塩糖水(えんとうすい)の仕組みとは?
肉や魚をふっくらジューシーに調理できる塩糖水(塩と砂糖と水を混ぜた液体のこと)。今 回は塩糖水の仕組みをご紹介しよう。前回の記事はコチラ。
肉は加熱すると筋原線維タンパク質が変質し、収縮ともともと保持していた水分の流出が 起こり、固くなる。塩糖水に漬けると、塩と砂糖が肉の内部に浸透し、それぞれの働きで 肉に変化が起きる。塩は浸透することで筋線維をほぐし、筋線維間のスペースを広げるこ とで 、ここに水分を蓄えることができる。砂糖は砂糖の分子とタンパク質の分子が結合し、加 熱による縮みや凝固を抑制してくれる。また、砂糖は保水性が高いので、肉のなかでしっ かり水分を保つことができるのだ。 塩糖水の基本的な分量は、肉や魚200〜300gに対して塩(粗塩)小さじ2/3(約3g)、砂糖 大さじ1/2(約5g)、水100ml。塩味が濃い目がよければ、塩を増やしてもOK。漬けてお けば、どんな調理法にも活用できる。
魚のホイル焼き
(1)サケ2切れを塩糖水に漬ける。空気を抜き、この状態で半日ほどおく。2日間漬けっ ぱなしでもOK。
(2)大きめに切ったアルミホイルの上に、しめじ(石づきを切り落とし、小房に分けたもの 50g)とプチトマト(50g)をおき、その上に水気をよく切ったサケをのせる。スライスした ニンニク(1/2片)を散らし、コショウとオリーブオイル(適量)、白ワイン(大さじ1) を振りかける。
(3)アルミホイルで隙間なくピッチリ包む。グリルで蒸し焼きする場合は、火力が強いので、 アルミホイルを二重にする。
(4)フライパンにセットしたら水を加え、フタをして蒸し焼きにする。アルミホイル全体が 膨らんでから2〜3分火にかければ完成。 画像 ホイルを開けた瞬間、旨味の香りがフワッと広がる。臭みもしっかり取れて、ふっくらし た仕上がりに。柚子コショウを添えたり、バターとレモンを加えたり。和洋中エスニック とジャンルを選ばず味わえる。
「アルミホイルやオーブンペーパーって、キャンプの必須アイテム。型崩れしやすいハン バーグも、網の上にホイルを敷けばそのまま焼けます。それになんといっても、片付けが楽なのがいい。水場 が遠いサイトのときは、アルミホイルを使えば、極力洗い物を減らせます。アウトドア用 の厚手のものがオススメですが、普段使いのものでも二重すれば大丈夫。いろいろ活用し てみてください」
上田淳子さん
家庭でも再現しやすいフレンチレシピや、無理しない普段の食事をベースに料理家として 幅広く活躍中。じつは学生時代ワンダーホーゲル部で、数々の山を闊歩。ひとり暮らしの ときはコッヘルで料理を作っていたとか。「山の上でオイルサーディンの缶詰をそのままバ ーナーでぐつぐつ煮て、レモンを絞ってワインで乾杯、なんてのも結構いけますよ」かな りのワイン通でもある。『おいしくなって保存もきく!塩糖水漬けレシピ』(世界文化社刊) など著書多数。
撮影/黒石あみ 取材・文/大石裕美