日本百名山・九重連山の1座 くじゅう大船山へ1泊2日で挑戦 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.10.06

    日本百名山・九重連山の1座 くじゅう大船山へ1泊2日で挑戦

    法華院温泉山荘に宿泊し、夕日に染まる大船山 夜の満天の星空も楽しみだ

    くじゅう大船山(たいせんざん)ってどんな山?

    九重連山は熊本県、大分県にまたがって位置する阿蘇くじゅう国立公園の一部。阿蘇くじゅう国立公園は、噴気を上げる阿蘇山、そして九重連山、由布岳、鶴見岳の火山群で、その周辺は、夏は緑の草原、秋にはススキがキラキラしてとても美しい景観が広がる場所だ。

    その一部の九重連山は大分県に位置し、1700メートル級の山々が連なり、九州本土最高峰中岳(1791m)がある。今回は、歩き応えも十分あるくじゅう主峰の1座「大船山」(1786m)へ山の中にある山小屋の法華院温泉山荘に宿泊して挑戦しよう。

    ススキがキラキラ光るタデ原湿原を通って森の中へ。

    雨ヶ池越まで歩けば、三俣山、大船山、平治岳とくじゅうの山がお出迎え

    長者原から森の中を歩いていくと、雨ヶ池越に到着。森の中から展望が開け、右に三俣山、向かう先に明日登る大船山、平治岳が姿を現す。雨ヶ池は、雨がたくさん降ると池になることがある。足元には秋の野草が迎えてくれるだろう。気持ちのいい気候のなか、美しい景色を見ながら一息つきたい。

    雨ヶ池越。雨がたくさん降れば池になる。秋は、リンドウ、ヤマラッキョウなどが見られる

    九州最高所の温泉であり、一度は泊まってみたい法華院温泉山荘

    雨ヶ池越からススキが黄金色に輝く坊ガツルを眺めて歩き、今日の宿「法華院温泉山荘」に到着。特に、秋の紅葉、初夏のミヤマキリシマの時期はたくさんの人で賑わう。九州最高所の温泉と、美味しい食事に舌鼓を打ち、生ビールがついつい進んでしまいそうだが、ほどほどに。夜は満点の星も楽しめる。夕日、朝日が山を赤く染める光景は宿泊したものの特典だ!

    山荘を満喫した次の日は、いよいよ大船山へ挑戦だ

    坊ガツルのテント場を通過し、大船山と平治岳の分岐を確認。足元は段々と急な登りになっていく。山頂まで500メートル以上の標高差だから頑張ろう。登山道は狭いところも多いので譲り合って歩きたい。ゆっくりと登っていき、段原の分岐へ出ると山頂の眺めも良く、広場となっているので一息ついたらもうひと頑張り。

    疲れもきっと吹き飛ぶ 360度大パノラマ!

    頑張って登った大船山山頂に立つと一気に開ける素晴らしい光景に笑顔がこぼれる。山頂は岩場となっているためくれぐれも気をつけて楽しもう。山頂直下には御池(おいけ)と呼ばれる火口湖があり水をたたえており、風が穏やかだとドウダンツツジやカエデ類の赤く染まった景色が池に映りそれは見事だ。上から眺めるのもいいが、足を延ばしてみよう。

    紅葉を楽しみながら往路を戻り、下山後は温泉へ

    テント場のある坊ガツルまで戻り、振り返るとさっき立っていた大船山が見える。昨日歩いてきた雨ヶ池越を通り長者原まで戻ろう。下山後は温泉で汗を流し、ソフトクリームを食べて帰路につきたい。今回もお疲れ様でした!

    プラスで楽しむ­­

    法華院温泉山荘

    九重連山のほぼ真ん中にある山荘。1300メートルに位置する九州最高所の温泉であり、登山後にゆっくり温泉に浸かることができるのが魅力。食事も美味しく、ついついご飯をおかわりしてしまう。夜は満点の星を楽しもう。山荘は、今年140周年を迎えるとか。山荘オリジナルグッズやお土産、飲み物などが購入できる。温泉は環境保護のためシャンプー、石けんの使用不可。下山後には、長者原にある別館 「高原テラス」の温泉にて汗を流しても良いだろう。

    住所:大分県竹田市久住町大字有氏1778番地
    電話:090-4980-2810

    高原テラス

    長者原登山口から徒歩5分ほどにあり、立ち寄り湯として利用可能。鉄分を多く含む泉質は、疲労回復に最適。もちろん前泊、後泊、食事もおすすめ。

    立ち寄り湯 

    住所:大分県玖珠郡九重町田野260-1
    電話:0973-79-2230
    時間:11:0019:00(※冬季12月~2/11001800 受付は1700まで)
    料金:500

    アクセス情報

    公共交通機関

    九重町コミュニティバス 「豊後中村駅」―「長者原」
    九州産交バス「別府駅前本町」ー「くじゅう登山口(長者原)」

    マイカー

    九州自動車道九重I Cで下車。飯田高原中村線県道40号、621号、長者原へ。約30分  

    登山ウェアや持ち物について

    秋になると朝晩、日中も状況よっては寒いことが多くなる時期だ。ダウンジャケット、フリース、防水手袋などの防寒対策、またヘッドランプを必ず持っていこう。防寒対策をしっかりして、法華院温泉山荘で夜空や朝日を楽しみたい。坊ガツルから先の大船山への道は、急な登りが続き、また段原から先の山頂付近は岩場となるので譲り合って歩きたい。特に2日目はロングとなるので時間に余裕を持って歩こう。紅葉は例年10月半ばから下旬にかけて。少しずつ、標高を下げていき長者原付近は11月上旬頃が見頃に。

    くじゅう大船山データ

    山頂所在地:大分県 
    山域:くじゅう
    標高: 大船山 1786m

    今回のコース

    コースの距離:約15キロ
    コース:
    1日目]長者原登山口(80分)→雨ヶ池越(60分)→法華院温泉山荘 (2時間20分休憩なし)
    2日目]法華院温泉山荘(20分)→坊ガツル(90分)→段原(25分)→大船山(20分)→段原(80分)→坊ガツル(50分)→雨ヶ池越(70分)→長者原登山口(合計5時間55分休憩なし)

    <問い合わせ>

    九重町商工観光・自然観光課 0973-76-3150
    長者原ビジターセンター 0973-79-2154
    コミュニティバス 九重町役場危機管理情報推進課 0973-76-3801
    九州産交バス 096-354-4845

    私が書きました!
    日本山岳協会認定登山ガイド
    河野綾子
    登山ガイド/山のことライター。福岡県出身、くじゅうネイチャーガイドクラブ所属。2019年秋にくじゅう連山の麓、九重町に移住。九重町地域おこし協力隊としても活動し、くじゅう連山、九重町の情報を「九重町飯田 地域おこし協力隊」(Facebook)で発信中。楽しく学びながらをモットーに、山のガイドや、九州の山雑誌「のぼろ」などに執筆中。

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