鎌倉でライトハイキング! 「切り通し」を歩いてみよう | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.02.15

    鎌倉でライトハイキング! 「切り通し」を歩いてみよう 

    段葛

    鶴岡八幡宮へ続く段葛(だんかずら)。この道は、源頼朝が妻・政子の安産を願い作ったと伝わる。灯篭で照らされた夜に歩くのもオススメ。

    鎌倉はハイキングが面白い!

    三方を山に囲まれた鎌倉には、知られざるハイキングコースがたくさんある。町に近く程よいアップダウン、軽いハイキングには最適だ。

    なかでもおすすめしたいのが「切り通し」。鎌倉幕府が置かれた鎌倉は、周囲を標高100mちょっとの壁のような山々に守られた天然の要塞ともいわれてきた。そのため外との行き来のために山を掘削した道、「切り通し」が作られ、各方面とを結ぶ陸路として活用されたのだ。

    亀が谷坂

    こちらは鎌倉七口のひとつ、亀が谷坂。北鎌倉方面から鎌倉市扇ガ谷に延びる道。現在は車道になっている。鎌倉殿(源頼朝)も通ったかも!?

    代表的な切り通しは7つほどあるが、現在は車道になっていたり、崩落のために通行できない場所もある。歴史的景観を残している「名越切通」(なごえきりどおし)は、とくにおすすめしたいスポット。

    名越切通は、鎌倉時代に描かれた歴史書『吾妻鏡』にも登場する。鎌倉市と逗子市に跨がる国指定史跡だ。距離こそ短いがとても歩き甲斐がある。取り付きはいろいろだが、今回は大町口から行ってみよう。

    名越MAP

    大町口へは徒歩約25分。鎌倉駅東口から若宮大路を海岸方面へ。下馬交差点を逗子方面方向に左に折れる。県道311号を約1㎞直進すると、名越踏切に出る。踏切を渡り、線路を左手に進む。すると、名越坂坂踏切が見えてくるので渡って右へ進む。

    住宅地の細い道を抜け、だんだんと山道になってくる。眼下には横須賀線の線路を望む。石の階段を登っていくと地図上の第3切通に出る。

    大町口から登ったところにある第3切通。登った道を振り返って撮影した1枚。

    道のど真ん中に大きな岩があり特徴的だ。防御のために故意に置いたものか? と、想像が膨らむ。まずはそのまま第2切通へと進んでみる。

    第3切通からすぐの第2切通。

    古の道は発見がいっぱいある

    住宅街からちょっと入っただけでこんな山道が広がっているのかと驚きだ。第2切通は、両側に堀った跡のような壁が続く。さらに進んで第1切通人ひとりがやっと通れるくらいの幅。切通の名に違わぬ様相をしていた。

    名越切通の第1切通。行ったり来たりして、切通を堪能する!

    ちなみに、逗子市教育委員会が製作したパンフレット「国指定史跡 名越切通」によると、発掘調査(第1切通のもっとも狭い部分)で路面の下に複数の道路面が重なって発見されたとのこと。地表から60cm下に最も古いものがあり、現在のものより幅も広く、しっかりした道路だったそうだ。現在の第1切通の姿は江戸時代よりも新しいものだという。

    切通は、時代とともに道筋や構造を開削して移り変わっているのだ。

    第1切通を行ったり来たりしてたっぷり堪能したら、踵(きびす)を返して第3切通まで戻る。第3切通のところは道が分岐しており、もう一本道が続いている。東平場と呼ばれる開けた場所を通りすぎ、歩を進める。平日などは歩いている人も少なくとても静かだ。

    お猿畠の大切岸。空がぱっと開けて明るい場所だ。

    石廟を通り過ぎてさらに進むと広い場所に出る。そして前方に真っ白な断崖「お猿畠の大切岸」(おさるばたけのおおきりぎし)が見えてくる。

    ここは石材を切り出した石切場の跡だったということが、発掘調査で明らかになっている。1707年の富士山噴火のときの火山灰が堆積しているそうで、最後に石が切り出されたのは、それより前のことになる。

    「お猿畠」の名前は、鎌倉を追われた僧・日蓮が、この付近で3匹の白い猿に助けられたという伝承から名づけられたという。

    断崖を心ゆくまで見物したら、ハイランド口へ進む。途中、「パノラマ」という見落としそうな看板があった。パノラマ?と思いつつ道を進み、登ってみると……。

    こんなステキスポットがあるとは! 江ノ島や鎌倉の海岸を望む。

    素晴らしい絶景が広がっていた。遠くに江ノ島が見える。小さな山頂にはベンチがひとつ。

    時折、トンビのピーヒョロローという鳴き声が遠くにするだけ。距離はさほど長くないが、じつに見どころ満載で愉快な道だった。

    最後に。第2切通のところには「まんだら堂やぐら群」がある。期間限定公開だが、機会があればぜひ。公開時期は、初夏(4月下旬〜6月初め)/秋(10月下旬〜12月中旬) 月曜、土曜日祝日 10〜16時。荒天時は閉鎖されている。

    史料が乏しく、詳しいことはわかっていないという。なんとも神秘的。

    ※構成・撮影/須藤ナオミ

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