【個人オーナーのキャンプ場経営奮闘記】オープンから4年が経過し、“酷暑”の夏に考えたこと | キャンプ場 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

キャンプ場

2025.08.31

【個人オーナーのキャンプ場経営奮闘記】オープンから4年が経過し、“酷暑”の夏に考えたこと

【個人オーナーのキャンプ場経営奮闘記】オープンから4年が経過し、“酷暑”の夏に考えたこと
2021年12月、広島県江田島市に「Hawk Nest Family Village(ホークネストファミリービレッジ)」というキャンプ場を個人でオープンした秋田浩一さん。これまでBE-PAL.NETに、キャンプ場をオープンするまでの経緯やキャンプ場オーナーとしての1週間などを執筆いただきました。

個人オーナーとして数々の難題を乗り越えながらキャンプ場を経営してきた秋田さんは、オープンから4年目の今、何を考えているのか。現在のストレートな思いをつづっていただきました。
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オープン2年目、3年目を振り返って

2021年12月28日、何とかスタートを切った当キャンプ場「Hawk Nest Family Village」。2年目の2003年には、テレビでの紹介やBE-PAL.NETでの連載が追い風となりました。おかげさまで、利用者数も初年度の前年比で約3割増となりました。

当キャンプ場の夜の様子。

続く2024年も、BE-PAL.NETなどに紹介いただきました。特にうれしかったのが、「絶景キャンプ場特集」のランキングです。地域別での中四国3選に、読者投票によってランクインしたのでした。

ビル10階相当の高台にある当地からは、瀬戸内海の眺望や広島湾の夜景が楽しめます。キャンパーの皆さんに景観を堪能いただけるようオープン前から開拓してきましたが、そうした努力が評価され、喜びもひとしおでした。

瀬戸内海を一望できる当キャンプ場。

キャンプ場を開拓するにあたって、何をアピールポイントにするかという点は、とても大切だと思います。

当キャンプ場では、バイオ式浄化槽の設置によって場内で汚水は全て処理して排水、太陽光で場内電力もカバー、事務棟兼オーナー住居のロッジは間伐材や伐採木材をフル活用など、自然環境にも配慮しています。そういったポイントを評価していただき、環境対応キャンプ場の特集でも取り上げていただく機会がありました。

ただし、3年目の2024年は利用者数が前年レベルまで到達せず、絶好調だった2年目と初年度との中間くらいの着地点でした。キャンプブームの減衰を身をもって実感しました。

キャンプ場にとっても大問題の酷暑

さて、4年目なる本年2025年。

出だしの1月に、当地の江田島で山火事が発生。自衛隊の訓練中の火災で、鎮火までに数日がかかりました。この件は全国ニュースにもなり、心配された方からの予約キャンセルもありました。また、その後もしばらくは予約ペースが落ち、山火事の影響は否めませんでした。

さらに、その後の週末には大寒波が。ただ、天候の落ち着いてきた3月以降は、利用者数がピーク年度に匹敵するだけの伸びとなり、4月、そして5月のゴールデンウイークと好調を維持できました。

しかし!ゴールデンウイークが明けると、翌週からほぼ毎週末天候がぐずつき、そのまま6月になって梅雨に突入。キャンプ場オーナーとして大人しく我慢の日々を過ごすのですが、思ったよりも早く、6月27日に梅雨明け。それは良かったのですが、一転して全国的に猛烈な酷暑となりました。

当キャンプ場は海に囲まれている上、高台にあるので、熱気がこもりません。しかも、大木を残したレイアウトにしたり、2〜3cmの高さに刈りそろえた低背草によるグリーンカバー化を進めることで、ヒートアイランド現象を軽減する工夫も重ねています。そのため、対岸の広島市の市街地と比べると実測値で2度程度は最高気温を抑えることができているのです。

低背草によるグリーンカバー。

ただし、上記のような地理的条件や気温上昇を抑える工夫が意味をなすためには、「これまでの夏」が前提です。今年は全国的に最高気温が高くなり、広島市の市街地も35度Cに達する日が珍しくありません。いくら当地の気温は市街地より2度低いといっても、33度です。残念ながら、キャンプに適さない気温になってしまっていることは明らか。さすがに、この気温ではお客さまに「来てください!」とは正直お願いしにくい状況です。

例えば、標高が数100mの高原にあるキャンプ場の場合。そうした高地でも日中の最高気温は30度に達しますが、最低気温は20度近くまで下がります。でも、当地の最低気温はそこまで下がりません。夏の気温がここまで高いと手の施しようもありません。結局、2025年はゴールデンウイーク後から現在(8月下旬)に至るまで、寂しい状況が続いています…。

それならば、夏の低需要をカバーする意味でも、秋のピークシーズンに期待!といいたいところですが、話はそう単純ではありません。ありがたいことに、以前から秋は毎週末、予約が埋まっています。うれしい悲鳴といいますか、秋の週末についてはこれ以上キャンパーの皆さんを増やせない状況です。

つまり、夏のマイナスを秋の週末にカバー、とはいかないのです。

では、どうすべきなのか。今以上に多くのキャンパーの皆さんに足を運んでいただくための対応策としては、大きく2点が考えられます。

① さらに当キャンプ場の存在を広める。
② 当キャンプ場の魅力を磨いていくように努める。

当然といえば当然の、ごく基本的なことです。ただ、こうした当たり前のことをしっかり強化していくことで、例えば平日の利用者の方が少しでも増えればと考えています。特に②が重要だと捉えており、具体的に以下のような取り組みを進めています。

・キャンプ場のレイアウトを見直し、あえてサイト数を減少させてでも各サイトの有効面積を拡大する
 キャンパーの皆さんの快適度・満足度を高めることで、週末に限らず年間を通して利用ニーズを高める
・気温上昇を少しでも防ぐため、引き続きグリーンカバー化や植樹(※)に注力する
 ※松の大木は毎年1~2本枯れてしまうので伐採し、その代替として他の樹木を植樹しています
・周囲の自然を楽しんでいただく工夫として、海に降りるルートを整備し、背後の山に登るルートを開拓
・周辺の飲食店やアクティビティを紹介し、当キャンプ場を含むエリア(島)全体の魅力をアピール

3つ目にある当キャンプ場の背後の山へのルートについては、標高差で250mまで開拓して既存ルートに接続し、すでに何名かのお客さまにもご利用いただきました。そうした結果を踏まえ、YAMAPのルート掲載申請も通り、ネット地図上に表示されるようになったのです。

なお、このルートからは歴史ある古鷹山までの縦走も可能です。瀬戸内海の周囲の多島美も俯瞰できる快適なルートになります。

当キャンプ場の後背地の新規ルート。

当キャンプ場のキャパは、8張りのみと小ぶりです。でも、だからこそ隅々まで目を行き届かせ、気を配り、足を運んだいただいたお客さまのために心を砕かなければと肝に銘じています。

状況を一気に好転させるような秘策などありません。先述したように、私にできるのは当たり前のことを地道に積み重ねることだけです。その結果、キャンパーの皆さんの満足につながることを心から願うのみです。

当キャンプ場のテントサイト。

統計によって数値に差はありますが、日本におけるキャンプ人口(キャンプ経験者の割合)はわずか数%。一方、オランダやドイツなどのキャンプ人口は、日本の何倍もいるといわれています。私は以前からキャンプを愛する一人として、日本も欧米並みにキャンプ人口が増えてほしいと考えていました。

もちろん、個人オーナーのキャンプ場にできることには限りがあります。ただし、多様な特徴あるキャンプ場=幅広い選択肢が存在することの意義は小さくないと思います。当キャンプ場が寄与できることがわずかかもしれませんが、日本のキャンプを取り巻く状況がより良い方向に進むことを切に願っています。

■秋田浩一さんのこれまでの記事はこちら

秋田浩一さん

キャンプ場「Hawk Nest Family Village」オーナー

30数年の会社勤務を経て、2021年12月に広島県江田島市にキャンプ場「Hawk Nest Family Village」をオープン。同キャンプ場の詳細・予約は、下記リンク先のウェブサイトをご覧くさい。

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