
今回は日本の城とはまた風情が異なるそんなヨーロッパの要塞の紹介です。しかも世界遺産!
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
「城壁」の上を歩き、「塔」に登ります!(スイス旅その5)
スイス南部の街ベリンツォーナ。アルプスの山々に囲まれたU字谷の底に位置し、古くから交通の要所として栄えてきた古都です。
交通の要所ゆえに「守らなければいけない場所」であり、3つの要塞と街を取り囲む城壁が今でも残っています。これらは「中世アルプスの要塞都市」のモデルとして2000年にユネスコ世界遺産に登録されました。
…という話などを聞きながら今回の国際プレスツアーの一員として街を案内してもらいました。本当に魅力的な街並みなのですが…集中して説明を聞いている私の視界の片隅に、ときおりどうにも気になる物体が建物と建物の間から飛びこんでくるのです。


ガイドさんに聞くと3つある要塞のうちの1つである「カステロ・ディ・モンテベッロ(モンテベッロ城)」とのこと。ハイキングルートがあって登りは15分くらいで着くそうです。
でもガイドさんはこのあとも「街案内」を続ける気満々。
じつは私、この2つ前の「古都ルツェルン」の記事で書いた通り、時間の関係で同じような城壁を歩きそびれています。今回ばかりは同じ轍を踏まないように、交渉して国際プレスツアーのグルーブと別行動で、一人で向かわせてもらうことにしました。
わがままではなくて「記事のため」です!
まずは「ディ・モンテベッロ城」へ!
さて「カステロ・ディ・モンテベッロ(モンテベッロ城)」へのハイキングルートのスタート地点がこちら。細い路地でわかりづらいです。

2人のガイドさんのうちの1人がここまで案内してくれたのですが、それがなかったらきっと見つからずに右往左往していたところです。

まあ「景観破壊をしない」ということを優先すると、ルートがわかりづらいのも仕方がないのかも。「わからなかったらGoogleマップ先生に聞け!」という割り切りなのかもしれません。

本当にたどりつくのか? 道はあっているのか不安になります。

まあ、大通りを闊歩するよりもこうした小径にお邪魔するほうが「海外にいるなあ」という感じはするのですが、「本当にこの道であっているのか」という疑問はGoogleマップ先生が太鼓判を押してくれてもぬぐえないです。
「この坂を登りつめてもこんな感じだったらもどろうかな」なんて思いながら歩くと…。


一気にテンションが上がります。

スタートから10分で要塞に到着です。

しかも「ここが城です!」的な看板もどこにも見当たらない。もしかしたら「難攻不落の要塞」っぽさを出す演出かもしれませんが。
さてここには博物館もあります。私は時間がないのに入りましたが、特に興味がなければスルーしてもいいかもしれません。
むしろ城壁の上の部分が通路になっていて歩けるので、そこに時間をかけるのがオススメです!


本当はその「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」まで足を延ばしたかったのですが、登りだけでここから25分。集合時間まで20分もなかったので物理的に無理だと泣く泣く断念です。
「グランデ城」に「召喚」される!?
大急ぎでベリンツォーナの中心部に戻ってきて国際プレスツアーのメンバーと合流。次に街中にある要塞「カステルグランデ(グランデ城)」へ向かいます。

ここも相変わらず「世界遺産にようこそ!」といった宣伝臭はゼロ。ですが…。

秘密基地感満載の状況に吸い込まれるように入っていくと…。

エレベーターに入ってス~ッと要塞の上部に連れていかれます。「ちょ、待てよ。オレ、勇者でも何でもないのに突然召喚されてない? 武器ないし。超能力も魔法の呪文も知らないし」感が味わえます。
ちなみに坂道を歩いても要塞の上部にたどりつけますし、そっちのほうが明らかに「BE-PAL.NET」っぽくはあるのですが、この「城塞への召喚感」がなかなかいいのでエレベーターはオススメです。
そしてエレベーターを降りた途端現れるのは、これから自分が統率することになる幾千万の兵たちが歓迎の雄たけびを上げる城塞内の中庭…。

でもここを登りきると…。

もちろん大将軍の到来を待っていた兵たちはいませんが。笑

かつてはここにもいろいろな建物があったようですが、今は広場になっています。
ここにある2つある塔のうち1つは一番上まで登れます。じゃあみんなで勇者の証としてそこを目指すものだとばかり思っていたのですが、10人のジャーナリスト中、登ることにしたのは私も含めて3人のみ。笑 勇者率、低っ!
とにかく左側の塔から登り始めます。2つの塔をつなぐ城壁のところまで43段。こちら側の塔はその先に鍵がかかっていて登れないようになっているので、城壁の上を歩いて別の塔へ。

そしてもう一つの塔で階段を99段上がったあと、螺旋階段を13段。段数はいずれも個人的に数えただけなので多少間違っている可能性があります。

塔の上からは360度の見晴らし。



もう世界を手に入れたような気分になり、思わずクイーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ(邦題:伝説のチャンピオン)」を熱唱したくなりました。やめておきましたけどね。
大パノラマを満喫したあとまた城壁上の通路まで降りてきました。

ここがなんだか舞台のよう。
さて一度中庭に降りたあと、西の塔の向こう側にあるエリアへ。


自撮り棒などを使って足元を見ないで歩いていたら落下してケガをしそうなので要注意です。

ちなみに今回紹介したところは行けなかった「カステロ・ディ・サッソ・コルバーロ(サッソ・コルバーロ城)」も含めて「城」と表現されていますが、領主が居住していたわけではないので「要塞」という感じです。

日本の城とはまた趣が違う「中世ヨーロッパの要塞」、ぜひ訪れてみてください。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
スイス政府観光局(「ベリンツォーナ要塞」のページ)
https://www.myswiss.jp/experiences/unesco-bellinzona-castles/