるメキシコの領海に入ると、マストに掲げていたアメリカの国旗を下げ、入国審査待ちを意味する黄色の旗をあげます。

    海の上に何か目印があるわけでもないので、船で旅をしていると、国境という概念が陸の旅よりも薄く感じられるような気がします。

    スペイン語圏へようこそ!メキシコ・エンセナダ港に到着

    夜が明けて、朝になるとバハ・カリフォルニア半島北部に位置する活気溢れる港街、エンセナダが見えてきました。

    エンセナダ港は、メキシコ有数の商業港として昔から栄えてきた場所。かつてほどの重要性は失われていますが、現在でも主要な貿易港としてメキシコと世界を結んでいます。

    マリーナに無線で到着の連絡をし、職員らしき人達と話すも英語は全く通じず。冷や汗をかきつつスペイン語圏にやってきたことを実感しました。

    最終的には英語の話せる職員さんに回してもらい、無事入国手続きへ進むことができましたが、簡単なスペイン語会話くらいはできるように覚えておくべきだったと後悔しました。「海外旅行英語最強説」は早くも崩れ去りましたが、スペイン語の陽気な響きは聞いているだけで楽しい気分になります(理解できればなお良しですが…)。

    船の上でメディカルスタッフから簡単な問診を受けた後、マリーナのスタッフに通訳をお願いして、入国手続きのため街中にある移民局のオフィスへ出かけました。

    今回は子ども達が眠っている間に目的地へ到着。これなら船酔いもなく一安心。

    今回は子ども達が眠っている間に目的地へ到着。これなら船酔いもなく一安心。

    巨大なメキシカンフラッグ(メキシコ各地の歴史的に重要な場所に設置されている)がお出迎え。ポールの高さは50m、旗の大きさは14.3m×25mという、見上げるとひっくりかえりそうなほどの大きさ。

    巨大なメキシカンフラッグ(メキシコ各地の歴史的に重要な場所に設置されている)がお出迎え。ポールの高さは50m、旗の大きさは14.3m×25mという、見上げるとひっくりかえりそうなほどの大きさ。

    マリーナの桟橋に近づくと、その上には見覚えのある黒い影が……。ここでも桟橋はアシカ達に占領されているらしい。

    アシカが出かけている隙にささっと停泊。

    移民局のオフィスがある、写真中央の茶色い建物。

    美しきウォーターフロントの街並み

    美しいウォーターフロントの様子。写真中央は、マリアッチと呼ばれるメキシコの伝統的な音楽を奏でる楽団。気軽にセッションをオーダーできる。

    エンセナダは、アメリカ西海岸発のクルーズシップ、RV旅行者にとっても人気の港街とあって、ウォーターフロントでは少々強引なレストランの客引きがあるなど観光地化されている印象でしたが、一歩街の中へ足を踏み入れると整備されたレストランやお土産物街があり、さらに奥へと進むと素朴なメキシカンの生活を垣間見ることができました。

    また、メキシコ国内では高級ワインの生産地として知られており、街で一番人気のアクティビティは、ワイナリー見学ツアーなのだとか。有名ワイン産地である南カリフォルニアと類似した気候からも、良質なワインが生産されていることは想像に難くありません。

    それにしても、サンディエゴからたった半日で、こんなにも街の風景が様変わりするのは不思議な感じがしました。

    景色に馴染む観光用の馬車。

    食のワンダーランドでローカル料理を堪能!

    楽しみにしていたメキシカン料理を初日から堪能できて、テンションの上がる前田家の面々。これからの旅への期待が高まります。美味しいローカル食は、それだけでも旅を豊かにしてくれる気がします。

    サンディエゴでも本格的なメキシカン料理を提供しているレストランは無数にありましたが、本場は何と言ってもリーズナブルでうれしい。

    円安が海外旅行には厳しいご時世ですが、メキシコは日本人にとってまだまだお財布に優しい旅を楽しめる場所だと思います。

    ただ、マリーナの停泊料をはじめマリン関係は例外で、利用者の多くが北米在住者や国内の富裕層のため、アメリカと同等かそれ以上のところもあり、残念ながら物価安の恩恵は受けられませんでした。

    フィッシュマーケットには多種多様な魚が並ぶ。エンセナダ産の養殖マグロの多くは、日本へ輸出されているそう。

    初日のランチは、フィッシュマーケットの近くの屋台風レストランへ(中央の黄色い看板)。

    新鮮なシーフードを使ったメキシコの定番料理、セビーチェは絶品。こちらは1枚100円ほどでとてもリーズナブル。

    エンセナダ発祥と言われている、フィッシュタコス。トッピングで自分好みの味にできるのが楽しい。

    机の上に並んだホットソース各種。日本人の舌にはどれも激辛に感じられる……。

    街中には至る所に美味しそうな屋台が並び、まさに食のワンダーランド。こちらはもう1つの名物、シュリンプカクテルの屋台。

    全長5000km!メキシコ太平洋沿岸旅の始まり

    歴史のある港街なので、もう少し長く滞在して街の魅力を掘り下げたいところでしたが、このときは本格的なハリケーンシーズンの到来前にメキシコを南下予定だったため、後ろ髪を引かれつつ入国手続きが済むと大急ぎでエンセナダを後にしました。

    クルーズシップと比べても大きさが際立つ、大迫力のメキシカンフラッグに見送られて。

    世界の主要な国、特にアメリカはニュースや映画などで目にする機会も多く、実際に行った事がなくてもすでに多くの情報を持っている場合が多いと思います。

    では、メキシコはどうでしょうか?

    私の場合は、場所と名前くらいは知っているけど、イメージできることと言えば、タコス、テキーラ、ガイコツ……?とかなり限られたもので、そこでの生活は想像もつきませんでした。子ども達だけでなく、私にとってもまさに未知の世界。

    自分の中の知らない世界を開拓していくワクワク感と共に、全長5000kmを超えるメキシコ太平洋沿岸のヨット旅の始まりです。

    それでは、また次回。

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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