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    2022.02.22

    まさに「豪」快! バーベキュー王国オーストラリアの公園BBQ

    さて、いきなりですが質問です! みなさんは「オーストラリアの国民食」はなんだと思いますか?

    ビーチとかグレートバリアリーフとか、草原を飛び跳ねるカンガルーなど「大自然」は有名でも、「食」のイメージはあまりないかもしれませんね。

    オーストラリアの「国民食」を一つだけ挙げるのは難しいですが、「国民的調理方法」なら即答できます。それは「バーベキュー」。特に子育て世代なら、家族でとか、友達家族を呼んだり呼ばれたりとか、公演などに集まってとか、月23回は楽しんでいると思います。

    今回はそんな「バーベキュー大国」オーストラリアのBBQ事情をお伝えします!

    家庭のバーベキューコンロは「プロパンガス」が一般的

    一戸建ての家のほとんどには、備え付けバーベキューコンロがあります。一応直径10センチほどの車輪がついているので無理したら運べないこともないですが、基本的にはパティオとか庭で「配置替え」をする以外はあまり動かしません。

    一般的な家庭用バーベキューコンロ。網ではなく、鉄板が主流で、鉄が棒状に並ぶ部分がついているタイプもある。

    タウンハウスやマンション(オーストラリアでは「アパートメント」と呼びますが)などの集合住宅でも、住民が誰でも使える共有のバーベキューコンロが設置されていることが多いです。

    燃料はプロパンガスがほとんどで、手で持ち運べる小型のガスボンベを用います。一部、電気を使うものもあります。いずれの場合も鉄板を熱するものがほとんど。日本のように炭や豆炭で用いるタイプのものもありますが、少数派です。

    公園にも「公共バーベキューコンロ」が!

    さて、そんなバーベキュー大国のオーストラリア。ちょっとした規模の公園なら誰でも自由に使える「無料バーベキューコンロ」が設置されています。

    公園にある「無料バーベキューコンロ」。屋根付きの場所に設置されていることがほとんど。

    日本のバーベキューコンロを「持参」するスタイルと比べ、材料をアイスボックスなどで持って行けば手軽にできる点、炭や木を燃やさないので後処理に時間がかからない点がプラスポイント。バーベキュー場などでの「有料レンタル」と比較すると、もちろん「無料」が長所でしょう。

    使用説明書(?)も貼られている。

    一方で「ずっと使い続けることができない」のがマイナスポイントに感じられるかもしれません。「早い者勝ち」だとばかりに、その場を確保した人が延々と使うのはマナー違反。待っている人がいる場合はサッと焼いてトレイに移し、保温用にアルミホイルをかけ、テーブルに持って行き、コンロを明け渡すのがルールです。

    バーベキューの主菜は「おしゃべり」

    こうした公園の無料バーベキューコンロは、「家族で」とか「数家族で集って」のほか、子どもの「誕生日会」や「スポーツクラブの打ち上げ」などでも使われます。

    近くにはテーブルとベンチのピクニックスペースがある。

    日本のバーベキューは「食べる分を少しずつ焼いて、アツアツを味わう」という感じだと思います。一方オーストラリアでは「肉も野菜も一気に焼いてお皿などにとって、あとはみんなでおしゃべりしながら食べる」というのが一般的。とにきは草サッカーやハイキングで腹ごなしをして、また食べるという感じで、数時間のんびりすごします。

    テーブルとベンチのまわりには、自由に遊べる芝生が広がっていることも多い。

    これはどちらが正しいという話ではもちろんなくて、バーベキューの主目的が何かの違いでしょう。日本ではおしゃべりも大切ですが、「食事」がメイン。一方オーストラリアではあくまでも「おしゃべり」が主なのです。

    シーフードや野菜あまり見られない

    オーストラリアのバーベキューで最も一般的なメニューは、牛肉または豚肉のソーセージ。日本の一般的なソーセージよりも挽き肉感が強いものです(ハンバーグのたねが袋につめられている感じ)。これと焼いたオニオンスライスをサンドウィッチ用食パンに載せ、ケチャップやバーベキューソースで食べることを「ソーセージシズル」と言います。レストランでもファーストフードでも提供されることは絶対にありませんが、「オーストラリアの国民食」の一つです。

    ソーセージシズル。「お皿要らず」という点ではホットドッグに似ているが、パンの量が少ないのでいわゆる「肉々しさ」では勝っているし、ソーセージもホットドッグ用のものよりも本格的。

    他に焼かれるのは「ビーフやチキンなどの肉」「厚切りベーコン」「目玉焼き」。日本のバーベキューと違い、シーフードや野菜類が焼かれることはあまりありません。例外は先ほど紹介したソーセージシズルなどといっしょに食べられる「スライスオニオン」、そして「マッシュルーム」「焼きトマト」です。

    定番素材のいくつか。ぷりぷりのミニソーセージ、目玉焼き、焼きトマト。

    以上、オーストラリアのバーベキュー事情を紹介しました。日本の公園でもこのような「公共バーベキューコンロ」が設置されれば、もっと気軽に「都会でアウトドア」が楽しめると思うのですが、いかがでしょう?

    私が書きました!

    オーストラリア在住ライター(海外書き人クラブ)
    柳沢有紀夫

    世界100ヵ国350人以上のメンバーを誇る現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブhttps://www.kaigaikakibito.com/」の創設者兼お世話係。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など同会のメンバーの協力を仰いだ著作も多数。オーストラリア・ブリスベン在住。

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