売り切れ続出の大人気バーナー! SOTO「フュージョントレック」の本音レビュー | バーナー・燃焼器具 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • バーナー・燃焼器具

    2021.01.06

    売り切れ続出の大人気バーナー! SOTO「フュージョントレック」の本音レビュー

    私が書きました!
    山岳ライター
    吉澤英晃
    群馬県生まれ。登山用品を扱う会社の営業マンを経てフリーランスとして独立。幼少のころ家族で楽しんだキャンプでアウトドアが好きになり、大学で探検サークルに入ってから山に登り始めました。現在は山岳会に所属して、春から秋は沢登りとテンカラ釣り、冬は主にラッセル山行とアイスクライミングを楽しんでいます。

    仕事で毎日のように山道具に関わる山岳ライターの経験を踏まえて、今日も気になるギアやおすすめアイテムを独自の目線で紹介します!

    2020年に誰もが唸った傑作バーナー

    2020年、発売開始直後からアウトドア系の雑誌やネットメディアなど、いたるところで高評価を受けた傑作バーナーがあります。すでに知っている方も多いことでしょう。SOTOのFUSION Trek(フュージョントレック)です。いままで使っていたバーナーが壊れてしまったので、遅ればせながら私も購入するに至りました。

    今回はプライベートの登山で何度も使用して感じた、リアルなレビューをお伝えします。

    まずは基本的な特長からチェック!

    フージョントレックはガスカートリッジの真上にバーナー本体を取り付ける一体型とは異なる、分離型と呼ばれるタイプのバーナーになります。

    安定感抜群の低重心!

    分離型のバーナーはクッカーを乗せたときに重心が低くなるのが特長で、特に大容量の大型クッカーなどを安定して火にかけることができます。またフライパンなどで料理を作る場合も、バーナーヘッドの位置が低いので腕が疲れにくいです。

    重さも収納サイズも気にならない

    フュージョントレックの重量は実測値で182g(メーカーの公表値と同じでした!)。分離型バーナーは一体型と比較すると重くなる傾向にありますが、市場にある商品の中で評価すると、フュージョントレックの重さは最軽量クラスになります。

    収納サイズは、幅11×奥行6×高さ10cm。手の平からややはみ出る大きさですが、250サイズのガスカートリッジが入るクッカーなら、おなじくフュージョントレックもスタッキングすることが可能です。

    自動点火装置は付いていない

    ちなみにフュージョントレックには自動点火装置がついていません。使用時にはライターなどを用意しましょう。最近は故障する心配と無縁で、濡れてしまっても気温が低くても安定して使えるメタルマッチを一緒に持ち歩いています。

    ライトマイファイヤーのメタルマッチ「ファイヤースチールスカウト BIO」 ¥1,900+税

    使って実感できた注目の特長2選!

    フュージョントレックの個性的な特長といえば、長時間の使用や低温化でも一定の火力を維持するマイクロレギュレーターの存在でしょう。2~3人前の鍋料理を何度も作りましたが、もちろん途中で火力が低下することはなく、最大火力が2,800kcalもあるので、沸騰するまでの時間に対しても不満はまったくありませんでした。

    ここでは使用しながら感じた、これらの特長とは違うオススメポイントを2つ紹介します。

    その1:柔らかいホースでバーナーヘッドが傾かない

    まず驚いたのが、ガスカートリッジとバーナーヘッドを繋ぐホースの柔らかさについてです。以前まで使っていたバーナーのホースは、まるでゴムホースのような硬さがあり、凹凸がある所で使うとバーナーヘッドが傾いてしまうことがありました。

    それがフュージョントレックではまったくなく、まるでイヤホンのコードのようにしなやか。地面がどんなにゴツゴツしていてもバーナー本体とガスカートリッジを最適なポディションに配置できます。

    河原や石が多い場所でも安定して使用できる。

    その2:広いバーナーヘッドで底部に満遍なく火が当たる

    火口に直接風が当たらないすり鉢型のバーナーヘッド。

    すり鉢型のバーナーヘッドもフュージョントレックの特長のひとつ。耐風性の高さがよく紹介されますが、実際に使ってみて良いなと思ったのは、バーナーヘッドの面積が広いので、広範囲を熱することができる点です。

    これはアウトドアでしっかり料理をする人にこそ伝えたい、優れた特長だと思います。

    広範囲が沸騰している様子から、底部に当たる火の面積が広いことが分かる

    以前まで使っていたモデルは一点に火が集中していたため、フライパンの真ん中のお肉だけがジュージュー焼けて、周囲の肉は生のまま、といったことが多々ありました。しかしフュージョントレックは、そんな使い勝手の悪さとは無縁。フライパンの底に火が当たる面積が広いので、すべての食材に満遍なく火が通るのです。

    唯一、トロ火がやや苦手

    フュージョントレックは強火から弱火まで火力を調整できます。しかし、トロ火は調整しづらいと感じました。

    弱火以下にしようとしてバブルを気持ちひねると、火は簡単に消えてしまいます。調整するにはすごくシビアなバルブ操作が求められるのです。そして成功したトロ火はゆらゆら安定せず、弱い風が吹いただけで途端に再び消えてしまいます…。

    ちなみに、ガスは反時計周りに1回半ひねるまで出てこない

    トロ火をいつ使うの? と疑問に思うかもしれませんが、生米をバーナーで炊くとき、クッカーの底に触れるか触れないかという絶妙なトロ火が必要なのです。

    もう少し簡単に安定したトロ火を提供できるように、できたらこの点は改善してもらいたいですね。

    いまではフュージョントレックがメインバーナー

    いまではフュージョントレックを購入したがために、一体型バーナーを使う頻度がめっきり減ってしまいました。

    一体型バーナーは価格と軽さが魅力ですが、安定して火を扱えるという点では分離式バーナーの方が圧倒的に使い勝手が良く、一体型バーナーと比べると重いとはいえフュージョントレックの重量は182gと相当軽いので、ソロ登山でも積極的に使っています。

    今後、フュージョントレックより優れるバーナーが出てくるのか。各メーカーの商品開発に期待しつつ、それまでは手に入れたフュージョントレックを使い倒そうと思います。

    商品概要

    価格:¥9,000+税
    本体サイズ:幅43×奥行14×高さ10cm
    収納サイズ:幅11×奥行6×高さ10cm
    ゴトク径:16cm(外径)、6.2cm(内径)
    重量:182g
    発熱量:3.3kW(2,800kcal/h)
    最大使用時間:約1.5時間(SOD-725T使用時)

    商品の詳細はこちら
    http://www.shinfuji.co.jp/soto/products/sod-330/

    NEW ARTICLES

    『 バーナー・燃焼器具 』新着編集部記事

    エスビットの人気ギアを一挙紹介!固形燃料、ポケットストーブ以外のアイテムまで徹底解説

    2024.04.17

    個性際立つものばかり!アウトドアで必須のストーブ(バーナー)おすすめ9選

    2024.04.01

    SOTO(ソト)/レギュレーターストーブST-310 

    2024.03.18

    その名も富士山ストーブ!BE-PAL×笑’sコラボの固形燃料ストーブはシェラカップに収まる小ささだぞ

    2024.03.01

    固形燃料の定番品ならコレ!上手な使い方や調理法まで徹底解説

    2024.02.07

    イワタニの名品シングルバーナー!「ジュニアコンパクトバーナー」ほか人気バーナーを紹介

    2024.02.04

    スノーピークといえば「フラットバーナー」。テーブルに装着可能!そのほか定番人気バーナーも紹介

    2024.02.03

    SOTOのガストーチ3選!人気「スライドガストーチ」ほか必見アイテムをレビュー

    2024.01.24