焚き火色に染まった吊るしベーコンによく合うアメリカンウイスキー”プラットヴァレー”と過ごす夜 | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.07.02 旅人店主のウイスキー徒然日記

    プラットヴァレーで漬け込んだベーコンを炙るとコーンの乾いた香ばしさが広がった

    風に草木が擦れる音が遠くに聞こえる。焚き火に吊るした熟成ベーコンは少々の風に揺れることもなく、その表面からはジュルジュルと脂が湧き出ては薪へと滴る。時折薪が爆ぜるのが、どうにも耳に心地よい。

    そろそろいい頃合いか。

    無骨なストーンジャグをおもむろに掴み、グラスへと傾ける。こんな夜と吊るしたベーコンに打って付けの安酒「プラットヴァレー」をグラスに注ぐ。

    コーンウイスキー「プラットバレー」ストーンジャグ

    「PLATTE VALLEY (プラットヴァレー)」

    プラットヴァレーは、アメリカンウィスキーでありながらバーボンではない。よく「アメリカで製造されたウィスキー」=「バーボン」だと思われがちだが、そうではない。バーボンと名乗るのを許されているのは、連邦アルコール法により定められた製法に基づいて作られたウィスキーのみに限られている。

    ―アメリカンウイスキーの定義―

    ・穀物類を原料とする
    ・190プルーフ(アルコール度数95%)以下で蒸留
    ・ホワイトオーク樽で熟成させる(コーンウイスキーは除外)
    ・80プルーフ(アルコール度数40%)以上で瓶詰め
    ・アメリカでの製造

    ―バーボンウイスキーの定義―

    ・アメリカンウイスキーの定義を遵守した上で下記の条件を満たす
    ・原料としてトウモロコシを原料比51%〜80%使用
    ・160プルーフ(アルコール度数80%)以下で蒸留
    ・使用する樽は全て新樽である
    ・樽の内側をチャー(焦がすこと)する
    ・130プルーフ(アルコール度数62.5%)以下での樽詰め

    ―以下はストレートバーボンのみ対象―

    ・アメリカンウイスキーの定義を遵守した上で下記の条件を満たす
    ・2年以上の熟成
    ・水以外を加えずに80プルーフ(アルコール度数40%)以上で瓶詰め

    このプラットヴァレーは、糖化させる工程で少量の大麦麦芽(モルト)を添加しているが、基本的にはトウモロコシ原酒のみ100%で製造しているため、バーボンには該当しない。いわゆる”コーンウイスキー”というやつだ。私は吊るしベーコンを作る際、肉を漬け込むピックル液の中に、このコーンウイスキーをたっぷりと注ぎ込む。25年ほど前にアメリカを放浪した際に教わったレシピが、少しずつ形を変えここに辿り着いた。コーンウイスキーを入れることで、コーンの乾いた香ばしさが熟成した肉と焚き火に非常に馴染む。

    焚き火の上に鎮座して焚き火色に染まった吊るしベーコンを眺めながら、プラットヴァレーのグラスに鼻を近づける。穀物特有の香ばしさとともに、メロンのような甘くフレッシュな香りが広がる。まだ若く透明度の高い薄黄色の奥で炎が揺れる。口に含む。サラッとした口当たりに乗じて、アルコール刺激が鼻腔まで一気に駆け上がる。同時に甘いバニラのような甘さが広がり、消えてゆく。引きは早い。が、次の瞬間第2波である。バターの風味を纏ったポップコーンが口中に広がり、古き良き時代のプラット渓谷へと意識を連れてゆく。そこからは二口、三口とポップコーンの香ばしさが只管(ひたすら)に膨らんでゆく。

    ここでようやく、眼前の吊るし肉にナイフを当てる。刮ぎながらナイフと指で挟んだ肉を口に放り込む。右手にはナイフ、左手にウイスキーグラス。なんと良い焚火だ。目を閉じると大陸の風に乗った埃が、川縁の僅かな湿気を帯びて、体をすり抜けていく。空は高く何処までも広い。そんな風景を瞼の裏に蘇らせてくれる安酒がなんとも心地よい。

    今夜はとうもろこしの香ばしさと柔らかい煙に包まれながら、焚き火とともに眠るとしよう。

    私が書きました!
    アウトドアズマン
    大木ハカセ
    旅を活動の中心に置くアウトドアズマン。この数年は馬に跨り、遊牧民を訪ね、ともに生活する旅を継続中。毎年夏には全国の中学生たちと共にリヤカーを引きながら東海道五十三次(500km)を行く野宿旅「リヤカー東海道五十三次」や、小学生たちと共に島旅など、次世代との遠征にも力を注いでいる。無類のウイスキー愛好者であり、新宿歌舞伎町で「outdoorsman bar ROVERS(ローバーズ)」を運営。遠征中には数か月にわたり店を閉めてしまうという名物店主

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