100種のクラゲに出会える世界一の水族館「ことはちゃん」、クラゲ博士になれるかな!? | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2026.08.28

100種のクラゲに出会える世界一の水族館「ことはちゃん」、クラゲ博士になれるかな!?

100種のクラゲに出会える世界一の水族館「ことはちゃん」、クラゲ博士になれるかな!?
酷暑続きでも、涼しく自然と触れあえたら――。そんなわがままを叶えてくれるのが水族館&博物館。水族館で心躍る生き物と出会い、博物館で楽しく自然への造詣を深める。
好奇心をかき立てる知的冒険へ出かけよう!
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夏は技アリ水族館でクールラーニング

山形県・東北エプソンアクアリウムかもすい

山川泰明さん 夏美さん ことはちゃん ファミリー

山登り&キャンプ好き夫婦のもとに生まれたインドア派の娘。どうにかアウトドア派にさせるべく試行錯誤中。娘はポケモン大好き。

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案内してくれた人 飼育員 廣瀬南帆さん

2014年入社。静岡県出身。水族館が好きで、飼育員になるのが夢だった。3年前からクラゲの担当になり、日々奮闘中。

今年4月にリニューアルオープン!

東北エプソンアクアリウムかもすい(鶴岡市立加茂水族館)

住所:山形県鶴岡市今泉字大久保657-1
電話:0235(33)3036
営業時間:9:00〜17:00(最終入館は16:00)
定休日:無休
料金:一般¥1,500、小・中学生¥500、未就学児無料

施設の見どころ

1 100種のクラゲがいる
2 展示から飼育員のクラゲ愛を感じられる
3 施設の裏側まで体験可能

DATA

設立 1930年
館内施設 3階建て/約5,300㎡
年間来場者数 35万人程度

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創設96年の歴史ある水族館だが、一度は閉館寸前まで経営難に陥った。それを救ったのがクラゲだ。2000年には日本一、’12年にはクラゲの展示種類数で世界一を達成。4月のリニューアルではクラゲの展示数を100種類に拡大し、話題を呼んでいる。魚や海獣に比べると、地味にも思えるクラゲだが、侮ることなかれ、知るほどにおもしろい生き物なのだ。
 
我が娘も訪れる前は「クラゲかぁ……アザラシに会いたい!」と言っていたが、「クラネタリウム」と呼ばれるクラゲの展示スペースに一歩入ると、突然目を輝かせ始めた。水槽の中で、ゆらゆらと幻想的に舞うクラゲたち。光っているように見えるクラゲもいれば、水流に乗って漂うクラゲ、口腕を動かしてグングン泳いでいるように見えるクラゲなどなど、独特の姿に吸い寄せられてしまう。そのとき、ふと娘に疑問が生まれた。

「クラゲは目がないのに、どうして自由に泳げるんだろう?」
 
普段、ポケモンにしか興味がない娘が興味を示している! 嬉しくなった母はすかさず、飼育員の廣瀬南帆さんに質問。

「人間のような目はないんですが、光を感じたりできる器官があります。脳も心臓もないけど、感覚はあるんですよ」
 
不思議な生態を聞きクラゲに夢中になる娘。もっと知りたい!

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新設されたマイクロアクアリウムは小型クラゲを展示。生態を深く知ることができる。毒の強さ、生き方など、特徴が違いすぎ!

クラゲがどんな生き物かを知る

1 90%以上が水分でできていてゼラチン質の体。
2 水の流れに逆らって泳げず、水中を漂って生活。
3 顔、骨、脳、心臓、血液がない。

クラゲって目がないのに
どうして自由に泳げるの?
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実はちゃんと目があります!
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ミズクラゲの傘はほとんど透明で、水に溶け込むように見える。真ん中にある4つの丸は生殖腺だ。

ミズクラゲを例に体を紹介。口腕の周りに目に似た器官がある。クラゲの種類によって体の形や特徴は違うので、比べながら観察を。

シンブルジェリー(鉢虫網)の一生を紹介

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図の生態はこのようになっている。卵・プラヌラ→プラヌロイド→ポリプ(展示中)→稚クラゲ(展示中)→成体(展示中)

プラヌロイドに育つと水中で浮遊できる。ポリプは根を伸ばし、増殖。とても小さく、成体になれる個体は少ない。

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ケース内にいるのがポリプ、外側にいるのが稚クラゲ。

マイクロアクアリウムにはほかのクラゲの一生も展示。数㎜ほどの大きさだが、水槽に虫眼鏡が設置してあるので、詳しく観察できる。

こんなに小さいの!?
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成体。

成体になっても直径は2㎝程度。こんなに小さくても大人である個体もいて驚く。日本では沖縄など暖かい地域で見られる。

バックヤードツアーでは赤ちゃんクラゲに出会える

クラゲがどうやって生まれ、育てられているのかを観察できるバックヤードツアーが開催されている(小学生以上。1人¥500)。

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水温管理、餌の量など飼育員が綿密に考え、繁殖させている。

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ポリプから切り離されたクラゲの幼体。指の先程度のサイズ。大きく育て〜!

クラゲの種類を観察する

かもすいで展示しているクラゲの約9割はこの施設で繁殖させた個体。しかし、何十年も生きられる生物ではないため、たとえ繁殖に成功しても長く展示し続けるのは容易ではない。

「寿命が極端に短い種もいて、毎日繁殖を繰り返さなければ展示ができない種も。どうしても赤ちゃんクラゲから成体に育たない種もいたり……。クラゲの繁殖は想像以上に難しいです」
 
難易度の高い繁殖にも関わらず、80種だった展示数をリニューアル時には100種にするという偉業を成し遂げる。休館していた5か月で20種増やすには、並々ならぬ努力があった。

「大変でしたね……! でも館長はじめ飼育員はみんな挑戦が大好き。次はこれを試してみよう。じゃあ次は、と日々クラゲのために尽力しています。飼育員のクラゲ愛があったからこそ100種を達成できたと思います」
 
新設されたクラゲ研究所では、繊細なクラゲの生態をより丁寧に研究している。その様子はバックヤードツアーで見学が可能なので、ぜひご参加を。

「ずっと見てられるね」
 
最後に登場するミズクラゲの大水槽「クラゲドリームシアター」を見つめながら娘がポツリ。5mの水槽では約1万匹が浮遊している。知るほどに謎が多いクラゲ。それゆえに興味が高まる。この沼は非常に深い。

クラゲってこんなに種類が!?


リニューアル時に100種達成!
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100種ものクラゲを展示しているのは、世界でも「かもすい」だけ。ここでしか見られないクラゲを堪能しよう!

ユウレイクラゲ

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かもすいでも大型のクラゲ。傘の直径は1mまで成長し、触手は10mを超えるもの。クラゲがエサ。刺胞毒が強く、刺されると痛い。

アリアケビゼンクラゲ

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有明海に生息することから「アリアケ」の名が。傘に厚みがあり、どっしりとした印象がある。口腕が発達していて、泳ぐ姿も力強い。

サムクラゲ

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クラゲを食べるクラゲ。傘の中央が黄色く色づき、卵の黄身のようにも見えることから海外では「卵黄クラゲ」とも呼ばれる。

パルモ

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オーストリアのシェーンブルン動物園からポリプを譲り受けてかもすいで繁殖。丸くて厚みのある傘の縁がすみれ色になるのが特徴。

レッドクロスジェリー

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台湾の国立海洋生物博物館からポリプを譲り受けて育成。繁殖個体がいるのはかもすいが初。傘の中に胃や生殖腺が十字に赤く見える。

パープルストライプトジェリー

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その名の通り、傘に紫の放射状の筋膜様が見られる。傘径が1mにもなる大型クラゲ。刺胞毒がある触手でクラゲを捕まえて食べる。

エチゼンクラゲ

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日本近海に現れるクラゲの中では世界最大級。日本海側で大量発生し、漁業に被害をもたらすクラゲとして、漁師からは嫌われている。

キャノンボールジェリー

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食用クラゲとして広く流通しているのがこのクラゲ。コロンとしたフォルムで、ポンポン跳ねるように泳ぐ姿がかわいらしい。

トガリテマリクラゲ

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毒をもたない有櫛動物門のクラゲ。2本の紅色の触手が特徴で、体の表面にある櫛板は照明が当たると虹色に光っているように見える。

レストランで食用クラゲを食べてみる

クラゲラーメン
¥890

食用クラゲがトッピングされた醤油とんこつラーメン。ちぢれ麺にもクラゲが練り込まれている。

(左)クラゲアイス ¥350
(右)クラゲソフト ¥450


アイスには中にクラゲが混ざっていて、ソフトにはトッピングされている。どちらも食感が楽しい!

コリコリしていておいしい!

かもすい流の展示を楽しむ

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ついつい見とれちゃう!

円柱型のクラゲ水槽「クラゲチューブ」。角度によってクラゲの姿が異なって見え、さまざまな世界観が楽しめる。アート作品のよう。

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飼育員による手書き解説!

マイクロアクアリウムにある手書き解説には、飼育員が今伝えたいことが書かれている。研究中の情報や新しい発見など"思い"が伝わる。

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クラゲの話が聞ける時間も!

小型のクラゲを中心に展示。顕微鏡で観察できるコーナーも。裏側は飼育員の作業場になっており、窓越しにその様子が見られる。

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大きいクラゲがいる!

新設された直径2mの水槽。大きな水槽で泳ぐクラゲの動きを観察できる。設置してある椅子に座って、じっくり見ている人も。

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この大水槽の上部がコレ!

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バックヤードツアーでは大水槽を上から鑑賞できる。正面から見るのとは違ったクラゲの動きが観察できて、新鮮。

クラゲだけじゃない魅力アリ!

地元の海で見られる魚たち

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クラゲコーナーの前にはかもすいがある山形県庄内地方の川から庄内浜沿岸、深海に住む魚たちを展示。周辺環境をリアルに再現する。

アザラシにエサやり体験

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アザラシの生態解説後、エサやり体験(1皿¥500。1人で投げられる人限定)。豪快にジャンプしてキャッチする姿が見られるかも!?

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もう博士になれたかな!?

※構成/中山夏美 撮影/髙橋郁子 写真/加茂水族館(ミズクラゲ)

(BE-PAL 2026年9月号より)

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