ポルトガル北東部、スペインの国境にあるペネダ・ジェレス国立公園(Parque Nacional da Peneda-Gerês)は、ポルトガルにある唯一の国立公園です。
約7万ヘクタール(700平方キロメートル弱)の広大なもので、ユネスコのエコパークにも指定されています。イギリスの作家、サラ・ピアース(Sarah Pearse)のスリラー小説、「The Wilds」では、不気味なまでに迫力ある大自然が舞台として採用されていました。
今年の夏、訪問してきましたので、ご紹介しますね!
「青い淵」までのトレッキング
私がペネダ・ジェレス国立公園で体験したい!と思っていたのは、「青い淵(Poço Azul)」と「7つの湖(Sete Lagos)」の2つの秘境トレイルです。ただ、残念なことに、7つの湖のトレイルは山火事の影響で閉鎖、無茶をした(迷惑な)ハイカーがレスキューされた、というニュースがあったため、今回は断念することに。
そこで初日は迷わず「青い淵」トレイルへと出かけてきました!

このトレイルヘッドは、有名な「アラド滝(Cascata do Arado)」のすぐそばにあります。
この辺りでは、放牧が行われているようで、カラン、コロン、というカウベルの音がどこからともなく聞こえてくるのが、いい感じです。

青い淵へのトレイルは片道約5.5km。最初は広く平坦な道ですが、1km地点辺りで上り坂になり、2.5kmから4kmまでいったん下った後に岩場をがんがん上る、というコースになっています。標識がなく、先人が積み上げた石などが目印となります。ただ、全ての分岐点に目印が残されているわけではないので、トレイルマップをダウンロードしておくと安心です。

トレイルの最初の方にはいくつかの水汲み場があります。帰り、当てにしていた水が涸れていたのは、ショックでした……。

後半は、道幅も狭くなってきます。岩を上ったりする部分も出てきます。

小川が現れると、もうすぐゴールです!

青の淵、という名前ですが、私たちが訪れた日は、水が少ないのか、ブルーというよりもグリーンに見えました。それでも透明度が高く、吸い込まれそうな美しさです!すでにたくさんの人が泳いでいました。
早速、岩陰で水着になり、ジャンプ!冷たいですが、とっても気持ちがいいです!

この淵は巨岩に囲まれているのですが、上の岩場から飛び込むこともできます。
リフレッシュした後は、来た道を戻ります。帰り道では大きな犬が率いるヤギの群れにも出くわしました。

ペネダ・ジェレス国立公園内の温泉街

さて、私がこの国立公園訪問の拠点に選んだのは、ジェレス村(Vila do Gerês)。知り合いに「公園内にあり、トレッキング拠点として便利だよ」と勧められたのと、「ローマ時代から続く温泉街」という情報があったからです。

絶景トレッキングの後、温泉で癒される、ってのは、最高の組み合わせですよね? 張り切って「温泉公園(Parque das Termas)に無料で入場できる、天然温泉(テルマス)を併設したホテル」を選びました。ところが、トレッキングの後、出かけた温泉公園内のプールは普通の屋外プールで、園内をくまなく歩いても温泉はありません……。信じられず、公園の人に温泉はどこ⁉ と聞くと、年季の入った感じの温泉水を配っている場所を教えてくれました。しかし、こちらは医者の処方箋がないと利用できないと言われてしまいます。
ホテルで問いただすと、温泉の利用は向かいのスパにて、とのこと。残念ながら、この日の温泉は叶わず、でした。
ホテルではスパ利用の予約できないと言うので、翌日の朝、開店と同時にスパへと出かけました。温泉プール利用券は売り切れだったため、午後4時ごろに湯船につかる予約をしました。こちら、一人で部屋に置かれたぬるいジャグジーに水着で浸かるタイプで、まあ正直がっかりです。

ただ、温泉公園は温泉目当てでなければ、とてもすてきな場所でした。3日目の朝、開園と同時に散歩に出かけたところ、ジェレス川沿いの美しい自然やポルトガルの宮殿の庭などでもよく見かけるロマン主義的な人工洞窟と湖などを独り占めすることができました〜!
輝くダム湖と展望台

2日目に出かけたのは、ジェレス国立公園で人気の展望スポット、ペドラ・ベラ展望台(Miradouro da Pedra Bela)。ここからは緑の森に囲まれたコバルトブルーのカルド川とカヴァド川、それにカニサダ貯水池が見えます。
眺望を楽しんだ後は、カニサダ貯水池にあるアルケイラン川ビーチ(Praia Fluvial de Alqueirão)にも出かけました。チューブライディング、ジェットスキー、SUP、カヤックなどウォータースポーツのベンダーも並んでいて、多くの家族連れで賑わっていました。

澄んだ水は穏やかで冷たくもなく最高です! 水がラメを散りばめたようにキラキラしていたのが印象的でした。これは、水中の花崗岩の砂に光を反射して輝く雲母や半透明の水晶の成分が豊富に含まれているからなんだそうです。
国境を超えてスペインへ
ジェレス滞在の最終日は、スペイン国境近くにあるポルテラ・ド・オーメンの滝(Cascata da Portela do Homem)に立ち寄って、スペインへと抜けることにしました。

道路沿いの橋からこの滝を見下ろすことができます。美しい滝壺へは岩を下りていくだけで10分もかからず到着します。ただ、手軽なだけあって、ものすごーく混雑していました。
なので、結局水には入らず、スペインへ。
公園の自然環境や生態系は地続きで一体化していますが、スペイン側では「バイシャ・リミア=セリャ・ド・シュレス自然公園」と名前が変わります。

国境を越えてすぐ、この地域で有名な石造りの高床式の倉庫も見かけました。ポルトガルでは「エスピーリョ(Espigueiro)」、スペインでは「オレオ(Hórreo)」と呼ばれるようです。
今回、断念した「7つの湖」トレイルもそうですが、ジェレス国立公園には見どころがまだまだあります。今度はピークシーズンが終わった初秋にでも、オークの原生林「アルベルガリアの森」を貫く古代ローマ街道(Via Romana XVIII / Via Nova)を歩きに戻ってきたいと思います!




