
あと、忘れてはならないのが「感触」。人それぞれに感じ方の違いはあるだろうが、「打ち込み型」のほうがなんだか気持ちいい。薪が下から裂けるのではなく上からパッカーンと割れるのが見えるからだろうか。そんな「打ち込み型」のなかでも、今いちばん注目なのがフジノハガネの「クナイさん」。パワフルでかっこいい、しかも安いときている。
ハンマーで上から叩くだけ。鉈いらずのお手軽薪割り器
鉄工所が端材から生み出した
フジノハガネは、岡山県の富士鋼業を母体とするアウトドアブランド。富士鋼業は圧力容器(気体や液体を収容する金属製のタンク)を主力とする鉄工所であり、製造過程で出る鋼の端材を有効活用できないかという思いからこのクサビが生まれた(価格が安いのは端材を活用しているから)。
金属加工はお手のものというわけで、形は忍者の道具「クナイ」そっくりに仕上げられている。菱型と丸型の穴が開けられてはいるが、鋼の塊そのものであり、手に持つとズシリと重くて、いかにも頑丈かつパワフルである。



滑り止めの「備前紐」付き
持ち手部分に滑り止め用のロープが巻かれていて、他社の「打ち込み型」クサビとは一線を画している。このロープはフジノハガネのオリジナル。
国産のガイロープを作ろうという志から、同じ岡山県の児島(ジーンズで有名な繊維業の町)の老舗組紐メーカーに製造を依頼して開発した。名付けて「備前紐」。丈夫で耐久性があり、しかも発色がよいからクサビの彩りにもなっている。赤系は、地元の名窯「備前焼」にちなんで「備前色」。





太い薪、硬い薪用に「タフ」もある
サイズは厚さ違いで、1cmの「クナイさん」(240g)と1.6cmの「クナイさんTOUGH(タフ)」(420g)の2種類がある。「クナイさん」は2本セットでの販売。クサビが頭まで薪に埋まってしまった……というときに、このもう1本が役に立つ。
太い薪や硬い広葉樹の薪を割りたい人は「クナイさんTOUGH」がおすすめだ。「クナイさん」と長さが同じとはいえ、厚みがあるからハンマーの狙いを定めやすく、重いから刃が薪に刺さりやすい。どちらにしても、慣れてくるとコンッコンッ、パキッとリズミカルに割ることができる。気分はもう忍者だ。




※この商品は[通販サイト]「小学館百貨店」で購入できます。
クナイさん 2本セット/フジノハガネ
3,980円(税込み)
https://lifetunes-mall.jp/shop/g/gA5551100510
クナイさんTOUGH/フジノハガネ
3,500円(税込み)