海藻、イソギンチャク、マダコ・・・海中写真で見る、秋めく錦江湾 | 海・川・カヌー 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海・川・カヌー

2022.09.27

海藻、イソギンチャク、マダコ・・・海中写真で見る、秋めく錦江湾

ひと雨ごとに暑さが和らぎ、少しずつ木々の葉が色付き陸上で秋の訪れを感じる頃、海中でも少しずつ秋へと季節が巡ります。

今回は前回紹介させて頂いた鹿児島県桜島の麓に広がる、錦江湾(鹿児島湾)の秋へと移り変わる海中の話をお送りします。

写真右上、白煙を上げる桜島と海中は1914年 大正大噴火で流出した大正溶岩の海底です。

桜島の麓にある豊かな海

桜島の西岸側では溶岩を歩いて海へ入ります。

海へ入ると、浅場の溶岩の表面には秋から春に向けて育つ海藻の仲間が芽を出します。

写真右下、コケギンポという魚が穴から顔を出しています。

岩肌をよく見ると海藻の新緑が美しいです。新芽と聞くと陸上では春のイメージですが、海中では秋に海藻が芽生え始めます。そこに隠れて上手に擬態しているコケギンポです。海藻と同じような体色をして穴から顔を出しています。眼上、頭部に髪の毛のような皮弁があり可愛らしい魚です。

水深3m程で見られる白化するサンゴイソギンチャクの群生です。

錦江湾の浅場では、広大なサンゴイソギンチャクの群生がみられるエリアがあります。

年々問題になる夏の海水温上昇の影響で、錦江湾のイソギンチャクも夏の終盤になると白化が見られます。イソギンチャクは水温が下がる秋ぐらいから少しずつ色が戻ります。

海底に転がるタコ壺の中で卵保護していたマダコ、写真中央奥の白色が卵です。

昨年202110月中旬から11月下旬まで観察したマダコのお母さんです。

マダコのお母さんは抱卵中は一切食事をしません。

昨年観察を続けていたところ、マダコのお母さんの皮膚はボロボロになり、小さな命がたくさん誕生し、全ての子供たちを見送ると最期は力尽きタコ壺の前で亡くなっていました。

生物達も命を懸けて我が子を守り抜いていることを教えてくれました。

ムチカラマツという紐のようなサンゴの仲間に住む、ムチカラマツエビ(全長1cm程)が4個体います。

錦江湾では、海底から人の身の丈以上に伸びる紐のようなムチカラマツというサンゴの仲間が群生しています。夏~秋、甲殻類の繁殖が活発になります。秋になると、今季に産まれた小さな個体がたちがムチカラマツに連なっているのを見ます。

水深12m程で見られるオレンジ色のオドリカラマツに身を寄せる魚たちです。

錦江湾はプランクトンが多くて薄暗い海中ですが、火山の栄養やプランクトンの影響で育つサンゴの仲間は華やかなものが多いです。

紫色のアカヤギ、白色のウミカラマツ、ピンク色のトゲトサカなど他の海より大きく育っています。

夏から秋、水温が下がるとプランクトンも減り透明度が少しずつ上がります。

海底から見上げる海中は淡い緑色で美しく、サンゴの仲間も華やかでうっとりしてしまいます。 

水面下に浮遊するカブトクラゲ(全長10cm程)です。

夏から秋の満潮の時に沿岸沿いで多く見られるカブトクラゲも日差しに照らされ七色に見えて神秘的です。 

~陸編。今回の1枚~ 

昨年の秋、潜水の準備中に見られた鹿児島市街地にかかる虹です。

陸上も、海中も思いがけない出会いがあるので自然との触れ合いは魅力的ですね。

撮影協力: ダイビングショップSB

私が書きました!
自然・水中フォトグラファー
射手園 芽 (イテゾノ メイ)
鹿児島県南九州市出身。 鹿児島市「ダイビングショップSB」の現スタッフ。 地元、鹿児島を拠点に海中の魅力を日々発信中。 休日は身近な自然写真の撮影活動。 南国鹿児島に住みながら夏はエアコンなし扇風機のみ、冬は暖炉とこたつで生活するアウトドア好き。

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