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亀の水槽を選ぶときのポイント
亀の水槽を選ぶときにチェックしたいポイントは、『サイズ』『手入れのしやすさ』『耐久性』です。飼育したい亀のサイズや種類・設置場所などを勘案し、最適な水槽を選択しましょう。
亀のサイズに合っているか
大きさを考えるときの目安は、『甲長の3〜4倍の幅』です。例えば、日本で人気のある以下の亀におすすめの水槽の大きさは、次の通りです。
- クサガメ(甲長15~25cm):60~90cm以上
- ニホンイシガメ(甲長10~20cm):60~90cm以上
- キボシイシガメ(甲長10~13cm):45~60cm
- ハイイロチズガメ(甲長15~20cm):60~90cm以上
亀は、種類や個体によって成長スピード・大きさが異なります。水槽を何度も買い替えたくない人は、将来の成長を見越して余裕のあるサイズを選ぶことが大切です。
掃除や水替えをしやすい深さか
亀は、水を頻繁に汚す傾向があり、定期的な水替えや水槽の掃除は欠かせません。水槽選びでは、掃除や水替えのしやすさを重視しましょう。
水深を考えるときのポイントは、『泳いで運動できる最低限の水深を確保できるか』です。一般的には、亀の甲羅の高さの2~3倍程度の深さを目安とすることが推奨されています。
深すぎる水槽は、掃除や水替えの手間がかかります。一方で浅すぎる水槽は、亀が脱走してしまうかもしれません。掃除や水替えのしやすさ、亀の安全・快適さを考慮して深さを考えることが必要です。
耐久性や扱いやすさは十分か
水槽の材質は、ガラス製またはアクリル製に大別されます。材質によって耐久性や手入れのしやすさは異なるため、それぞれの特徴を理解した上で選択しましょう。
- ガラス製:耐久性が高く見た目も美しいが、重さがあるので扱いにくい
- アクリル製:軽量で扱いやすいが、傷が付きやすい
ガラス製は、観賞性と耐久性のバランスがよく、種類も豊富です。亀の様子を観察するには最適ですが、非常に重く水替えや掃除が大変になるかもしれません。
一方、アクリル製の水槽は軽量かつ丈夫で、割れたり破片が飛び散ったりするリスクが少ないのが魅力です。大きい水槽でも扱いやすいといえますが、アクリルはガラスよりも傷に弱い傾向があります。亀の爪や日常の掃除などで傷が付くと、透明度が低下する点に要注意です。
亀におすすめの大きい水槽【60cm】

『ミシシッピニオイガメ』『キボシイシガメ』などの小型の亀は、60cmの水槽で十分な飼育環境を維持できます。ここでは、大きい水槽を探している人におすすめの、60cmサイズの水槽を紹介します。
エーハイム「クラシック2213水槽セット」
ドイツの老舗アクアリウムメーカー『エーハイム』が販売している、初心者向けの水槽のセットです。
高いろ過能力を持つ外部式フィルター『クラシック2213』のほか、ろ材やホース・パイプ類、水槽マット、ガラスのフタなどがそろっています。
水槽は透明度の高いガラス製で、亀の動きを細かく観察することが可能です。水槽の使用にあたって必要な設備は整っており、購入後すぐに設置して使用できます。
水槽のサイズは約60×30×36cm、重量は約10kgです。
エーハイム クラシック2213水槽セット
サイズ: 約W600×D300×H360mm
テトラ「オールグラスアクアリウム 600」
ドイツに本社を置く、世界的なアクアリウム用品メーカー『テトラ』のフレームレスガラス水槽です。接合部をブラックシリコンで仕上げたスタイリッシュなデザインは、水槽の見た目にもこだわりたい人におすすめできます。
水槽のサイズは約60×28×35.5cm、重量は約8.64kgです。付属品として、専用ガラスフタや静音性の高い外掛式フィルター、さらにはフードや水質調整剤のサンプルが付いています。
付属のフィルターは、水槽の縁にかけて使えるワンタッチ式で、水槽のお手入れも簡単です。スターターセットとしての完成度は高く、アクアリウム入門用に適しています。
テトラ オールグラスアクアリウム 600
サイズ:60×21×30cm(容量 約35L)
亀におすすめの大きい水槽【90cm】

中型から大型に成長する亀を検討している人・複数の亀を飼育したい人は、90cmサイズの大きい水槽がおすすめです。ここでは、90cmサイズ水槽から人気の商品を紹介します。
GEX「グラステリアスリム 900水槽」
観賞魚の飼育用品を中心に展開するペット用品メーカー『GEX』が手がける、フレームレスのオールガラス水槽です。ガラスの厚さは約6mmと通常よりも厚く、水を張った際のたわみが抑制されます。
水槽のサイズは約90×30×22cm、容量は約54Lです。通常の90cm水槽よりもスリムかつ水量が少なく、60cm水槽のような扱いやすさがあります。
ユーザー登録をすれば、3年保証が適用される点もうれしいポイントです。
GEX グラステリアスリム 900水槽
サイズ:約幅90×奥行22×高さ30cm 容量:約54L
コトブキ工芸「プログレ900 5点 LED」
水槽や飼育ケースの製造・販売を中心に事業展開する、『コトブキ工芸』のスタンダードな90cm水槽セットです。
強力なろ過能力を持つ上部フィルターや高輝度なLEDライト、ガラスフタ・フィルターマットが付属しており、すぐに亀の飼育環境を構築できます。
水槽には、角が丸く加工されている『曲げガラス』が採用されており、前面に角や継ぎ目がありません。鑑賞性・インテリア性が高く、リビングなどの人目に付く場所に置いてもよく映えます。
水槽のサイズは、約90×45×45cm、内容量は約157Lです。
コトブキ工芸 プログレ900 5点 LED
サイズ:W900×D450×H450 容量:157L
アズワン「1-2982-03 アクリル水槽 約155L」
日本の総合科学機器・医療介護用品メーカー『アズワン』の、アクリル水槽です。
透明性の高いアクリル樹脂が採用されており、亀の様子がよく見えます。主な用途は研究・実験ですが、高い透明性・堅牢性を持つ水槽は飼育にも最適です。
水槽のサイズは約90×45×45cm、容量は約155Lとなっています。重量は約10.2kgとガラス製の水槽よりも軽く、スムーズな設置や移動が可能です。
アズマン 1-2982-03 アクリル水槽 約155L
サイズ:900×450×450mm 重量:約10.2kg
HAMANAKA ARTS「アクリル水槽 90cm」
日本のアクリル加工メーカー『浜中工芸』のアクリル水槽です。
日本製の高品質なキャスト板アクリルが使用されており、高い透明度と耐久性があります。底面は3重補強、接着面は2重加工が施され、耐水圧性が強化されている点も魅力です。
水槽のサイズは約90×45×45cmで、アクリルの厚さは約5mmあります。ガラス水槽と比較して保温性が高く、冬場のヒーター使用量を抑制することが可能です。
HAMANAKA ARTS アクリル水槽 90cm
サイズ:横幅900mm×高さ450mm×奥行450mm
亀におすすめの大きい水槽【120cm】

120cmの水槽は、市販の量販ルートで手に入る規格水槽としては最大クラスです。亀用の大きい水槽を探している人におすすめの、120cmサイズの水槽を紹介します。
コトブキ工芸「レグラスF-1200L」
スタイリッシュでインテリア性が高い、120cmのフレームレスオールガラス水槽です。ガラス厚は約10mmあり、見た目の美しさと高い耐久性を両立しています。
水槽のサイズは約120×45×45cmで、容量は約205Lです。甲長20~30cmの大きい亀でも、ゆったりと過ごせる広さがあります。
ガラスフタ4枚やガラスフタ受け、ウレタンマットなどの基本アイテムもセットになっており、水槽の安全性・安定した飼育環境を維持しやすいのが魅力です。
コトブキ工芸 レグラスF-1200L
サイズ: W1200×D450×H450mm 容量:205L
GEX「マリーナガラス水槽 120cm MR-19N ブラック」
ブラックフレームが印象的な、存在感のある120cm水槽です。
フレームがガラスにかかる水圧を分散させるため、フレームレス水槽よりも強度が高いという特徴があります。水槽には2枚組みのガラスフタが2セット付属しており、亀の脱走防止に有益です。
水槽のサイズは約120×45×45cm、重量は約32kgです。フレームレス水槽と比較すると枠の存在感が強いため、自宅のインテリアとの相性をしっかりと吟味しましょう。
GEX マリーナガラス水槽 120cm MR-19N ブラック
サイズ:約幅120×奥行45×高さ45cm 容量:約205L
亀の飼育に必要な水槽以外の設備・レイアウト

亀にとって健康で快適な環境をつくるためには、水槽以外の設備やレイアウトにも注意が必要です。亀の飼育にあたってそろえておきたい、必要な設備やレイアウトを紹介します。
フィルター・ヒーター
フィルターは、水中の大きなごみや有害物質を除去するために必要です。亀は排泄物を多く出すため、水槽内の水がすぐに汚れてしまいます。
汚れをそのまま放置すると、有害なアンモニアや亜硝酸塩が蓄積し、悪臭や亀の病気の原因になるかもしれません。水の安全性や透明度を維持できるよう、水槽にはフィルターを設置して水質を適切に管理することが必須です。
また、亀は変温動物であるため、体温が周囲の温度に左右されます。冬場などに温度が下がると、亀の食欲不振・免疫力低下につながりかねません。ヒーターを設置して、亀の活動に最適な水温25℃以上をキープしましょう。
陸地・シェルター
亀の健康を維持するためには、水槽内に陸地の設置が必要です。水生亀の場合は、陸3:水7の割合でレイアウトを設計しましょう。
亀に陸地が必要なのは、甲羅干しや休憩をするためです。甲羅が常に湿った状態は、亀にとってよくありません。亀は陸地で甲羅を完全に乾かして、コケやカビの繁殖を防いでいます。
また、亀は非常に警戒心の強い生き物であり、常に見られている環境は苦手です。落ち着いて身を隠せるシェルターを設置してあげると、ストレス軽減につながります。
ただし、屋内飼育でシェルターを設置すると、隠れてばかりで人に慣れにくくなるかもれません。シェルターの位置や大きさを工夫して、人と亀が触れ合いやすいレイアウトを実現しましょう。
照明
照明は、亀が体内にビタミンD3を合成するために必要です。ビタミンD3は、カルシウムの吸収を助け、甲羅や骨を丈夫に保つために必要といわれています。
甲羅が柔らかくなる『くる病』や甲羅の変形を予防するためには、安定的に紫外線を供給できる照明が欠かせません。
また、亀は変温動物であるため、光と熱を利用して体温を上げます。亀の活発な活動と健康維持には、日光浴が必須です。
このほか、明るい照明は亀の生体リズムを整え、昼夜のサイクルを把握させる役割も期待できます。水槽に設置する照明は、紫外線(UVB)ライトやバスキングライトが一般的です。
- 紫外線(UVB)ライト:UVB5.0~UVB10.0
- バスキングライト:照射する場所が30~35℃程度になるもの
なお、亀の種類によって必要な紫外線量は異なるので、飼育している亀に合うものを選択しましょう。
まとめ

亀の飼育に必要な水槽のサイズは、甲長の約3~4倍、水深は甲羅の高さの2~3倍が目安です。甲長20cm以上の大きい亀を飼育したい場合は、90cm以上の水槽が必要になると考えましょう。
亀の飼育には、水槽以外の設備やレイアウトも重要です。フィルターや照明を準備するのはもちろん、亀の生態や種類に合わせて陸地・シェルターのレイアウトも最適化しましょう。