現地味になる3つの食材とは?料理家・沼口ゆきさんに教わるキャンプで「台湾料理」を楽しむコツ | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.08.12

    現地味になる3つの食材とは?料理家・沼口ゆきさんに教わるキャンプで「台湾料理」を楽しむコツ

    (写真『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』より)

    日本からも近く、ファンも多い台湾。その味を、キャンプでも食べたい! そこで、現地での在住経験があり、台湾料理に精通する料理家・沼口ゆきさんに、キャンプで台湾料理を楽しむコツを伺いました。

    幼少期は父親と、30〜40代は友人ら2〜3家族でキャンプを楽しんでいたという沼口ゆきさん

    台湾のキャンプ料理事情

    川海老を釣り、それを豪快に料理した台湾でのキャンプの食卓(撮影:沼口さん)

    現地でのキャンプ経験もある沼口さん。台湾では、どのようなキャンプ料理が人気ですか?

    「やはりBBQは王道で、日本と似ていますね。焼く具材は、腸詰、お肉、サンマ、マシュマロなど、日本と共通しているものも。珍しいものでいえば、もち米をカモや豚の血で固めた『米血糕 (ミーシュエガオ)』。タレを塗りピーナッツ粉とシャンツァイをのせたりもします。

    台湾独自の習慣でいえば、中秋節には家の前でBBQをします。これは台湾のBBQソースメーカー発信のかたち。日本のようにしめの焼きそばはなく、焼いたお肉を食パンにはさんで食べます」

    お肉はやや厚切りのものを、砂糖と醤油の甘辛いタレに漬け込んで焼く場合が多いそうです。「現地では、甘じょっぱい味付けが人気です(沼口さん)」。

    台湾の人たちがふだん食べているごはんの風景(写真『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』より)

    また、普段から食事に温かいスープが欠かせない台湾では、キャンプでもたいてい汁物があるのも特徴なのだとか。

    「鍋料理なら、具材は、肉、野菜、つみれ、冷凍餃子など、何でもOK。お好みでたっぷりつくって、夜には麺類や卵を加えて食べたりします。スープの場合は、旬の野菜を使ったやさしい味付けが多いですね。暑い季節もトマトやゴーヤなど、体をクールダウンしてくれる具材を使って、食べながら体の調子を整えるのが台湾流です」

    これさえあれば現地味になる3つの食材

    たとえば、お肉を焼いたり、煮込み料理を作るとき。これさえあれば台湾料理に近づける食材が、スーパーなど身近なところで手に入ります。コツは、使い方にあり。

    1 五香粉(ごこうふん/ウーシャンフェン)

    八角や花椒、クローブなど56種のスパイスをブレンドしたミックススパイス。お肉にもお魚にも合う。食材の臭みをとる役割も。

    「これさえあれば味が決まると言っても過言ではありません。唐揚げの下味に少し加えて漬け込んだり、中華風の煮込み料理に加えたり。まずは少量から試してみてください」

    2 白こしょう

    熟す前の実を取り、皮付きのまま長時間乾燥させた黒こしょうに対し、実が完熟したものを水に浸けて発酵させ、皮を取り除いて乾燥したものが白こしょう。独特な香りとすっきりとした辛みが特徴。

    「台湾では、黒こしょうより白こしょうがよく使われます。たとえば酸辣湯(サンラータン)にはたっぷり、鶏肉飯(ジーローハン)には少々と、メリハリのきいた使い方が台湾らしい味の決め手。エビやイカ、鶏肉などの炒めものには、たっぷり使うのもおすすめです」

    3 にんにく

    写真『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』より

    高温多湿の台湾で、よく使われる香味野菜の一つ。

    「生姜もよく使いますが、にんにくの量は日本より多め。生でそのままかじったりもするぐらい、台湾の人たちはにんにくが好きです。思い切ったきかせ方が、現地の味に近くコツ」

    現地の調味料「醤油膏(ジョンヨウガオ)」を作ってみよう

    醤油膏は、ソースのようなとろみのある甘いしょうゆで、台湾の食堂や屋台には必ずある調味料です。調理より仕上げにかけることが多く、現地では、目玉焼きなどにかけたりして親しまれているのだとか。インターネットなどで市販品も手に入りますが「身近な日本の食材でも作れる」と沼口さん。せっかくなら自家製してみましょう!

    冷めてもとろりとしている。記者はこのままキャンプに持っていけるよう小瓶へ。

    <材料(りやすい分量)>

    • しょうゆ・・・大さじ2
    • オイスターソース・・・大さじ1/2
    • 砂糖・・・大さじ1
    • 片栗粉・・・小さじ1
    • 水・・・大さじ5

    <作り方>
    小鍋に全ての材料を混ぜたら火にかけ、沸騰したら弱火にして絶えず混ぜる。とろみがついたら火からおろし、粗熱をとる。

    今回は、容量200mlのシェラカップで自作してみた

    記者は、小鍋の代わりにシェラカップで作ってみました。加熱してふつふついい始めると、少しずつとろみがついて、全体の色が白っぽく変化。混ぜ続けること5分くらいで出来上がり。冷めたところで味見してみると、日本人にもなじみ深い味わい! 甘じょっぱく、記者の子ども(4才)も「おいしい!」と抵抗なく食べてくれました。

    使い切る目安は、清潔な保存瓶に入れて、冷蔵で1週間くらい。驚くほど気軽に作れるので、どうぞ試してみてください。

    さて次回は、沼口さんおすすめのキャンプで作る台湾の定番料理をご紹介します。

     

    7月19日に発売された『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』(主婦の友社)

    PROFILE|沼口ゆきさん
    フランス料理と製菓を学び、料理研究家・有元葉子氏に約8年間師事後、独立。台湾料理のおいしさとおおらかさに魅了され、2015年秋から台湾へ留学。東京と台湾・新竹の2拠点生活で、現地でも料理の仕事に携わる。著書に『台湾調味料いただきます手帖』(成文堂新光社)、『台湾のあまいおやつ』(文化出版局)ほか多数。2022年7月19日に『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』(主婦の友社)を発売したばかり。

    『はじめてなのに現地味 おうち台湾菜』
    ちょっと難しそうなローカル台湾ごはんを、日本にある調味料や食材で再現不動の人気メニュー「ルーロー飯」や「ジーロー飯」のひと鍋で完成させる作り方から、台湾のおかあさんがざざっと手早く作る台湾式の時短料理、屋台めし、夜市めし、体にいいスイーツなどをたっぷりと紹介。また、台湾人は人口の約10%が、肉、魚を食べない菜食主義。体に負担のかからないヴィーガンおかずや体にいいおやつも紹介されています。

    私が書きました!
    編集ライター
    ニイミユカ
    兵庫県出身、浅草在住。4才児と犬と暮らす、編集者・ライター。衣食住など生活にまつわる地に足のついた企画をメインに、雑誌や書籍、WEBメディアなどで編集・執筆しています

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