千葉県勝浦市にある、親の代から受け継いだ古い家。私たち家族が「外房の家」と呼び愛着を持っているこの拠点で、この夏もたっぷり過ごしてきました。今回はずっと気になっていた『千葉県立中央博物館分館 海の博物館』の体験イベントに参加。家族で磯遊びをする前に、研究員から海の生態や安全についてしっかりと学びました。そして、磯へ。結論からいいますと、子どもはもちろん大人まで大興奮!磯に立つときの「目の付け所」がガラリと変わる、価値ある体験イベントの様子をレポートします!
- Text
千葉県立中央博物館分館 海の博物館とは

千葉県立中央博物館分館 海の博物館は、勝浦海中公園に隣接する、房総の海と自然を体験・学習できる自然史博物館です。房総半島を取り巻く多様な海(東京湾、内房、外房、銚子など)の豊かな生態系や自然環境を、標本やジオラマ展示を通して分かりやすく紹介しています。
同館では、資料の収集や調査研究を行なうとともに、その成果に基づいた観察会やワークショップなどの体験型イベントも開催しています。
磯遊びのコツと安全について同時に学べる体験型イベント

今回参加した「磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)」という参加型イベントは、人気の催しとのことで早めに入館しました。所要時間は1時間ほど。参加料金は保険料として、ひとり50円がかかります。

館内で簡単な説明を受けたら、バケツと網をお借りして目の前の磯へと向かいます。

イソギンチャクを専門にされている研究員の柳研介先生と一緒に、約1時間たっぷりと磯を探検します。柳先生が真っ先に話されたのは、磯に潜む危険な生き物たちについて。いろいろな注意点をお聞きしました。
磯に潜む危険生物とケガを回避するための対策を教わる

海遊びでなにより大切という安全対策。軍手をしていても油断できない危険生物たちの怖さと対策をたっぷりと教わりました。以下が、その一例です。
磯に潜む危険な生物
- ガンガゼ(ウニの仲間)
トゲが非常に鋭く、軍手も貫通します。刺されるとしばらく強い痛みが続くので、不用意に手をつけないこと。 - ハオコゼ
カサゴの仲間で体長数cmと小さく、岩の色に紛れて見えづらい魚。背びれの毒棘に刺されると「ドーン」と重く激しい痛みが走るそう。 - カツオノエボシ
柳先生によると、沖から強い風が吹いたときには1,000匹単位で海岸に打ち上げられることもあるとか。青いビニール袋のように見えますが、乾いていても手で触るのは絶対にNG! - ウツボ
岩の影や穴に潜んでいます。「去年、大学生が手を突っ込んで噛まれ、縫うケガをした」という生々しいエピソードも。岩の隙間にいきなり手を突っ込んではいけません。 - イソギンチャク
柳先生の専門分野でもあるイソギンチャク。手でギュッと強く触ると、体内の液がピュッと飛んで目に入り、最悪の場合は失明する危険性もあると先生は話しました。

知識がないまま海に入るのではなく、「どこに危険が潜んでいるか」を事前に知る、貴重な体験ができました。
危険な生き物と対策について学んだあとは、いよいよ磯へ!
磯の生き物を見つけるコツとマナー
柳先生から教わった生き物を見つけるコツは、とってもシンプルなものでした。
魚は上から追いかけない

魚は水の上に影が迫ったり、網などを持って追いかけられると、すぐに岩陰に隠れてしまいます。魚がいそうな場所でじっと静かに待ち、魚が出てきたら下から網ですくうのが鉄則だそうです。しかし、これがなかなか難しいのです!
じっと耐えて待つ

磯の前でじっとしていると、おもしろいように次々と生き物が姿を現わします。
ひっくり返した石や岩は、必ず元に戻す

石をひっくり返したまま放置すると、太陽の熱でそこに付着している生き物がすべて死んでしまうそうです。
「探検させてもらったら、必ず元の状態に戻しましょう」と先生。
自然に対するリスペクトを学ぶ、良き環境教育になりました。
岩場をよく見ると、ところどころに石が赤くなった場所がありました。
聞けば、これは赤い海藻がついているからだそう。この海藻は、死んで色が抜けると真っ白になるとか。
このほか、自分の形に岩を削り、離れてもそこに必ず戻ってくる「ウノアシ(貝)」や、岩穴に潜む「イボイワオウギガニ」など、磯で見かける生き物たちについて教えてもらいました。
さらに磯から少し離れた砂浜に移動し、ほかの参加者が捕まえた「スナガニ」を見せてもらいました。これは、水には入らず陸上を素早く走るカニで、海外では「ゴーストクラブ」と呼ばれているそうです。磯と砂浜、異なる環境に生息する生き物たちを間近で観察できることが、このイベントの醍醐味です。

磯にできる潮だまり(タイドプール)は、夏には水温が40℃を超えることもあれば、大雨のあとにはほぼ真水になり、冬には雪が積もることもあるそうです。そんな環境の変化にもたくましく適応して一生を過ごすというアゴハゼの話に、子どもも大人も感心しきりでした。

今回観察をした磯は、春先になると一面がひじきだらけになるそうです。同じ場所でも季節によって表情は異なることを教わり、定期的に観察しに来たいと思いました。
【磯遊びに適した服装】
足元は滑りにくい靴で

長靴やウォーターシューズなど、濡れてもよく、滑りにくいソールの靴がおすすめです。かかとのないビーチサンダルは、ケガの可能性が高まりますので避けましょう。
日焼け対策はしっかり

磯で遊んでいると、知らぬ間に紫外線を浴びているもの。日焼けを防ぐためにも、長袖シャツなど肌を隠せる服装を選びましょう。もちろん帽子も忘れずに。
水陸両用パンツ

息子たちの服装は、上はコットンのTシャツですが、下は濡れてもすぐに乾く速乾性のパンツを履いています。ほかにもタオルと着替えは一式持参しました。今回のイベントでは、バケツと網は借りられたので、服装を整えるだけで楽しめました。
海の博物館では、たくさんの参加型イベントを開催

隣接する有料駐車場には、我が家のキャンピングカーのように背の高いクルマ(車高2.1m超)でも停められる臨時駐車場がありました。

事前に知識を得られたおかげで、初めての磯遊びは発見に満ち溢れ、大人の私までいつの間にか夢中になっていました。
今回、私たちが参加した「磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)」は、今後も不定期で開催されるそうです。参加は、当日受付の先着順で、定員は15名まで。対象は3歳以上。小学生以下は保護者の同伴が必須です。参加には入館料のほかに、保険料として50円が必要。今後の開催予定や内容など詳しい情報は公式ホームページで確認できます。
海の博物館では、年間を通してさまざまな参加型のイベントや講座を開催しています。ぜひ公式ホームページをチェックして、ご家族で出かけてみてください!
千葉県立中央博物館分館 海の博物館
- 所在地:千葉県勝浦市吉尾123
- 開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
- 入場料:一般200円、高校生・大学生100円、中学生以下・65歳以上無料
- 休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
- ホームページ:https://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/




