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    2023.03.12

    雪解け時期のお楽しみ!メープルシロップを作る雪上ハイキングは感激がいっぱい

    冬は猟師と巡る雪山トレッキング&ジビエランチ、春になると山菜狩り、夏休みは釣り、秋はキノコ狩りといった具合に、一年中、長野県・小谷村の自然と暮らしを学ぶツアーを開催している「おたり自然学校」では、あたたかい日が次第に増えてたっぷり降り積もった雪の壁が少しずつ減っていく、雪解け時期だけのスペシャルなツアーを用意している。市場にはめったに出回らない”国産天然メープルシロップ”を味わう「メープルの森ハイキングとメープルシロップ作り」だ。

    天然メープルシロップ作りができるのは2月末からのわずか1カ月だけだと知り、春スキーを楽しむ日を1日削ってツアーに参加してきた。

    かんじきを履いて広葉樹の森に出発

    ▲ガイドを務めてくれた大日方さん

    大日方さんらおたり自然学校では「山歩きに必要な技術を伝えるのも大切ですが、”自然の恵みをいただく”体験を多くの人にしてほしい」を信条としてプログラムを作成。この日のツアーもかんじきで森を歩き、樹液で作ったシロップと紅茶を味わう”おいしい”ツアーとなっている。

    雪上ハイキングではかんじきを使う。スノーシューよりも軽く、ぺたんこに重ねて持ち運べるので収納性もよさそうだ。

    「浮力はスノーシューのほうが高いけれど、かかとが浮かないので歩きやすくてバックもできます。今日みたいに平らな雪原を歩くのに適しているんですよ」と履き方を教えてくれた。

    ▲かんじきの前後を確認し、長靴の先を突っ込んだらかかとの輪っかに紐を通す。すくい上げるように外から内に向けて通していく

    ▲しっかり上に引いて締めたら、足首に紐を回して結ぶ。雪上で外れたらやっかいなので、ここできっちり締めるのがポイントだ

    ▲準備完了!

    森歩きはほぼ平らで、野鳥や動物の足跡を探しながらのんびり進む。

    大日方さんによると「市販されているメープルシロップの8割はカナダ産。日本でも秩父など一部で作って市販されているようですが、ここは奇跡の場所」なのだとか。

    というのもメープル=カエデ。カナダは広大な森で効率のよい採取システムが確立されているけれど、日本は広葉樹の森からカエデを探して樹液を採取する。その森はなかなかの斜面で、たどり着くのも採取した樹液を運ぶのも大変なのだ。

    ▲コースをスマートウォッチで記録してみた

    ▲道路に沿った平原を歩いていることがわかる

    その点、ツアーをおこなっている森は平坦で道路のすぐそば。アプローチが楽だし、樹液が詰まった20Lものポリタンクを運ぶ距離も短くてすむというわけ。

    ■とれたて樹液の味は?

    広葉樹の森にはいろいろな木が生えている。この中からカエデを見つけるには? そのヒントは枝からぶら下がった種子。クルクルまわりながら落ちるプロペラつきの種子があれば、それはカエデ科の木なのだという。

    もっとも日本にはイロハモミジ、ヤマモミジ、メグスリノキなど30種類ほどのカエデが生えている。市販のメープルシロップはサトウカエデの樹液からできているが、ここではイタヤカエデとウリハダカエデの樹液を採取する。サトウカエデの葉っぱは切れ込みが浅めで、イタヤカエデとウリハダカエデの葉っぱも切れ込みが浅めというからおもしろい。

    ちなみに、大日方さんは試していないそうだがほかのカエデの樹液でもシロップを作れるかも? そう想像するのもワクワクする。

    ▲イタヤカエデ。地衣類が付きやすいらしくこの立派なイタヤカエデにもふわふわがいっぱい貼りついている

    ▲ウリハダカエデ。幼い木は緑色に黒い縦筋が入りスイカみたいなことからこの名が付けられたそう

    ▲蝶々みたいな対の三角模様があるのもウリハダカエデの特徴

    ▲今シーズン初の樹液を試飲

    カエデの木は寒さで凍り付かないよう水分をからっぽにし、成長を止めて冬を過ごす。2月下旬になり気温が上がりはじめ”いよいよ春だ”と察知したカエデは根から水分を吸い上げて成長に備える。これがメープルシロップのもととなる樹液。

    深さ34cmの孔をあければ樹液が染み出て、ホースをつなげば多いときは1日で20Lタンクがいっぱいになるという。

    ところが枝先まで水分が満ちるともう勢いよく水を吸い上げる必要はないわけで、こうなったらもう樹液が染み出ることはない。その期間はわずか12週間。森全体で採取できるのは1カ月で、これはカナダも同じだそう。メープルシロップがいかに貴重なのかがよくわかる。 

    気になるのはとれたて樹液の味。

    採れたての樹液は無色透明でシーズンはじめが一番甘いと言われている。

    参加者みんなでひとくちずつ飲み比べてみたところ、ウリハダカエデの樹液はほぼ無臭だがうっすら舌でとろみを感じる。一方、イタヤカエデは木の清冽な香りが強く、いかにも”木を飲んでいる”といった風味。

    もっとも「ウリハダカエデのほうが木っぽく感じるという日もあります」(大日方さん)とのことで、タイミングによって風味が異なるそう。

    幹にあけた孔はほぼ1年で塞がる。木を傷めてしまうことはないのでご安心を。 

    50分の1まで煮詰めた貴重で神々しいシロップ

     

    1時間の雪上散歩の後は、古民家に移動していよいよメープルシロップ作りとなる。ひとり分約300ccの樹液を火にかけ、糖度66%まで煮詰めるとメープルシロップになる。かき混ぜると結晶化するのでひたすら見守るだけ。

    ▲自家製メープルシロップをかけたホットケーキを、樹液で淹れたお茶とともに試食タイム

     

    ちなみにカナダのサトウカエデの樹液糖度は3%、イタヤカエデとウリハダカエデはどちらも1.5%で約5060分の1になるまで水分を飛ばす。最終的に鍋底にうっすら残る程度、小さじ1杯分くらいの量となる。単純な作業だがとにかく時間がかかる。そのぶん口にしたときの感激はひとしおだ。

    市販のカナダ産メープルシロップに比べるとあっさりしていて、どこか上品。口に含むと木の香りが豊かに広がり、自然の力が身体の中に満ちあふれるように感じる。樹液で淹れた紅茶もほんのり甘い。

    冬の終わり・春の訪れを感じる森の味「メープルシロップ」。今シーズンは春の訪れが早そうで、327日(月曜)でツアー終了を予定しているとのこと。この時期だけのはかなくも貴重な森の味を体験したい人はお早めに。

    【問】おたり自然学校 https://www.otarinatureschool.net/

    私が書きました!
    ライター
    大森弘恵

    フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドア、旅行で、ときどきキャンピングカーや料理の記事を書いています。https://twitter.com/utahiro7

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