里山ハンモックのみちやまさんに会いに行く インタビュー編 | ニュース 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2016.09.01

    里山ハンモックのみちやまさんに会いに行く インタビュー編

    earth garden“夏”2016で出会った「里山ハンモック」のみちやまさん。
    ハンモック作りのワークショップも面白そう!

    でもそれ以上に、「里山とは、人が動植物と共存するために手を加えることで、お互いの存在する意味を感じ合いながら生活をしている循環型社会のこと。常に自然に感謝し、自然な笑顔で溢れています。里山ハンモックは里山のようにハンモックが自然と笑顔で広まり、モノとしてではなくコトとして循環していくことを目指しています」

    とハンモックに情熱を注ぐみちやまさんってどんな人?どうしてもお話を聞きたくて、八王子の工房まで会いにいきました!

    ①みちやまさん

    ハンモック作りのワークショップでお忙しそうですが、里山ハンモックの活動は本業なの?
    はい!今は。元々はIT企業でエンジニアをしていました。
    業務内容もそうですけど、あまり社交的でなかったので、平日はほとんど人と口を利かずに、黙々と仕事をしていました。そのせいで、週末は野外に出て自然に触れたい、人と話したいという気持ちが強かったです。ちょうどその頃、BE-PALの特集で「木の上に逃げてみないか」というのやっていて、それを見て、高尾山のツリーハウスに行ってみたんです。

    アウトドアへのきっかけがBE-PALだなんて、光栄です!
    ツリーハウスに言ってみたけど、他の参加者とすぐにおしゃべりというわけにはいかなかったんです。木登りワークショップで、木の上のハンモックめがけてツリークライミングしたんです。地上から離れて開放されたのと、木登りが懐かしいっていう声が聞こえ始め、ハンモックに揺られると、みんなリラックスしたとってもいい笑顔になって、知らないうちに話をしているんですよ。わー、ハンモックって、すごいな。体だけでなく気持ちまで緩めてくれるんだなって感じた瞬間でした。
    その後、そこで出会った人たちと週末のツリーハウス作りに熱中しました。1年くらいかな。長野に巨大なツリーハウスも作りましたよ。でも、やっぱり、ハンモックが好きで、個人的に集めていたハンモックを使って友人たちとハンモックピクニックを何度もしました。

    ↑見つけましたよ。2008年5月号です!

    ↑見つけましたよ。2008年5月号です!

    それでハンモックを仕事に?
    いえいえ、最初はピクニック参加者から、ハンモック貸して欲しいと言われて貸していたんです。それからだんだん広まって、活動をアップしていたブログからも「いくらで貸してもらえるんですか?」って問い合わせがあって、やっとそのあたりから少しずつ仕事になって。
    それと、ハンモックって乗ったら身体が軽くなる。だから子どもでも、お年よりでも、体に障害があってもリラックスして楽しめるんですよ。それを目の当たりにした時、ハンモックの可能性を感じて楽しくなりました。それから、寝ても冷めてもハンモックのことばかり考えちゃって。
    ちょうど就職3年目で仕事の節目のタイミングで退社を選びました。

    止められなかった?
    もちろん、IT業界はまだまだ伸びるから、もったいないと言われました。でも、野外で活動した時のゆったりした時間の流れと、ハンモックの可能性にワクワクして辞めてしまいました!

    その後は順調に?
    貸し出し以外に、海外からハンモックを輸入してネット販売したりしていたんですが、全然だめで、あっという間に貯金を使い果たしました。
    ただ、以前自転車の旅で、大阪に行った時に出会ったホームレスさんに、「路上脱出ガイド」を見せてもらった事があって、ここで炊き出しやってるとか、雨風しのげる施設があるとか色々載ってて。なんだかんだ言っても日本てすごいな、少々のことなら死なずに生きていけるんだなと感じていたので、不安はありませんでした。
    食べられる野草は探しましたけどね(笑)

    そんなピンチをどうやって脱したの?
    時間はたっぷりあったので、いろんな仕事を体験させてもらって、ハンモックの可能性を探りました。
    障害者施設で働く方からハンモックを施設に導入できないかと相談された際に、車椅子の座面をハンモックにしたらどうかと提案をしたら、現場の仕事を経験させてもらったり、大工さんの手伝いをして、柱に器具を取り付けるために必要な知識と、また開けた穴の補修の仕方を習得したり。ハンモックをしながら数々の出会いから仕事をさせていただきました。

    ↑ワークショップでつくる「おとなみブランコハンモック」

    ↑ワークショップでつくる「おとなみブランコハンモック」

    ネット販売からワークショップ中心にしたのはなぜ?
    ネット販売もしていたのですが、どう使われているのか目に見えない。何よりも、ハンモックに乗って笑顔になった瞬間の空気に触れることができないから、やりがいに繋がりにくい。これがどうも自分には会わなくて。目の前の感動を共有したかったんです。
    だから、個人やイベントへの貸し出し、自宅での取り付け方の相談にも乗り、ハンモック生活全般をサポートするようになりました。
    また、ヨガやストレッチ、リフレクソロジーに使うハンモックの開発にも声をかけてもらうようになって、業務用ハンモック開発の仕事は増えています。
    先日は、MAMMUTのイベント用に9ミリのロープで巨大ハンモックを作りました。出来上がったら12kgにもなったんです。太さもある分、道具も使えず、全て手作業で制作しました。気に入ってもらえて、再オーダーもいただきました。

    ↑マムートのイベント用ハンモック。なんと後日偶然、野外イベントで見つけました!

    ↑マムートのイベント用ハンモック。なんと後日偶然、野外イベントで見つけました!

    ほかにはどんな?
    意外な展開だったのは、幼稚園のネット遊具の補修を頼まれたこと。補修する人がいないんだそうです。で、行ってみたら「もっとこんな素材だったら良いのに」とか「もっと網目が細かかったら良いのに」とか要望が拾えて。それに答えて作り直したり、梁が見える吹き抜けのお宅に、ロフト代わりに網目ネットをつけて見たらどうかと提案したら、採用されてお仕事になったりもしていて、ハンモックからネットに仕事の幅が広がっています。
    今は網目の可能性を追求して、どこまで社会に役立てるか模索しています。 

    そうね。ハンモックもネットですもんね。どんどん活躍の場が増えて楽しみですね。ところで、ハンモック作りのワークショップは年間どのくらい行っているの?
    うーん、数えていないからはっきり分からないけれど、1月と2月以外は、ほぼ毎週末という感じでしょうか。春は月間100名くらい受講されていると思います。

     

    すごいですね!このキットはどうやって用意しているの?まさかひとりでって訳じゃないですよね?

     

     そうなんです。ワークショップ始めた頃は、全工程を体験者に作ってもらっていたんですけれど、ものすごく時間がかかって。最後に作る端の輪になった手の部分がとても難しいので。

     でも、イベントで体験するのって、子どもは40分くらい、大人も1時間くらいまでが限界ですよね。

     で、どうしようか、という時に、お世話になった施設の入所者さんが手の部分を作れるんじゃないかと。半年通い続けて教えたら、きっちりきれいに作れるようになって、それからお願いしています。

     そうやってキットをたくさん作ることができました。力を貸してくれる人がいるから、こんなに活動できているんです。

    人との繋がりで活動の幅が広がっているんですね。
    そうなんです。いろんな人に助けられてここまで来た。ほんとそれに尽きます。

    これらのキットや体験用の数々のハンモックをイベント会場に運ぶのって大変じゃありませんか?
    工房の脇に停めてあるトラックで全国各地を回っています。寝起きできるようにしてあるので、僕のお部屋と言ってもいいかもしれませんね。

    ↑生協のトラックと同じサイズのものだそうです。

    ↑生協のトラックと同じサイズのものだそうです。

    里山ハンモックのキャンピングカーですね!ここで、どうやって寝ているのですか?
    すぐ出来ますので、ちょっと待ってくださいね。(パパッと片付け、ネットを張って)こんな感じです。夏は涼しくて良いんですよ。寒くなってきたら、ダウンのシュラフを使います。

    ↑ネットをひっかけてハンモックベッドに。

    ↑ネットをひっかけてハンモックベッドに。

    空間が無駄なく使えてすごく良いですね。内部の収納も、とても機能的で使いやすそう!
    ワークショップやイベントに必要なものが、全部入っています。天井に照明が3つ付いてるんですけど、LEDってすごいですよ。点けていてもバッテリー上がらないんです。今後は、ソーラーパネルをトラックの天井に貼る予定なんです。付けたら冷蔵庫を乗せます!

    エコでいいですね。LEDの照明、参考にさせてもらいます!
    里山ハンモックは、各地の野外イベントやカフェなどの屋内でのイベントにたくさん出ています。

    詳しくは、http://satoyama-hammock.com

    文・写真/やまぐちあつこ

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