ローカル電車とサイクリングで回れば10倍楽しめる! 釧路湿原の旅のすすめ | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 日本の旅

    2022.11.12

    ローカル電車とサイクリングで回れば10倍楽しめる! 釧路湿原の旅のすすめ

    image

    日本には車窓から絶景が見られる路線がいっぱいある。
    今回はそんな列車に乗って辿り着いた先で、自然遊びも満喫する旅に、出発進行ー!!

    旅した人/フォトライター 矢野直美さん

    image

    鉄道旅をしながら撮って書くフォトライター。かつてのBE-PAL連載「おんなひとりの鉄道旅」「矢野直美の駅弁旅」は著書に。http://yanonaomi.com

    釧路湿原でレンタサイクリング& 動物ウォッチ

    JR釧網本線
    東釧路〜網走
    約166km

    鉄道を仕事と趣味にしている私にとって、ローカル線そのものがソト遊びであり、スポーツであり、アウトドアです。
    山岳地帯や渓谷、海岸沿いといった多彩なフィールドを走る鉄道を追いかけて、急斜面を登り、渓流を渡り、森を歩く。時には川で泳ぎながら鉄橋を渡る列車を待ち、夕景撮影ではそのまま満天の星を観察したり……。沿線にはカヌーやシャワークライミング、釣りやキャンプやサイクリングなど、地域性を生かした遊びも存在します。
    そういった路線のひとつである北海道のJR釧網本線は、「一度は乗りたいローカル線」「絶景のローカル線」といったランキングで多くの場合に1位に選ばれる王道路線。
    今回、旅の始まりは釧路駅。港町特有の潮風に包まれながら列車に乗り込み、町を離れ、日本一大きな湿原・釧路湿原へ。湿原の緑と青い空が車窓いっぱいに広がります。

    「シカ、でかい」
    そうつぶやく男性。

    「蝶、可愛い」

    笑顔になる女性。

    「すごい、すごい」
    「きれい、きれい」
    窓に張り付きながら同じ単語を繰り返す人々。
    人は感動すると言葉が単純になり、子供のようになってしまう。私も目の前の風景に「わぁ」と感嘆詞をリピートしながら、湿原の駅、塘路に降り立ちます。

    矢野さんの旅道具

    image

    北海道の湖沼歩きは、クマ避け鈴と虫よけが必須。ハッカ油はアブにも効果大。双眼鏡もあると楽しい。日本手ぬぐいは速乾性が◎!

    釧路駅からスタート!

    image

    釧網本線の起点は東釧路駅で、列車は全て釧路駅を発着。10月10日まで「くしろ湿原ノロッコ号」も運行中。

    駅で自転車をレンタル

    image

    塘路駅の喫茶店は通年営業。レンタサイクルは春季~秋季のみで、1時間600円、1日2100円(18時まで)。 どちらも不定休あり。 015(487)2118

    image

    「こんにちは」

    駅舎内で喫茶店とレンタサイクルを経営する森田真史さんとは旧知の仲。ヒグマの目撃情報や周辺の道路事情などを聞き、自転車を借りてサイクリングを開始。湿原に生息するオジロワシやオオワシ、タンチョウといった野鳥を目にする確率が高いのは晩秋から春にかけて。勢いよく緑が生い茂る季節に姿を発見することは難しいけれど、遭える可能性がある釧路川やアレキナイ川へ。何度も川辺に自転車を止めて双眼鏡を覗きますが、発見は叶わず。それでも湿原を渡る風が最高に心地よく、キタキツネやエゾシカといった北の動物たちが姿を見せてくれます。
     
    列車と並走!

    image

    緑に映える キハ54! 塘路駅からは列車としばらく並んで走る道もある。冬季はSL「冬の湿原号」の撮影ポイントにも。

    湿原の緑と青い空に感動!スローな自転車旅がぴったり

    image

    塘路周辺には大小の湖沼が点在し、自転車や徒歩のスピード感がちょうどよく、心地いい。運が良ければ頭上をオオワシやタンチョウが飛んでゆく。空も湖沼も風も全部、最高!!

    野生の動物たちに出会う

    image

    北海道と本州の間には、「日本列島の動物相は津軽海峡を境に明確に異なる」とするブラキストンラインがある。キタキツネもエゾシカも北国ならではの生き物。

    image

    バッタリ遭遇!

    image

    かわいいエゾシカ

    image

    駐車場に自転車を置いて、山道を歩き、階段を昇って「サルルン展望台」へ。写真の上下の湖沼の間に線路がある。

    国道沿いの駐車場に自転車を止め、鉄道好きにとっては撮影スポットで、それ以外の旅人にとっては湿原を見渡すビューポイントの「サルルン展望台」へ。この山道で、知識としては熟知していた「風の通らない森林には蚊が多い」を痒いほど、つまり痛いほど実感。羽音がサラウンドで聞こえるほどの蚊の群れから、ハッカ油などで身を守りつつ木立の道を登っていきます。
    やがて目の前に開ける湖沼風景。その中をカタンコトンと走る鉄道。その眺めはまさに別天地。「ローカル線、最高!」と思わず拍手していました。

    列車が見られるサウナでリフレッシュ!

    image

    塘路駅の横、少し高台に位置。鉄道輸送用のコンテナを改造してサウナに。入り口にはSLのハンドルをイメージした取っ手も。通称「SL風サウナ」。夜は列車が光を描いて遠ざかる銀河鉄道のような情景を目にできる。

    image

    サウナ&ゲストハウス THE GEEK

    北海道川上郡標茶町塘路原野北7線49番43
    1人1泊、朝食付き7,700円~(ドミトリー6,600円~) 
    サウナ利用3,300円~ 
    https://thegeek.jp/

    ※構成/矢野直美

    (BE-PAL 2022年10月号より)

    NEW ARTICLES

    『 日本の旅 』新着編集部記事

    シェルパ斉藤、愛犬と軽バン「N-VAN」に乗って四国・徳島をめざす!

    2024.03.08

    マイナス10度の服装が知りたい!北海道の「北見厳寒の焼き肉祭り」で実感した必要装備と知識

    2024.02.28

    犬と雪遊びするのも楽しい!スノーハイキングのすすめ【災害救助犬 コアと家族の日記 Vol.13】

    2024.02.17

    日本のパワースポット10選。最強神社から癒しの自然スポットまで!

    2023.12.30

    シェルパ斉藤、1日1ℓの燃料でスーパーカブと中山道を旅する

    2023.12.07

    千葉県・勝浦を大きく一周!電車で行って「駅からハイキング」してみた

    2023.11.16

    一年のうちで最も気持ちがいい!心も体も温まる「秋の海」へのお誘い

    2023.11.14

    今が紅葉の見ごろ!心地良き森のトレイルを歩いて世界文化遺産・比叡山延暦寺をめぐる

    2023.11.03