昼夜逆転の生活こそ正義〜人間とは真逆!コウモリの生活戦略について考えた | ★未分類 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.05.02

昼夜逆転の生活こそ正義〜人間とは真逆!コウモリの生活戦略について考えた

昼夜逆転の生活こそ正義〜人間とは真逆!コウモリの生活戦略について考えた
コウモリという謎に包まれた魅惑の生物を紹介する連載の2回目。
今回は、なぜコウモリは夜行性なのか?
自然界における夜空の覇者であるコウモリたちの生活に迫ります。
Text

夜空の覇者にして勝ち組である理由

闇夜を見事に飛翔するアブラコウモリ

現在の哺乳類の中でも「勝ち組」とされる生物に、コウモリが真っ先に挙げられることは意外に思われるでしょう。
コウモリは極地を除く全世界に生息します。
闇夜の大空を自由に飛び回り、活発に生活をしているコウモリたちは、まさに夜空の覇者です。
なぜコウモリがそんなにも成功をおさめているのか?
その秘密に迫っていきましょう。

人間はマイノリティ

コウモリはご存知のように夜行性です。昼間は寝ていて、夜になるとねぐらを飛び立って活動します。
コウモリのイメージには「夜」「闇」「暗い」といったものが付きまとっていますが、そのとおりです。
ですが、実は哺乳類の大部分が夜行性なんですよね。私たち人間のように昼行性の動物はサルの仲間やリスの仲間など、一部。ですから、夜に活動をするコウモリを変わり者扱いするのは、お門違い。人間こそが変わり者なんです。これを機会に、私たちは認識を改めましょう。

コウモリとスズメを混同するはた迷惑なオジサンの教え

街灯の反射する川面を飛翔するドーベントンコウモリ。はた迷惑なオジサンに声をかけられた。

コウモリは夜行性ですから、その姿を写真に撮ることは至難の業です。
そもそもコウモリ自体の姿を見ることが出来ません。目視できないのです。当然です、夜で真っ暗ですから。おまけにコウモリは声が超音波ですので、僕の耳にも聞こえません。
ある夜、僕は川のほとりでコウモリ撮影にチャレンジしていました。
その場所は街灯の明かりが川面に反射し、ものすごく微かにコウモリの飛ぶ姿を認識できる場所でした。

全神経を目玉に集中してコウモリを待っていたら、突然「なにしてんだっ?」と話しかけられました。
あまりに驚いた僕から「びゃっ」と情けない声が出ました。
声をかけてきたのは夜釣りのオジサンでした。実に、はた迷惑です。
僕は怪しまれてはイケナイと思い即座に答えます。「コウモリを写真に撮ろうと・・・」
そしたらオジサン、「こんな所にコウモリなんて、いないべや!」と偉そうに言います。
そんなオジサンの目の前をコウモリが飛んでいるので「ほら!いますよコウモリ!目の前です!」
と教えてあげました。そしたらオジサン、「は?こんなもん、スズメだべや?いっつも、いるど」
その言葉に僕は途方に暮れました。いや、スズメは夜に飛ばんよ・・・と。

そうなんです。知らないんですよ、多くのお方は、スズメは昼間にしか飛ばないということを。
でも、それで僕は気付いたのです。そうか、だからコウモリは全世界に繁栄しているのだな、と。夜はコウモリの独壇場なんだな、と。ライバルがいないということは最強だー!
気づかせてくれて、ありがとう、はた迷惑なオジサン。

コウモリが持つ唯一無二の能力

コウモリは闇夜の空を自由に飛べる。こんな芸当をできる動物はコウモリだけです。
つまり、夜空の世界はコウモリの一人勝ち状態。ライバルがいません。
多くのコウモリは超音波を使ってエコーロケーション(反響定位)を行いますから、明るさゼロの真の闇であっても縦横無尽に飛べるのです。
驚きですよね!逆立ちしたって、他にそんな動物はおりません。
しかも彼らは、ただ飛ぶだけじゃない。
夜空で餌をとって食べて、水を飲んで、そして恋人を見つけたり、仲間とおしゃべりをしたり、子育てをしたりしているんです。
エコーロケーションの詳細については、のちの連載で語りたいと思いますが、それはそれは物凄い能力なんです。
視覚だけに頼らず闇の中で自由に過ごす。それはきっと、私たち人間にとって想像もできない素敵な日々なんだろうなって、僕は思います。

キツネ派とネズミ派、どちらが好み?

超音波使いのコウモリ(左)と超音波を使わないコウモリ(右)

フルーツバットと呼ばれるグループのコウモリがいます。その名の通り果物などの植物を主な餌にしているコウモリです。彼らは超音波を用いたエコーロケーションをしません。視覚で闇を飛びます。
一方、超音波を操るコウモリたちの餌は昆虫がメインです。蛾や蚊など小さくて複雑に動き回る虫です。

この2つのコウモリグループは、まず顔が違います。
超音波を使わないグループは、耳が小さく目が大きくて、キツネっぽい顔をしており、別名はフライング・フォックス(飛ぶキツネ)。これらフルーツバットは大抵身体も大きいのでオオコウモリ類と呼ばれています。
超音波を使うグループは、耳が大きくて(超音波を聞くため)つぶらな瞳でネズミみたいな顔をしています。身体が小さいためコガタコウモリ類と呼ばれています。
ポイントは、どっちのコウモリも夜行性であり、どっちも可愛いということ!

コウモリがいるからこそ世界は回っている

これだけ地球上に繁栄しているコウモリですから、生態系に与える影響は非常に大きいです。フルーツバットは果物の受粉に多大なる貢献をしています。フルーツバットがいなくなれば世界中の数百種類のフルーツが実らなくなる可能性があります。また、植物の種子散布に、とてつもなく貢献していると言われます。
また、もし虫を餌にするコウモリ達がいなくなったら、害虫が大発生をして、農業に甚大な損失を与えると言われます。コウモリの害虫抑制による経済効果は、北アメリカだけでも年間数兆円にもなるという算出があります。
コウモリを守ることは、私たちの環境を守ることに他ならないと思います。

中島 宏章さん

動物写真家

子どもの頃から動物好き。コウモリをメインテーマにした写真作品で第三回田淵行男賞受賞、第37回木村伊兵衛写真賞のファイナリストに選ばれる。現在も、生まれ育った北海道であいも変わらず野生動物に関わりながら生きている。

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