大失敗から学んだキャンピングカー選び3つのポイント「これだけは事前に決めておきたい」 | キャンピングカー・車中泊 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.01.01

    大失敗から学んだキャンピングカー選び3つのポイント「これだけは事前に決めておきたい」

    カタログイメージ

    キャンピングカー選びで、もっとも優先したいことはなんでしょうか。愛犬が快適に過ごせること、安全に運転できること、悪路でもガンガン走れること、車内がゆったりしていること……。

    おそらく10人いれば10人違います。ひとつ屋根の下に暮らす家族であっても、微妙に異なるはずです。

    そして「すべては実現できない」というのがキャンピングカーの難しいところ。車という制約がある以上、たとえ潤沢な予算があっても、どうしても両立しない要素があるのです。

    私は「自分が求めるもの」を明確にしないまま購入した初代のキャンピングカーで、残念な失敗をしました。今回は、そんな私が考える「これだけは決めておきたい」要素をご提案します。

    商談イベントに行く前に

    キャンピングカーショーイメージ

    まずは商談会や展示会などで実物を見るのが大事!という意見もあるかと思います。

    とくに毎年行なわれる「ジャパンキャンピングカーショー」は、各社の最新モデルが一堂に会するほか、ステージイベントや企画展など、お祭りのようにワクワクするイベント。

    まだキャンピングカーに興味のない家族を連れて行くにはぴったりなのですが、購入の参考のために行くならば、少し注意が必要です。

    というのも、広大な会場に何百台も並ぶキャンピングカー。目に入る車のすべてが素晴らしく見え、「あ!おもしろい車」「こんなのもあるんだ!」「こっちもいい!」と見ているうちに、あっというまに歩き疲れてしまいます。

    私自身、取材のつもりで気を引き締めて訪れても、キラキラ輝く新車たちに目移りしてしまうのがキャンピングカーショー。

    楽しく会場を後にできることは保証しますが、よほど計画的に回らない限り、具体的な購入の参考にするのは難しい印象です。

    というわけで、商談イベントに行く前に、これだけは絞り込んでおきたい項目を挙げていきます。大きく分けると「車両の最大サイズ」と「優先したい機能」です。

    車両の最大サイズ

    キャンピングカーイメージ

    まずは「どこまでの大きさを許容できるか」です。

    車両サイズは居住性に直結します。走行性能などを考えなければ、単純に「車体が大きければ大きいほど車内は快適になる」といっても過言ではないかもしれません。

    車両サイズに比例してエアコンやシャワーなどたくさんの装備を搭載でき、内装も凝ったものにできます。イベントでも大きな車になるほど豪華で素敵に見えますね。

    しかし多くの人にとっては、購入できるサイズには制限があるはずです。それは予算ではなく、おもに運転者の技量、目的地、駐車場所といった物理的な条件です。

    運転する予定の人全員にとって、どこまでのサイズなら「安心して」「苦にならず」運転できるでしょうか。

    運転席イメージ

    たとえば私は現在、標準ボディのハイエースに乗っています。

    いまはバックモニターやアラームなど運転アシスト機能がたくさんあるので、当初の心配よりは安全に乗れていると思います。けれども、やはり混雑している駐車場で1台分しか空いておらず、後続車がいるときなど、冷や汗をかくシーンがたくさん。

    お恥ずかしい話ですが、駐車をあきらめて、そそくさと立ち去ることもよくあります。「いまより10cmでも長かったら(あるいは幅広かったら)運転できなかったな」と確信しています。

    また、車高も大事。自宅の駐車場に屋根や立木がある場合はもちろんですが、目的地で自走式立体駐車場を利用したい人にとっては高さ2.0m2.1mがひとつの基準になるかもしれません。(統一的な数値はなく場所によって異なりますが、ショッピングセンターなどでは2.1m表示をよく見かけるように感じます。)

    となると、ほとんどのキャブコン(キャブオーバー車=トラックに「シェル」と呼ばれる専用の居室を架装したキャンピングカー)は選択肢から外れます。ハイエースやキャラバンのようなバンであっても、ハイルーフ車は不可ですね。

    私の車は標準ルーフなので、ほとんどのドライブスルーや自走式立体駐車場が利用可能です。都市型の観光が好きな私にとって、どこにでも入っていけることは重要です。

    そのほか自宅の駐車場サイズや、そこに至るまでの街路、行きたい場所が都市部か自然豊かなところか、自分以外の家族が運転することがあるか、などでおのずとサイズが決まってくるでしょう。

    もしもバンがベースなら、ワイド、スーパーロング、ハイルーフなど、どのボディサイズまでなら許容できるでしょうか。キャブコンを選択肢に入れられるでしょうか。大まかでも「このサイズは超えられない」という最大値を決めておくのがお勧めです。

    もし「サイズは無制限」という幸せな環境にあるなら、かなり自由に選べることになります。

    優先すべき機能を決める

    マルチルームイメージ

    次はレイアウトです。キャンピング車として登録するなら、という前提になりますが、車内を構成するのは、おおむねベッド・キッチン・ダイニング・トイレ・シャワー・荷室(+ペットのスペース)という要素になると思います。

    そしてキャンピングカーとは、ほんの数メートル四方のスペースに、限られたポイントを割り振るようなものです。

    最優先すべきはどの項目でしょうか?「全部大事!」といいたいところですが、アメリカの荒野を走るモーターホームでもない限り、全ては実現できません。

    たとえば絶対に譲れない(◎)、できればこだわりたい(○)、妥協できる(△)、重視しない(×)とスコアをつけることを考えてみましょう。

    キッチン(ギャレー)

    キッチンを重視するかどうかは、ライフスタイルにかなり左右されます。

    旅先で新鮮な食材を仕入れて、料理を楽しむ予定がありますか?それともキャンピング車として8ナンバーを取得するための構造要件を満たす目的で、一応搭載するというくらいでしょうか。

    もし本格的に料理をする予定なら「キッチンが広く、使いやすい車」が絶対条件になるでしょう。

    私はほぼ車内調理はしないので×印です。1台目の失敗をもとに買い替えるとき、シンクは「形だけ」のミニサイズで、常設コンロも電子レンジもない車になりました。

    ベッド

    ベッドはどれくらい重視しますか?

    もし昼間は出かけて、夜に寝るためだけに車に戻るようなスタイルなら、ベッドが広くてぐっすり眠れるという就寝特化型のレイアウトがいいでしょう。

    おのずと外食が中心になるでしょうから、先述のキッチンは形だけでいいですね。

    私は初代キャンピングカーの経験から「寝苦しいのは耐えられない」と思っていたので、この項目は◎です。

    足がつかえないこと、シートアレンジが簡単なこと、パーツの組み合わせによる凹凸が少ないことを優先し、結果的に車幅いっぱいのフルフラットベッドを搭載しました。

    ダイニング(ダイネット)

    ダイネットとは、イスやテーブルのあるダイニングスペースのことです。車内でくつろいだり食事をする時間は重視しますか?

    もしそうなら、ダイニングモードにしたときの使いやすさ、座りやすさ、テーブルサイズなどが大事ですね。車内でくつろぐ、ということが旅の目的のひとつになるからです。

    私は△です。対座ダイネットは、いかにもキャンピングカーらしくてかっこいいなと思っていましたが、外食中心なので車内で食事をするイメージがなく、リラックスタイムにはイスよりもベッドでゴロゴロしたい方です。

    ちょっと行儀が悪いですが、パソコン作業も「あぐら」で大丈夫。結果的にダイニング機能は切り捨てました。

    トイレやシャワー

    車内トイレは必要でしょうか?

    これもライフスタイルに左右されますが、私にとっては「ほかのスペースを削ってでも搭載したかった装備」であり、また搭載したことをまったく後悔していない装備でもあります。つまり◎です。

    温水シャワーは日本ではあまり一般的でないと思いますが、長期旅行でなによりも高くつくのが入浴代です。毎日のことなのに、一般的な日帰り温泉施設では500円以上はかかるでしょう。人によっては、こだわりポイントになるかもしれません。

    荷室

    釣りやマリンスポーツをするなら、濡れたものをそのまま置ける防水マルチルームがきっと役に立つでしょう。スキーや自転車やカヌーなど、必ず積みたい特殊な荷物がある場合は、それが条件となりますね。

    私は×です。収納は「あるに越したことはない」とは思いますが、特殊な荷物はなかったので、行き先に応じて積み下ろしすればよい程度です。

    ペットのスペース

    ペットが快適に過ごせることをなによりも重視する方もいます。

    温度管理のための冷暖房や、乗り物酔いしないペットの居場所、車内で留守番をさせるときの見守り体制などです。個々のペットに合わせてオーダーメイドに対応してくれるビルダーだと、よりいいかもしれません。

    私はペットを乗せるつもりはないので×です。まったく気にしなくてよい項目です。

    家族でチェックしてみましょう

    キャンピングカーショーイメージ

    市販のキャンピングカーは、初期状態でも上記の機能が「なるべく多く」「なるべく盛りだくさん」になるように配置されているかと思います。

    しかし、「使わない部分は思いきって切り捨てる」「使う部分に機能を集中する」ということがとても大事だと私は思います。

    使うかわからないけれど、初期装備でそうなっているから……と「なんとなく」納得してしまうと、私が初代のキャンピグカーで失敗したのと同じ状況になってしまいます。

    自分にとっての優先順位はこれ、と決めておくと欲しい車がはっきりします。優先度の高い方から1、2、3と番号を振ってもいいですし、○△×でもよいでしょう。家族で突き合わせてみると、意外に価値観が違っていることを発見できるかもしれません。

    その他の装備はゆっくりでOK

    プランニングシート

    どこまでのサイズならいいか、優先すべき機能はなにか、が決まれば、きっとイベントに出かけても大丈夫です。次々と目に飛び込んでくる車も「これこれこういう理由で、選択肢から外れる」と仕分けできるでしょう。

    その他の装備、たとえばサブバッテリーを何台積むか、サイドオーニングをつけるか、冷蔵庫のサイズは、といったことは後からでも十分です。ほかのユーザーの体験談を聞いたり、ビルダーと相談しながらでいいと思います。

    では、実際にキャンピングカーショーに出かけるときのポイントについて、次の機会にお伝えしたいと思います。

     

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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